寒風山〜赤坂山  (小てつ NO.56)


 
芽吹きだしたブナ


平成26年4月27日(日) 快晴(暑い)  JOEさん、小てつ

コース:
マキノ高原駐車場(登山者用の区分表示有り)〜第2ゲレンデ〜寒風山〜高島トレイルルート〜赤坂山〜見晴らし台〜テニスコートルート〜駐車地





 近頃「花紀行」が滞っているJOEさんと、赤坂山の花でも見に行きましょうと、またマキノに向かうことにする。

 山科のいつもの待ち合わせ場所で合流して、161バイパスで湖西を北上する。連休の初めと言うことで、混雑も予想していたが以外に道は空いていて、1時間でマキノ高原の駐車場に到着する。今日は既に10台ほどの車が停まっている。準備をして8時20分に出発できた。スキー場では八重桜が満開。

 他の登山者は赤坂山に向かうようで、第2ゲレンデに向かうのは我々だけのようだ。ゲレンデの中腹に数人の人がウロウロしているが、どうやらワラビを採っているようだ。あたりを見回すと確かにワラビが出ているので、一本手折ってみるが、いつものトロっとした感じでは無く、どうにも筋っぽい。出たばかりのも緑だし、我々がいつも言っている「中国ワラビ」のような気がする。登山道近くでワラビ採りをしていたおじさんに声をかけてみると、別に無頓着な感じだった。まあ毒ではないだろうけど、美味しくはないと思うけどなぁ。

イカリソウ サルトリイバラ

 ゲレンデ上部あたりから、もうイカリソウが見られ、珍しくサルトリイバラの花も見れた。

 ゲレンデから登山道に入ると、明らかに倒木などが片付けられて、歩きやすくなっていた。すぐにイワカガミがたくさん現れ、いっきにペースが遅くなる。今年は表年なのか、たくさんの株に花をつけているし、ひとつの株の花も多いようだ。とにかく見事。

 見晴らし台のある標高500mあたりまでは暑いと感じたが、それ以上になると適度に風もあり、快適な歩きとなる。そして何よりもカタクリの花がずっと迎えてくれるので、登りのしんどさなど全く感じない。ひとところにかたまって群生しているのも圧巻だろうけど、ポツンポツンと道案内のようにずっと咲いていてくれるのも、気を和ませてくれるものだ。

イワウチワ カタクリ
ショウジョウバカマ イワナシ

 標高があがるにつれイワカガミはまだツボミとなり、イワウチワが咲いている。ブナの芽吹きもまだのようだ。結局見晴らし台のあたりから、寒風山のピークまで、ずっとカタクリが旬の状態だった。寒風山のピークには、すでに10人ほどの登山者が休憩していた。ピークの広場のあちこちにも、足の踏み場に気をつけないといけないくらい、カタクリの若葉が出ている。我々も小休憩をして、赤坂山への稜線歩きに向かう。

 赤坂山へはいったん北へ回り込んで東へと向かうのだが、尾根道を直角に曲がるところに厳重に高島トレイルのテープで、通せんぼがしてあった。多分、ここが去年遭難騒ぎのあった道迷いの現場なのだろう。学生は、近道だとここを直進して、迷ったに違いない。案の定、小てつが予想していた場所だった。寒風〜赤坂間なら、ここしかない。

学生が迷った箇所 ヤマザクラ

 しかし、あとで聞くところによれば、マキノの出発時間が9時なのに、寒風まわりで赤坂ピーク昼食の予定とか(初心者の、しかも団体なら時間的にしんどいと思う)、8班あったのに引率者が6名しかいなかったとか、ハテナと思うことはある。

 一回そう言う不祥事があると、そう言った行事が中止になって、後輩に迷惑がかかるんですよね〜、JOEさん。

 けど、小てつが中学生時代にあった「耐寒遠足」では、どのルートで歩いたのかは忘れてしまったが、大原の古知谷から鞍馬まで、ほとんど道中引率なしで歩かされたけど、遭難するやつはいなかったなぁ。最後鞍馬の車道をへべれけになって(何でや〜!)真っ赤な顔してフラフラ歩いてる奴はおったけど・・。

 稜線に出ると風が強い。ここは風の通り道で、低木もはえていないところ。高島トレイルには、他にもいくつかこんなところがある。そんな場所に、小てつ目当てのオオバキスミレがあり、またひとつ今回のお目当てをクリアする。

ヤマエンゴサク オオバキスミレ

 今日は寒風〜赤坂間の稜線でも、多数の登山者に会うし、中には大型のザックにマットをくくりつけた、いかにも高島トレイル縦走という感じの登山者もいる。ひとふでなら、通常4日計画で縦走するのが普通なそうだけど、時間があっても、小てつはひとふではやらんやろうなぁ。しかし、JOEさんとここへ来るたび話す、見下ろす谷を詰めてくるルート?は、いつか付き合わせられることになるんじゃないかと予感する。

