堂満岳(小てつ NO.50)


 
堂満ピーク


平成26年1月19日(日) 雪  JOEさん、小てつ

コース:
◆161バイパス高架下にデポ〜イン谷口〜大山口〜青ガレ〜金糞峠〜縦走路〜冬道〜堂満ピーク  ピストン





 土曜日午後から雪の予報で、これはまたまた新雪を踏みに行かなければと、昨年行った権現〜坂下ループも候補にあがっていたのですが、午前中はまだ荒れそうと言うことと、正月3日の積雪量では満足のいってないJOEさんの御意見も有り、堂満岳行きとなりました。

 夕べは断続的に風も強く、午前2時頃から1時間おきくらいに起こされてしまった。6時前に起きだして外を見れば、結構な積もり方だったので、早目に出ようと支度して、先週と同じく山科で7時に待ち合わせて161バイパスに乗る。バイパスに乗ってすぐにノーマルタイヤの車が何台か立ち往生している。小てつは冬用タイヤを履いているので普通に走れるが、前方にチェーン履きの車があってスピードダウン。それでも7時40分にデポ場に着き、8時前には出発出来た。

本日の駐車場所 イン谷口から既にトレースが

 イン谷口あたりでは15cmほどの積雪、全部昨夜からの新雪のようだ。下界は暖かくて管理小屋のところで衣服調節をし、再び歩き出す。既にトレースが残り、早立ちのグループがあったようで、広場にもテントが2張り。

 去年は大きなツララが何本もあったダムには何も無く、最近は暖かかったのだろう。大山口で小休憩し、青ガレに向かう。青ガレにもダケ道にも既にトレースがある。今日は底を貼り直されたライケルでこられたJOEさん、底が変わって違和感がすると言われる。雪に残る新しい靴底のパターンは、不思議な形をしている。ビブラムソールもいろんなのが出ているのだ。

 青ガレの岩場下まできてアイゼンを着けようとなる。まだツボ足でも行けるが、欲しくなるまでガマンをすることもない。アイゼンを着けていると、単独男性に追いつかれた。我々がアイゼンを着けているのを見て、自分もアイゼンを着けにかかった。「今日はどちらへ?」と聞くと「武奈へ」と言われる。逆に行き先を聞かれるので、「堂満へ」と答えると、「あの急峻な」と言われるので、「いや、今日のコンディションなら、武奈も大変ですよ」と言う。少し登ったところで脇にそれて何かしている様子だったが、それ以来全く追いついてこなかったので、そこで撤退だったのか?

大山口で小休憩 青ガレを登るJOEさん

 と言うのも、その先の金糞峠直前の急坂のところが、雪のふきだまりになっていて、先行に2人組のスノーシュー部隊と、単独登山者が二人いて、馬力のあるシュー部隊がトレースを作ってくれるのだが、シューであるから踏み込みが浅いため、後続する単独登山者のツボ足がはまりまくって先に進まないのである。見かねた我々はシューに履き替えて登り出すが、「先に行ってもらって結構」と言われても、脇によってくれる訳でもないので、先行出来ない。根が切れた小てつは、訓練とばかりにトレースを離れ、ラッセルの練習をする。でも、やはり人が作ったトレースを利用する方が早い。

青ガレの岩場上部のダム 金糞峠

 なんだかんだで、金糞峠に到着。先行者は皆武奈なのか、八雲へ向かう。我々は踏み跡の無い縦走路にあがるが、稜線はとても風が強い。まるで先週の赤坂山ピーク付近のようだ。2週続きの吹雪の中を、シュー履きで南に向かう。

 風が作るうねりによって、雪面が畑のあぜのように雪の深度を変えている。深いところに足をとられたJOEさんがはまる。シュー履きだと、これがなかなか抜けなくて、体力を奪ってくれるのだ。JOEさんはうまく先に体を横に倒して、足を抜かれた。

