経ヶ岳(小てつ NO.65)

 
久良谷を遡行する


平成26年9月15日(祝) K先生+ユッキー様 JOEさん 小てつ

コース:
久多林道、滝谷と岩屋谷分岐デポ〜切り株の看板〜久良谷〜三つ目の炭焼き跡〜標高700mの巻き道〜二又の谷〜経ヶ岳の稜線〜経ヶ岳〜西南尾根〜見後谷口〜デポ地





 先週は河内川林道で紫色の花を楽しんだ小てつ、違う紫色の花が咲きだしているんじゃないかと久良谷に行こうと思ったら、(そうや、8月に予定していた納涼そうめんツアーが、豪雨の影響で通行止をくらい、行き先を変更して大見尾根に行ったため、まだ久良谷をご案内していないK先生をお誘いしてみよう)と思い立った。今週はまた比良の紫色の花鑑賞を予定してブログにも宣言されていたK先生だったが、「こちらに同行されるともれなくJOEさんの「豚汁」があたります」と言うと、前言撤回で、急遽の久良谷同行となった。

 いつもより早い目に待ち合わせ場所の河原町御池に到着の小てつ、これまたいつもよりひとつ早い地下鉄で到着のJOEさんと、K先生御夫妻との待ち合わせ場所である出町柳に向かう。待ち合わせの時間には、まだ早いですよと言ってると、バス停にokaoka御夫妻の姿を見つけた。お二人は今日は比良に行かれると言われる。

 このあたりが、流石のokaoka clubで、綿密な登山予定など無く、それぞれがそれぞれの狙いでもって山行日、行き先を決めるので、こういうあれまぁ〜の事態も起こりうるのだ。

 最近の情報などを話し合っていると、K先生御夫妻が到着され、では行ってきますと別れる。(こんな時に、オヤジ殿のような大きい車なら全員お乗せできて、曙橋でも細川でもお送りできるんだけど・・)

 三連休の最終日で混雑も予想していたが、367号線はスイスイ走れ、梅の木から久多への細道に入る。中村橋あたりはひどいことになっているが、久多までの道は豪雨の影響は少なく、順調にデポ地である滝谷と岩屋谷の分岐点に着き、路肩の小広くなった場所に駐車し、準備をして8時45分に出発できた。

野草があれば立ち止まり アキチョウジ

 ここの林道もまわりが自然林だからか野草が多く、野草を見つけては立ち止まり撮影タイムとなる。今日の周回コースは距離も無く、ゆっくりと野草を楽しむコースなので自然に足取りはゆっくり。

 久良谷の分岐となる「切り株の看板」のところに到着し、手袋をはめストックを伸ばし、いよいよの準備を整える小てつに、ユッキー様が地形図を取り出し、コースの確認をされる。いつもは「安全登山」を心がけ、登山道の無い山など行かないとおっしゃっていたK先生御夫妻に、'こんなのもアリ'を経験していただこうと企画した訳だが、結構ノリ気と見られたユッキー様だった。

 川を渡り久良谷に入っていく。実は久良谷は去年、今年の豪雨の影響で、転がっている岩の寸法が大きくなっている。倒木の引っかかりも至るところにあり、渡渉や岩の乗り越しポイントが以前よりも格段に難しくなっているのだ。何度も訪れている小てつでも、ルートを選び選び進むことを強要される。先の数十メートルを見越して、進むルートを右岸なのか左岸なのか決めないと、立ち往生してしまう。

 普通に経ヶ岳に登るなら、桑原から高島トレイルのルートで登れば普通の'安全登山'のルートになるのに、何の因果か小てつと登ることになったため、久良谷から登る初めての経ヶ岳はどんな印象になってしまうのか、それはそれで興味深々なところ。

トチの実は豊作のよう アキギリ

 ひとつ目の炭焼き跡は、標高700mの巻き道が途切れた尾根を降りてくるとたどり着くところ、ふたつ目の炭焼き跡はやり過ごして、みっつ目の炭焼き跡が遡行の最終点、ここからは左手の尾根を登ることになる。いつもは無理やり尾根に取り付くのだが、今日は尾根の左手の道跡のようなところをたどる。実は前回の大見尾根変更登山の前に、小てつ単独にて下調べに久良谷に訪れていた。その時に、以前から気になっていたこの尾根の左手の様子を調べていたのだ。

 前は倒木があり、それを乗り越してまで尾根の左手を進むことをせず、okaoka club持ち前の'ガケでなければどこでも登る'腕力登山で直登していたが、今は倒木が朽ちて容易に乗り越すこともでき、たどっていくと割と苦も無く登れることがわかった。転回ポイントで大きくギザを切り、時にはキックステップでザレ場に足場を確保して登って行く。大岩の下まで来るとあとは、鹿の踏み跡を探しながら20メートルほど以前同様の腕力登山となる。

