雲取山〜天狗杉(小てつ NO.66)

 
武奈から桑谷までパノラマ


平成26年11月16日(日) 晴れ   小てつ単独

コース:
別所(おばあちゃんの駐車場)〜花背高原前〜寺山峠〜公団巡視路(ハタカリ峠)〜雲取峠〜P910ピーク〜雲取山〜二の谷〜寺山峠〜天狗杉〜花背峠〜OLコース〜駐車地





 しばらくぶりの投稿となります。この時期、小てつは山には行っていても、とても紀行文にならない名も無きピークの名も無き尾根や、ただの斜面と格闘しているため、お話にならないのでした。

 同じく、しばらく投稿がお休みしている「JOEさんの花紀行」ですが、JOEさんも山には行かれているものの、さて紀行文となった折に、スマホが災いし、「いつでも書けるは、いつも書けない」と言う悪循環に陥り、毎回の紀行文の書き出しだけは進むものの、完結には至らないとのことで、お休みが続いておられます。お元気ですので御心配にはおよびません。

 さて、前置きも長くなりましたが、紅葉のこの時期、平地の高雄、嵐山とかがそろそろ見頃という頃には、山では既に見頃は終わっていて落ち葉の季節となっているはず。落ち葉踏みと言えば、近江坂か雲取山と言うことで、今日は帰りの混雑を考えて、近場の雲取山に決めました。雲取山だけでは一日持たないので、今日は花背の西側の尾根を探索することにしました。

 いつも通りの時間に目覚ましをセットして起きたのですが、いくらか早く出立できたので、花背は別所の「おばあちゃんの駐車場」に7時30分前に到着できた。懇親会の席で、森の旅人さんは駐車場に着くとおばあちゃんが出てくるので、おばあちゃんに駐車料金を渡すとおっしゃっていたが、小てつの到達時間がいつも早いせいか、小てつはいつもワイパーに、駐車料金300円をはさんでおきますと言っていたが、最近はポストに入れることになっているみたいで、料金を入れた封筒をポストに入れる。おばあちゃんの家の雨戸が閉まっていて、人の気配も無いから、元気にされているのか心配になる。

貴船口の紅葉はイマイチ おばあちゃんのところに駐車

 学校前の橋を渡り、取り付く。雲取山は数年前の雪以来となる。小てつの場合、取り付きの最初の数十分が、その日の山行の是非を決めることとなる。K先生は、山行前日にはアルコールは摂取しませんというルールをお持ちで、小てつには到底真似のできないことなのだが、小てつは逆に、山行前日には、すっきりガッチリ寝ていなくてはいけないので、しこたま飲んでバタンキューしてしまうので、最初の数十分は、前日の残り酒との格闘となる。

 何でこんなしんどいことをと思う時間帯ではあるが、不思議なことにひと汗かくとアルコールも抜け、見えている範囲ならどこでも歩いて到達できると思えて来て、怖いもの無しになってくるのが快感で、山歩きがやめられなくなってくるのですね〜。

 肝臓はユラユラ揺れている時が、一番活動できるそうで、歩くことで肝機能が活性化して、元気になっていくようだ。それで一週間に一度は、こうして山歩きをしないとスッキリしなくなったのだろう。(酒やめろやちゅう話やねェ)

 植林地の中を、3頭の鹿が走っていく。まだ早朝で、夜の間に里に降りてエサをあさっていたのが、山奥へ逃げる前に、小てつが山に入ったのだろう。今日は、クラッカーでは無く、おもちゃのピストルを仕入れてきていたので、数発打って威嚇する。

 おもちゃのピストルでも、柏手以上の破裂音がするし、何しろ100円なのがいい。爆竹だとゴミも出るし、そうそう何度も鳴らせない。獣に遭遇してからでなく、気配を感じたら数発打っておけば、威嚇になる。(小てつはフレッツで仕入れました。火薬弾の方は、どこでも置いてますが、本体がなかなかなくて、やっと見つけました)

新兵器

 谷から離れ植林地に向かうところで衣服調節して、息を整え一回目の寺山峠に着く。前に訪れた時に、印象深い単独登山者と出会い、そのことをよもやま話に書いたことが思い出す。彼は元気にされているだろうか?