 風の強い裸の稜線から低木の木立に入ると、嘘のようにまるで風はおさまるが、不思議に野草はなくなる。進路は北に向き、ひとつコブを超えれば粟柄越えとなる。赤坂ピークには大勢の人が見えるし、まだどんどん登ってこられる。

 人は多いが、我々もピークでラーメンタイムにすることにして、風を避け西向きの斜面で腰をおろしてラーメンを作り出す。小てつはいつものマルタイラーメン、JOEさんは、大丸でご当地ラーメンフェアがあったので仕入れてこられた、珍しいキリンラーメン。

 いつものように、JOEさんにノンアルコールビールの差し入れをいただき、食後に今日は小てつが持ってきた「タムシバ茶」をいれる。ひとつシェラカップで回し飲みをしていて、JOEさんから返杯された時に、おとなりで食事休憩をされていたご夫婦と思われるご主人と目が合った。「試してみられますか?」と聞くと、「是非」と言うことで、シェラカップを手渡す。ご夫婦で交互に試されるが、特に奥様が気にいられたようで、どうやって作るのか聞いてこられる。

大見影山には残雪

 1時間近くピークでゆっくりして下山にとりかかるのだが、登山者はどんどん増えていて、きっとこの1時間ほどで、100人を越える人が赤坂ピークを踏んだと思われるほどだった。天気のいい休日の、愛宕神社下の状態じゃないか?

 今日の目当ては、あとバイカオウレンだけだと、やっきになって探しながら下山となるのだが、JOEさんの記憶に残っていた場所は、以前の登山道の脇まで登山者の踏み跡が広がり、そもそも登山道の脇に咲いていたバイカオウレンを踏み潰してしまったのだろう、もう残っていなかった。小てつが推測するに、以前の登山道は掘れていて、残雪時スノーシューでは歩きにくい、どうしても脇のこんもりしたところを歩く、雪のない時なら野草を踏みつけたりはしなくても、雪の上からならわからない。また掘れた登山道にたまった雪を避けるのに、脇のところを歩くなど、登山道が広がってしまったのだろう。なにぶん登山者の多いところでは、こうなってしまう。

 つい先日のヤフーの記事の中で、関東の高尾山での登山者のマナー違反の記事が載っていて、自転車、トレラン者と登山者の衝突事故の懸念や、ペット連れ登山者への非難が載っていた。確かに自転車との衝突は、小てつも気になるところではある。愛宕ジープ道は自転車禁止となっているにも関わらず、平気で走っているのがいるし、林道を歩いていると、この先はどこに行きますか?なんて聞いてくる自転車乗りとよく遭遇する。自転車だと行動範囲は広がる、逆に時間間隔が登山者よりゆるくなり、少しくらい冒険をしても、カバーできるスピードがあるのだ。話しがそれたが、林道で、無音で走ってくる自転車に驚いたことは数度ある。

 トレランと遭遇して、ぶつかりそうになったことはまだないし、登山道が傷つけられているなど感じたこともない。ペット連れの登山者に出会うこともあるが、目くじら立てるどころか、逆に微笑ましく思うところだ。そこは高尾山と密度が違うところなのだろう。むこうは、とにかく人が多いんだろう。

 赤坂山もマキノ高原スキー場があり、マイカーならアクセスも良く、温泉もあって、花もあり、山も高くなく、とっつきやすい山となっている。登山者に人気になるのは当たり前。これからは、高尾山と同じような警鐘が唱えられるようになるのだろうか?

ミツバツツジ ヒメハギ

 とにかく歩きにくい崩れた木道跡を下山しながらも、何かないかと花サーチモードのままである。降りるにつれ、再びイワカガミが咲き出し、イカリソウが現れる。分岐のある見晴らし台まで降りてきて、今日はテニスコートの方に降りましょうとなって、そちらに向かう。こちらの道は崩れていなくて、歩きやすい。しかしながら、JOEさんが以前はイカリソウの畑であったという場所も、畑ではなくなっていて、寂しくなっていたが、それまで無かったミツバツツジも見れ、予想外のヒメハギも見つけられました。

 2時に駐車地まで帰ってくると、駐車場は満杯で、登山者が多かったのに納得する。時間が早かったせいか、帰りの161バイパスでも、渋滞に引っかかることなくスムーズに帰れました。

 今回は人も多かったですが、旬のカタクリとキスミレを、人生最多数見れました。JOEさん、お誘いありがとうございました。

イワカガミ


                           【 記: 小てつ 】