小野村割岳(小てつ NO.63)

 
小野村割岳山頂に着く


平成26年8月3日(日) くもり   JOEさん、小てつ

コース:
下の町〜早瀬谷〜小野村割岳〜雷杉〜首吊り尾根〜広河原





 盛夏向き、稜線近くまで水場のある山シリーズ第三弾と言うことで、「小野村割岳」!

 例によって前日まで日曜日の山行の予定がたたなかった小てつだったが、何とか土曜日中に仕事のキリがつき、日曜日に山行できることとなった。今週は武奈ヶ岳を予定されていたJOEさんだったが、小てつが小野村割岳を計画していることを連絡すると、あまり天気予報がかんばしくないことから、眺望を楽しむ山である武奈ヶ岳に悪天で行ってもと、JOEさんもこちらに来られることになった。

 いつものホテル前に7時すぎに待ち合わせ、今日は鞍馬を抜けて花背峠を越えていく。すれ違う車も希で、すんなり下の町バス停に8時に到着する。ここでJOEさんだけ降りてもらい、小てつは稲妻号で広河原に向かう。今日は仕込み有りで、広河原に着くと荷台からママチャリを降ろし、登山靴に履き替えて下の町まで戻るてはずだ。

 広河原のバス停広場に、20人ほどの高校生くらいの若者と引率と思われる先生がいて、大型ザックにテント泊装備で歩き出すところだった。おはようございますと挨拶だけしたが、彼らはどこから来て、どこに行こうというのだろうか?

 結局20分で下の町に取って返して、8時20分のスタートとなる。この林道にはあまり期待はしていなかったが、その期待を上回るほど何の野草も無く、ただただ坦々と歩いて行く。しかし昨日雨が降ったとは思えないくらいに虫がおらず、助かる。

ジキタリスにミツバチ

  林道ゲートまで来てやっと色を見る。もう咲いていないだろうと話していたジキタリスがまだまだ咲いていて、ツボミを残すものもあった。小てつの印象では増えもせず減りもせず、林道のここにだけ群生している不思議な花だ。誰かが種を撒いたのだろうか?

 コンクリートの橋の上でスパッツをつけ、十分にキンチョープレシャワーを噴霧して山ビル対策をする。ここからが登りとなる。風がないのがつらいところだが、陽が出ていない曇天のため助かる。またここの登りでは、足場がザレザレで、晴れ続きだと踏ん張りが効かずしんどいところだが、今日はしっとりと濡れているので踏ん張りも効き、いつもよりも歩きやすい。しかし湿気のせいか、空気が重く感じて、息をしても酸素が肺に入ってきてないような気になる。

 滝を過ぎ、林道分岐を左に進んで行くと景色も開け、風もあたるようになる。ここまでくればすぐ先で林道の登りはおしまいとなるので、やれやれ。林道は終点となり、P951に向かう尾根を乗り越して最後の水場で小休憩する。冷たい水で顔を洗い、熱をとる。ここからピークまでは10分そこそこ、こんなに高いところまで水場があるのは、夏場には大変ありがたい山だ。

 ロープの張ってある急坂を登りきるころから、木の根元が黒焦げになった景色を見る。2年前の火事跡が、まだ痛々しくも残っている。ひどい光景は見たくないので、ここ2年は訪れていなかった山頂付近だったが、やはりひどいものだ。

 原因が特定できなかったことから、失火とされたそうだが、雷もなかった時期だし、木がこすれて発火するようなところでもないし・・。火事はピークから、早稲谷の登山道の尾根側に広く燃え広がったようで、P951方向や西向きの稜線側にはあまり広がらなかったようだった。もとに戻るまで、何年かかるんだろうか?

火事跡

 ピークでは心地よい風が吹き、真夏とは思えないくらいの涼しさで、いつまでもいたいくらい。しかし、いつまでもいることもできないので、西向きの稜線を進んで行く。

 曇天ではあるが、付近の山々の稜線はクッキリ見えている。起伏の少ない稜線をどんどん進めば、バイケイソウのある鞍部に到着する。とは言っても、バイケイソウは最近クサギの進出に攻め込まれてめっきりと減ってしまった。それでも毎年咲いたところを見たことがなかったのに、今年はいくらか咲いたようで、実をつけた株を数株見る。

 P911を過ぎ、哲郎さん命名の「エイリアンの木」を過ぎればすぐにトチノキの鞍部。ここで珍しくまだ変色していないトチノキの落ち種をひらったので、おかみさんにお土産とする。鞍部に妙な看板が落ちているので見てみると、八丁の村長がここらを歩いたという記念?の看板だった。佐野さんにボコボコにされてから、このあたりには来ないんじゃなかったのか??

 急坂を登ると雷杉。雷杉は何か前より元気になったんじゃないだろうか?南のP866の風化木がすっかり枯れてしまったのに、こちらはまだまだ大丈夫。

 さて雷杉までやってきてラーメンタイムとする。今日は夏向きで喉の通りがいいマルタイラーメン鳥塩佐賀県!JOEさんは、夏の定番「日清 焼きそば」。

エイリアンの木 雷杉は元気

 情報によると、例の美山トレイルの連中は、赤崎中尾根を降りたとのことだったが、中尾根の方向にテープ付けの様子はないので、安堵する。ただ、中尾根の方向に踏み跡が鮮明になってきているのは困りもの。一応、ここは立ち入り禁止区域である。立ち入りには京大フィールドセンターの許可がいります。

 ラーメンタイムを終え、下山ルートを考える。聞けばJOEさんは、いつも登山道を踏み外すことなく、まっとうなルートを歩かれているので、首吊り尾根など歩いたことが無いとおっしゃる。逆に小てつは、ここらあたりのルートでは、ある事情からまっとうなルートを歩かされたことの方が少ないくらいなので、それではと首吊り尾根で降りることとする。

 首吊り尾根の取り付きは、雷杉の先の細尾根になったところを降るのであるが、前にokaokaさん達が、ここから降りる目印に、毛糸にビニールテープをつけた特徴のあるやり方で、「首吊り」とだけ書いてあったものが、いくつか取り付きに落ちていて、「首吊り」「首吊り」と、知らない人には意味不明だったことを思い出し、笑う。

 さて降りてみるのだが、以前からはじめは尾根なのか、ただの斜面なのかわからないくらいで、少し降りれば踏み跡も現れ、ルートも鮮明になっていたはずが、前にJOEさんと御一緒した四郎五郎峠の尾根バリに、ヤブになっていて進路が不鮮明になっている。ここを歩きたければ、一度下から登ってみるなどの方がいい。初心者は全くヤバいルートになってしまった。

 それでも超特急ルートであることは間違いなく、いつも広河原から、今日とは逆のルート取りで歩かれていたJOEさんにとっては、登りの時短ルートに最適であると言うことだった。

 降り立ったホラノ谷の林道終点の景色も、以前とは違う様子で、新しい対岸の林道もできていた。早稲谷よりも崩れのマシなネジリキ谷を歩き、2時に広河原に到着。帰りの支度を整えて、喫茶店に寄り道。

ミゾホウズキ 庄兵衛さんのオブジェ

 おかみさんに、お土産のトチノミと、前にひらって持ってくる機会を待っていた「モミジバフウの実」と「大きい松ぼっくり」を渡す。すぐにオブジェにと、籠もりにするおかみさん。さすがの盛り付け。

 バス利用でも十分歩けるルート取りを、ママチャリまで使うなど、カッパさんが見れば笑われてしまう道中でしたが、盛夏の折にはこれも有りとしておいてください。ハハハ


                           【 記: 小てつ 】