 今日も公団巡視路である、ハタカリ峠方向に向かう。雪のシーズンにokaoka隊で来て以来のこのルートだが、その時には、スノーシューの履き比べ大会になってしまって、凌雪荘までしか到達出来なかった。バスで来たこともあったし、今日とは比べられることもないけど。

いい感じの落ち葉 ヤドリギだけが目立つ

 木に巻かれたテープが目につく、赤と黄色。ハタカリ峠に向かうこのルートは、もちろんガイドブック等に掲載されたルートでは無い。ガイドブックには雲取山のピークに向かうには、一の谷に向かうと書いてある。なのに数年前に訪れた時とは比べられないほどのテープ付けがされている。同じ木に赤と黄色、紐等巻かれてるのは、付けたのが同一人物ではないかと思えるくらいだ。

 小てつはテープ付けに対して、断固として否定した態度である。テープを付ける暇があったなら、まわりの山を見て、位置を把握し、印象深い木を見つけて、次回の山行の参考にしていただければと思うからだ。地図と磁石に頼らず、テープ頼りの山歩きをしていたら、いつまでたってもテープ頼りになってしまうし、せっかく山に入って、テープばかり追いかけていたら、見落としてしまうことがあってそうで、誠にもったいない。何より、テープは木を痛める。何もテープくらいでと思う方は、一度少し古いテープをはがしてみるといい。テープをはられた木の肌は腐ってしまっている。そこから木は枯れてしまうのだ。本当にやめてほしい。自然を満喫するために山に入っているのに、何で人工物を見せられなきゃいけないのか?しかしながら、ここは小てつのテリトリーじゃないので、そのままにしておく。

 さて、雪の時には3時間ほどかかった凌雪荘まで、1時間かからず到達し、尾根道をたどる。樹間からのぞくと川霧が発生していて、しまったそれなら今日は桟敷ヶ岳やったかと悔やまれるが、少し曇っているから絶好の雲海写真も無理だろうと、思い直す。

 ハタカリ峠付近の尾根道は、抜群の落ち葉の絨毯となっていて、サクサクと踏みしめる音を楽しむ。雲取峠手前から見るP910の山肌にあるシダが、枯れたのとそうでないのとが、面白い模様を作っている。

雲取峠手前からシダの枯れた
コントラストがきれい
雲取峠

 前回きた時には、山道通りに雲取山に向かってしまい、P910には寄らずじまいになってしまったが、大見尾根から見るとP910ピークは疎林で、いかにも見晴らしが良さそうなピークだと思って、次回は必ず寄ってみようと思っていたので、登ってみる。ピークに着けば予想通りの展望で、東から北側のパノラマ写真を写す。皆さんここは寄ってみるところです。

 そのままピークを乗り越していくと、次の鞍部で雲取山に向かう山道と合流出来きて、一息登れば雲取山ピークとなる。ピークでひと口飲水して、すぐさま二の谷に降りていく。三の谷ほどではないが二の谷も急坂で、山の上の方なのに、豪雨の爪跡が残る。でも雰囲気のいい谷だ。

雲取ピーク 二の谷

 二の谷を降りきると立命館ワンゲル小屋があり、今日は数名の方がおられた。林道に登り、左手の一の谷の出会いを目指す。ここは間伐された植林が山肌に残され、あまりいい景色では無い。何度か靴を濡らして渡渉し、一の谷出会いに到着し、本日2回目の寺山峠となる。今度は南側に進む。

 最初のピークを登りきったところで、日当たりも良く、丁度腰掛けに良さそうな倒木もあったことから、ラーメンタイムとする。ラーメンタイムと言っても、今日はカレーうどん。いつも買い物をする京都生協には、普通のしか置いていないのだが、先日入った平和堂に辛口タイプのがあったので、仕入れておいた。後発のカレーうどんもあるが、小てつはこのマルちゃんの辛口のが一番好みだ。匂いで悩殺出来る人が周りにいないのが誠に残念なところだが、匂いにつられて熊が出てこないか心配になり、ピストルを鳴らす。(ビビってんのか!)

