赤坂山  (小てつ NO.61)


 
明王の禿で


平成26年7月6日(日) 曇り  JOEさん、K先生ご夫妻、小てつ

コース:
黒河林道砂利置き場 稲妻号デポ〜黒河峠〜赤坂山〜我々はピストン





 先週は次女がのるオケがあり、これがまた午後2時開演と言う残酷な時間からはじまるものだったから、どこにも山行できず。キンコウカの旬を外してしまったと思っていたら、おばさん山歩き隊のTさんやK先生ご夫妻が、昨年の我々のレポを見てくださって、かわりに訪れてくださっていた。キンコウカは見事に旬であったということだったが、毛虫の異常発生に参ったということだった。

 毛虫は去年も見たけれど、それほど大発生というほどでもなかったし、キンコウカの次にはモウセンゴケが咲いているんじゃないかと、1週遅れはわかったいたが、我々は今週に行きますとK先生にメールをすると、2週連続になるが、小てつとモウセンゴケに会いたいと、K先生夫妻が来てくださると言われる。

アカショウマ? ノギラン

 今日も161バイパスを走ることから、JOEさんと山科で待ち合わせ、東インターから北へと向かう。京都市内は朝から車が多いと感じたが、161バイパスと湖西の道路はスイスイ走り、何と山科からマキノまで、信号停車2回のみという調子の良さで黒河林道に進入する。いつもの砂利置き場に稲妻号をデポして準備し、8時30分に出発できた。

 先生ご夫妻は、あとから追いかけますとメールにあったので、林道の野草を観察しながらゆっくり登る。ところが標高500mくらいから、おかしな木があるのを目にして、気にかかる。初夏だというのに丸裸で、細い枝先まであるので枯れた木ではない。カエデの一種だろうある木にいたっては、花だけ残して葉っぱが無い、まるで無いのだ。良く見ると葉っぱがないのはブナやカエデ類で、ウルシなどの葉っぱは残っている。毛虫が食べたにしては、その毛虫の姿がどこにも無い。成虫になるための繭もない。少しだけ葉っぱを丸めた中に繭を作っている毛虫を見るが、とうてい数が合わない。不思議に思って歩いていく。

小さい葉っぱのギボウシ モウセンゴケは咲き始め

 黒河峠付近で野草観察をしていると、K先生ご夫妻が追いついてこられた。何でも林道の途中で車にひらってもらったということで、予定より早く来れたということだった。小てつは初めましての御挨拶だったが、JOEさんとは昔からのお知り合いということだった。じゃぁみんなで赤坂山に向かいましょうと、お話をしながら、ゆっくりと進む。ペースを気にされていたK先生だったが、野草観察ツアーの時は、他の人より遅いくらいですよと話す。

 すぐに木道で保護されたキンコウカの群落地に着き、まだ咲いていた花を楽しむ。やはり一週間たったことで、モウセンゴケの花も咲きだしていた。

キンコウカはまだ咲いていてくれて 大きい葉っぱのギボウシ

 先週は気味悪いくらいいたという毛虫の姿もないなと思っていると、何と毛虫は干からびて、木の幹にへばりついていたのだった。見晴らしの良い場所から見下ろせば、標高500mくらいから700mくらいの間のブナは丸裸になっている。おそらく何百億匹の毛虫が食い尽くしたのだろう。今年の黄葉は期待薄。

 帰ってから調べると、この毛虫は「マイマイガ」という蛾の毛虫で、飛騨地方で「ゾンビウイルス」で話題になっている種の蛾であると思った。このあたりにまで、広がってきているのだ。毒は無い毛虫だが、刺されると発疹のでる人もいるそうだ。外来種で、ブナを食い荒らすので害はあるのだが、殲滅しようと殺虫剤をまくことでの環境に与える悪影響の方が甚大となるため、処置無しなのだそうだ。

干からびた毛虫 食い荒らされたブナ

 お話をしながら歩くと、あっと言う間に明王の禿に着く。低木の間に咲き残りのササユリがないか探すが、やはりもう残っていなかった。残念。赤坂山のピークには、すでに何人かの登山者の姿が見え、我々もいったん降って急坂を登り返す。