 K先生もユッキー様も、ここまで全く危ういところもなく、普通のペースで歩かれている。ワクワクの反対に心配もされていたが、この調子なら'小てつワールド'のどこでもお連れすることができそうだ。

 700mの巻き道までたどり着き、一息ついて二又の滝まで進む。二又の滝の右側の滝横を進む時、「ここは道子さんでも苦手なところなので、怪しかったらロープを出します」と言う小てつだったが、何ともない様子でお二人共クリアされてくる。(今日は、ロープの出番はないな)と思う小てつ。

 もうここからは危ないところもなく、お茶屋跡の鞍部からの稜線にたどり着く。樹間から正座峰の三角峰が見え、「経ヶ岳も、天狗側から見ると、きれいに三角に見えます」と言う。きれいに三角に見える山はしんどいと言うが本当で、経ヶ岳の最後の詰めも、短いながらもしんどいところ。ギザを切ってはいるものの、しんどい登りをゆっくり登る。

アキノキリンソウ 経ヶ岳ピークの経石

 とんがって見える経ヶ岳ピークは、意外と小広いところで、経石以外は何もないピークだが、ユッキー様は自然の深いところだと喜ばれる。小休憩でJOEさんからノンアルコールビールをふるまっていただき、ユッキー様には梨をふるまっていただき、美味しくいただく。

 さて生き返る、降りは去年間違って降りた見後谷口に着地することになる西南尾根で降りることにする。最初は西尾根と同じだだ広い尾根を倒木やヤブを避けながら西へ進んで行く。冬枯れの季節なら正面のP936が目印となるが、今は見えないので、哲郎さんに習いストックの影を見ながら西へ進んでいることを確認する。

 降り坂になると細尾根になり、ここが尾根であることがわかる。去年はここでミヤマウズラを見つけたので、今年も無いかと探したが、台風で流されてしまったのか見つけられなかった。

 標高750mあたり、西尾根と西南尾根の分岐点は地形図ほど明確では無い。左、左を意識していると尾根なのかただの斜面なのかわからないくらいの場所に、先の方を見下ろすと尾根だとわかる場所があるので、急坂を降っていく。ここも難所だが、ロープの助けはいらないとおっしゃるお二人。「こういう場所は童心に帰って楽しんでください」と言うと、意外にもK先生は幼いころには女の子とままごと遊びをしていたと言われ、逆にユッキー様は男の子と宇治川を荒らしまわっていたと言われる。どうやら最初に相方を山に連れ出したのは、ユッキー様の方だと思われた。

 あとは地形図の通りで、西尾根よりも西南尾根の方が、長い分傾斜も緩やかで、快適に降っていく。最後の植林地の中、50mほどが最後の難所となるが、もう下の林道も見えていることから、焦らずゆっくりと進路を考えながら降りていく。

ツリフネソウ ゲンノショウコ

 結局いつもの通り、経ヶ岳ピークから45分ほどで降りてきた。林道に着地して無事を喜ぶ。K先生は「こんなところを降りてきたんですね〜」と、感心したように今降りてきた急坂を見上げられる。写真に撮っても、わからないんですよねと残念がられる。降りでも汗をかかされたと言われるお二人共、クールダウンしながらデポ地に戻り、車のリアゲートから吊るせる簡易着替えルームで着替えていただく。その間に既にJOEさんは、本日のメインイベントである「豚汁」の調理のために、いち早く河原に降り準備をされる。

 クーラーボックスに入れてきた、本物ビールもあり、また「こだわりのラーメンタイム」に興味深々と思われたK先生に、JOEさんの豚汁にあう、味噌ラーメンを御賞味いただく。かわりにユッキー様に梅干入りおにぎりをいただき、もうお腹いっぱいと4人。

 お腹がいっぱいになったので、そろそろと片付けて河原からあがり、余韻を楽しむように、今度は観光トイレの分岐から、もう終わっているだろうけどと友禅菊の畑の方に行ってみる。友禅菊は咲き残りのいくつかが残っているだけだったが、あぜ道でツルボの咲き残りやアカソ、クロバナヒキオコシを見つけ、楽しむ。久多には野草が残っている。

咲いていれば見事でしょうねと、お二人 名残りのツルボ
アカソ クロバナヒキオコシ

 今日は「緊張と緩和」の両方があり、まるでクラシック音楽の本質を味わったような一日でした。謙遜されていたK先生御夫妻でしたが、やはり年間50回の登山経験は伊達ではなく、十分ついてこられました。小てつ得意の山にも行きたいところがあるとおっしゃり、御案内できる日が楽しみになりました。JOEさん、後方サポート、ありがとうございました。


                           【 記: 小てつ 】