再び寺谷峠 本日はカレーうどん

 満足のカレーうどんタイムを終え、腰をあげる。この尾根道を探索してみたかったのは、実は数年前に、とある小学校の校長先生にうまいこと言われ、山の家の活動の付き添いを頼まれた時に、このコースを歩くことになっていて、当日は結局雨天で山歩きは中止になったんだが、山の家じゃ小学生にどんな道を歩かせているのか確認してみたかったからだ。最初の登りはあるものの、稜線に乗ってしまえばそんなに起伏も無く、いいコースだ。団体が歩いている道は踏み跡がしっかりあって、ハイウエイ。尾根が狭くなっているところには、足元注意の標識まであって、至れり尽せり。

 眼下に花背の景色を見ながら、快適な稜線歩きを楽しみ、旧花背峠付近の旧道に降り立つ。そこで、二人連れの男子大学生と思しき登山者に「天狗杉に行くのはどこですか?」と聞かれ、旧道の反対側の取り付きを教えるが、実は私も行くのでと、先行する。

 大学生のうちの一人が、ラジオを大きく鳴らしているので、「熊よけか?」と聞くと、何でもバスを降りた峠下で、ミニパトの警察官から、小熊の目撃情報があり、親熊が探し回っているかもしれないので、警戒してくれと言われたそうだ。地蔵山のが、こちらに来たのか?

 天狗杉までひと息で登る。あまりにあっけなく到着したもので、大学生は驚いていた。(そりゃ最初の取り付きが高いところから歩いているからですよ)

天狗杉ピーク

 しかし、男子大学生二人で山歩きなんて、小てつの大学生時代には考えられないことだ。男子ならもっと健全な遊びがあるのに(例えばバル遊びとか・・ねぇユッキー様)

 休憩していると今度は夫婦2組と思われるグループが登ってきた。大学生とバスで一緒だったそうで、ピークから少し外れた見晴らしの良いところを見つけ、京都の町並みを眺めていた。学生達も景色を見に行き、山の同定をしているのだが、比叡山がわからないようで、やはりまだ初心者のようだった。京都市内からの比叡山を見慣れていると、ひとつのピークに思い込んでしまう。

 4人のグループの方も、聞けば大阪は和歌山に近いところからこられたと言うことで、それで朝2番のバスでこられたのが納得できた。でもって、聞いてみれば、ヤマケイの11月号に今日のコースが載っていたので、たどってみることにしたそうで、学生達も同じくだったそうだ。

 コースの地図を見せてもらうと、峠下から旧道をあがり天狗杉へ、また旧道に降りて、林道をたどり芹生へ降り、車道を歩いて芹生峠、貴船に降るというルートだった。(ほとんど車道やん!)

 足ガタガタになるんちゃうか?と思ったけど言えず。山と貴船の紅葉を無理からセットにしたようなコースだけど、初めての人にアソガ谷を教えるのもなんだし・・・。「今もうお昼ですし、暗くなるかも知れませんよ」と言うと、「なあに、ライトアップしてると言うんで、丁度いいです」と帰ってきたので、安心して先に行くことにする。大学生とも分かれ、小てつは花背峠にと降り立つ。

 あとは山の家の入山コースであるOLコースの林道を降っていく。あちこち新しい林道が切られ、夏はわんさか山ビルがいそうなところだ。もうすぐ別所というところで、林道は激しくえぐられ、小学生はホンマにここを使って入山してるんかいな?

あの稜線を歩いた

 おばあちゃんの駐車場に到着すると、稲妻号のとなりにマークXが駐車されていて、ダッシュボードに駐車代は帰りに払いますのメモ書きがあった。(駐車代は、前の小屋のポストに入れるんですよとメモしようかとも思ったが、お節介とやめた。

 まだ、1時20分。朝が早い分だけ早く帰って来れた。これなら貴船口で大混雑にも会うまい。(本当にスイスイでした)でも、家に帰ると早すぎて、銭湯開いてないんですよね〜(うちの近所は3時から・・)

 久しぶりにちゃんとした山歩きをしましたが、結構歩けました。これならまたJOEさんと御一緒しても、置いていかれることはないんじゃないかな?


                           【 記: 小てつ 】