はまるJOEさん 縦走路分岐

 夏道と冬道の分岐に来て、昨年と違って今年は冬道を行きましょうとなる。また、トップを交代しましょうとなる。先週の赤坂で、ずっとトップを切っていただいたことを書いたが、別に小てつはトップを譲ってもらいたくて書いたのでは無く、JOEさんは雪を見ると強いということを表現したかっただけなのだが、少しは前も歩かねばと頑張る。頑張るのだが、ここの新雪は60cmを超えていて、膝上の雪にシューを踏み込んでトレースをつけるのだが、ややもするとズルズルと後退してしまう。新雪でシューの爪が効かないのだ。それでも夏道との再合流地点くらいまでは何とか頑張る。

 雪庇は去年並に成長していて、ドーンと張り出している。シャクナゲは葉を丸めて寒さに耐えている。でも、花芽はたくさんつけていて、今年はどこも楽しめそうだ。

雪庇は去年並 稜線のシャクナゲ

 11時40分にピークに到着。今日の雪のコンディションでは、まずまずのペースだと思う。ピークは風が荒れ狂い、とても長居はできそうにない。少し東稜に降ったところで風を避け、ラーメンタイムとする。ラーメンタイムも良いが、あまりに寒くて、ラーメンが出来上がる前に手指先、足指先が痛くなってくる。 JOEさんにまたいただいた差し入れのノンアルコールビールを、今日は踏まないでちゃんといただくが、輪をかけて寒くなる。

 ラーメンを食べ終わり、仕舞いをして東稜ルートをうかがうが、低木に雪が乗り垂れ下がって、登山道を塞いでいる。積雪量もあり、かなり難儀しそうだし、去年の尻セードルートも、この雪のコンディションでは滑らないだろうと、ピストンすることにし、ピークへ戻る。ピークには、男女5名の登山者が到着していて、強風の中で食事をしている。

 自分達が作ったトレースを利用して、帰りは極楽。あっという間に金糞峠近くまで降りてくると、さっきまでの痛みはどこへ行ったのか、手も足も回復する。15名ほどの完全武装団体とすれ違う。振り返れば、堂満ピークが見えていて、彼らがピークに着く頃には、琵琶湖の展望があるくらい回復してるんじゃないだろうか?

金糞峠付近まで来て

 金糞峠で小休憩。小てつが仕込んできた甘め砂糖入り、○○入りの紅茶を飲む。何でピークで出さんねんと言う話しだが、そんなことも忘れているほど、寒かったんです。

 金糞峠から青ガレに降りていく。二人連れの女性登山者がツボ足で先行していたが、彼女らは手前でダケ道にはトレースが無いと聞いてきて、こちらに回ってきたと言う。(そんな訳ないやろう)と思ったが、そうなんやろか?

 最初の急坂に30名ほどのグループが何かしている。一人に聞くと、滑落訓練をしていると言う。どう見ても、ソリ遊びにしか見えない訓練だし、何もここでやらなくてもと思う。今日の雪はほとんどが新雪で、表層の雪崩などは起こりそうもないけど、ここは何度か雪崩事故が起こった場所だったと聞いている。 我々のシューを見て、面白そうとか言ってやがるが、今日のコースをついて来て、面白いとか言うてみ。

 岩場の手前でアイゼンに履き替えて、団体さんに踏み固められた道を降りていく。正面谷もしっかり固まっていて、アイゼンが効く。大山口でダケ道を見れば、やっぱりしっかりとトレースがある。そりゃそうでしょ。

滑落訓練(?)の連中 イン谷口まで降りてくるころには青空も

 大山口から少し降ったところで、左足が軽い。アイゼンが無い。探しに戻れば、かなり手前で外れて落ちていた。ワンタッチアイゼンはよく外れると聞いていたが、外れると言うか、抜けた感じで外れていた。それでも大分歩いてから気付くとは、何と鈍感。

 イン谷口まで降りてくると、もう青空も見えるほどになってきて、天気予報通り。デポ場には14時25分着。2週にわたり、風雪強烈な歩きとなりました、こんな歩きの方が、後々楽しい思い出話しとなるのです。JOEさん、お付き合いありがとうございました。

 来週は、過激な歩きはありませ〜ん