 赤坂ピークに立つが、ややガスがかかりだし、眺望はいまひとつ。北向きの斜面に少し降りて店を広げ、我々二人はラーメンタイム、K先生ご夫妻はパンとミルクで昼食タイムをとられる。「こだわりのラーメンタイムですね」といつも紀行文を読んでくださっているK先生からお声があるが、残念なことに今日は何のこだわりもない「出前一丁」。

 ラーメンタイム中に、K先生の実年齢をお聞きするが、にわかに信じられない。JOEさんをはじめ、okaokaご夫妻や、オヤジ殿と皆さん実年齢よりお若く見える方たちばかりだが、自分の年齢を差し引くと、少しひいてしまう。小てつ、先生のお歳まで、こんなに元気に山歩きができるのだろうか?「嫁が若いと、若くいられるんです」というお言葉には、納得!

 マキノ高原に降りますと言われるK先生ご夫妻とは、ここでお別れとなる。まだ okaoka club の懇親会にご参加のなかったご夫妻に、オヤジ殿の未発表武勇伝を生で聞けるだけでも、会費分は十分楽しめますからとお誘いする。次回にはぜひとのお言葉であった。

 我々はピストンのため、もと来た方にくだっていく。ただ、このルートでは、行きと目線が変わることで、新たな野草が目に飛び込んでくることを経験済みなので、それはそれで期待して歩いていく。

こいつが原因のマイマイガ すでにナガバノモミジイチゴが

 明王の禿の手前まで来ると、登山道の両脇に数個のザックが置きっぱなしになっている。ヘルメットまで装備しているが、ザイルは無さそうだった。崖の方に行っているなら、逆にヘルメットが必要だろうし、こんな砂岩の岩場でロッククライミングはやらないだろうと不思議に思って先に進むと、20人弱の団体が、登山道上にたむろしていて、大声で何か話している。聞こえてくる話声からして、何グループかに分かれて進んでいたひとつのグループが、道を外したかなんかで、先行していた数名がザックをデポして引き返してきたようだった。おそらく数名だけ三国山に寄り道したのだろう、分岐はそこしかないのだから。問題は、我々が歩いてきたことに全く見向きもせず、登山道上でたむろし続けていることだった。我々が脇にそれて通過していても、我ら関せず。見ればそれぞれヘルメット標準装備の本格山岳会のようだったが、それほど本格的な歩きをしているグループなら、マナーの方から勉強してくれよと思う。

 また蒸し返しになるが、例の美山トレイルの連中は、こんな感じのグループなんだろうなと思う。山の中で、我らだけなのだ。後から歩く人のため、また自分が再度訪れた時のために、登山道を傷つけることなく、ゴミをひろい、倒木と枯れ枝はよかしながら歩いてくれている人達が、気持ちの良い登山道を残してくれていることに気づかないのであろうか?

 ズカズカと入り込んで行くんじゃない。ひそかに分け入らせてもらってるんだ。自分の持ち山を歩いているんじゃないだろう。国有林であっても個人所有の山であっても、全部人様の持ち山だ。

 その後、男性二人連れと先になり、あとになり降りていく。林道にあったトリアシショウマは朝より花が開いていた。

トリアシショウマ

 砂利置き場には我々が先に着く。帰り支度をしていると、男性二人連れも降りて来られ、「荷台ですが、下まで乗りますか?」とお声かけするも、気持ちだけ頂いておきますとのことだった。まだ、時間も早いし、林道でも楽しめることもありますものね。

 161バイパスを帰り道、蛇谷を横切るあたりから雨となり、今日は比良にしなくてラッキーでしたねとなる。梅雨最中ながら、曇って涼やかな中、目当ての花も見れましたし、K先生ご夫婦との山談義もあり、楽しい一日でした。JOEさん、お付き合いありがとうございました。


                           【 記: 小てつ 】