桟敷ヶ岳+城丹国境尾根(時計廻り)(NO.53)


ラーメンピークから北山の展望


平成26年3月8日(土) 雪舞い  小てつ単独

コース:
大森東町 霧滝前広場デポ〜大谷林道〜林道終点より左又の直登道〜飯森山と対面反射板の間の鞍部〜対面反射板〜飯森山〜大谷峠〜城丹国境尾根〜桟敷ヶ岳〜岩茸山反射板〜林道〜標高650mの植林地から直降〜デポ場





 先週は娘がフリーマーケットの出店に当たったと言うので、その搬入出に付き合わされ山行できず。今週日曜日は長女の引越しで山行出来ないので、頑張って金曜日中に仕事を終わらせて久しぶりに土曜日の山行としました。

 木、金と市内でも雪がちらつき、山にはまだどっぷりと雪がある様子。今年はまだ雪の桟敷に行っていないので、丁度引越しのためにカラになっている稲妻号に、袋詰めの砂を三つ積んでおいて重しにし、タイヤにトラクションがかかるようにして、気合を入れて周山街道を北へ向かう。

 気合とは裏腹に周山街道に雪は無く凍結はしていなかったので、順調に大森東町に着く。キャンプ場に人気は無く、やはりこの時期にはお客さんは少ないのであろうか?まだ開いてないようなので、キャンプ場を通り過ぎた霧滝の前の広場に稲妻号をデポし、準備をして今日はそのまま大谷峠を北に歩き出す。

霧滝前広場にデポ 大谷林道終点

 長谷の林道分岐を過ぎ、林道はやや西に向く。降りてくる時には気がつかなかったが、林道の分岐が右に左に多いところだ。本道はとにかく川に沿っているので、流れに沿った道を進む。40分ほどで大谷林道の終点に着く。

 この間は、おばさん山歩き隊のTさんに出会ったところで、今回はTさんがたどったとされる地形図の破線の道に進もうと、大谷峠に向かうのでは無く、谷の左手に進路を取る。すぐに「茨工IN」の標識があり、右は大谷峠、左は城丹国境尾根の表示がある。表示はまっすぐ登るような感じ。先を見てみると、溝状の道跡なのだろうか?残っているものの、完全に直登。途中で分岐などなかったと思えるし、見上げれば稜線が見えているのでそのまま掘れた溝の脇を登って行く。

少し登ったところに標識 ナメコ雪の植林

 地形図では大きな谷の底を登って行くと飯森対面反射板のピークにたどり着けるようになっているが、溝状の道跡をたどると飯森山ピークと対面反射板ピークの間の鞍部に行き着いた。

 okaokaさんの紀行文でも、破線の道をたどるのに、作業道から無理やり植林地を登り、尾根をたどって対面反射板にたどり着いたとなっている。地形図では谷をたどっているので、これはまた宿題になるルートとなってしまう。

 とにもかくにも、まだ早いので対面反射板ピークに登って行く。ピークまでに積雪はうねり、深いところもあるので、アイゼンなしでワカンだけ装着する。実は飯森ピークより反射板ピークの方が高い。ここは急登。

 反射板ピークで、破線ルートを探ってみるが、それらしきところは傾斜がキツク、とても古道があったとは思えない。反射板築造時の林道はどこにあるんだろう。

城丹国境尾根の稜線 何もない飯森山ピーク

 破線の道の探索はまたの機会にするとして、今日は来た道を戻り飯森山に向かう。一旦大谷峠に降りて再び急坂を登る。飯森山はまるで山道の途中のようなピーク。下から見るのとはイメージが違う。

大谷峠 スキップ街道

 飯森山から自転車ピークまでの間が、小てつお気に入りの「城丹国境尾根スキップ街道」となる。広い尾根のどこでも歩いて行けて、迷いようが無い。飯森山ピークくらいから気になっていたが、どうも木に巻かれていたテープの類が少なくなっていることに気がついた。どこかの誰かが掃除してくれたのか、結構たくさんあったのに、たいへんだったと思う。せっかくきれいになったので、これからもテープはつけないでいただきたいものだ。城丹国境尾根で、わかりにくいところは大伐採地から132鉄塔の間の限られたところだけなので、スキップ街道のような迷いようのない一本尾根のテープは不要であると思う。北山の尾根道では、だいたい植林と雑木の境目が山道であることが多い。

 自転車ピークのあたりが一番の積雪量となり、風裏に雪棚が出来ている、雪庇の先が崩れた跡だろう。また、このあたりの雪は表面が凍っていて、ワカンでは歩きにくく、自転車ピークでアイゼンに付け替える。かかとにも爪のある12本爪のアイゼンは急坂の降りに効力を発揮し、調子よくラーメンピークまでの降り登りをこなしていく。

自転車ピークの雪棚 三本やぐらも雪のオブジェに

 スリーシーズンなら、早くてもここで眺望を楽しみながらラーメンタイムをとるのだが、冬場は風が強くて長居する気にならない。どこか風裏で木の枝に溜まった雪の爆弾が落ちてこないような場所でラーメンタイムをとろうと、場所を探しながら歩いていると、なんだかんだで129鉄塔まで来てしまった。129鉄塔には、ミニスキーとワカンの踏み跡がひとつづつ残っていて、桟敷方向からやってきて祖父谷峠方向に向いていた。

 結局ナベクロ峠の先のモミの木の下でラーメンタイムをとることにして、雪を踏み固めて陣地を作り、ラーメンを作り食す。20分ほどゆっくりして、この先の桟敷ピーク北側の雪のふきだまりを予想して、再びアイゼンの上にワカンを装着して出発する。

 案の定桟敷ピークに近づくにつれ、雪がゆるくなりなりワカンを着けていても沈み込みが大きくなる。そんな時に前方から単独男性がやってきた。バックカントリー用の冬用ザックにワカンを装備された本格派な方だったが、バスでやってきてこの先祖父谷から魚谷山を経由して貴船に降りてエイデンで帰る予定とおっしゃり、時間が読めないので行動食だけとって休憩もとらないで歩いてきたと言われる。小てつがワカンを着けているのを見て、ワカンを着けた方がいいか?と聞かれるが、この先は雪が深くなる一方だけど、表面固い雪なので今までいらなかったのなら、この先は踏み跡があるので、いらんかも知れませんねと言い、魚谷山の方も結構雪深いですから気をつけてくださいと言って別れる。

 桟敷ピークまではミニスキーとワカンと単独男性のツボ足の踏み跡だけだったが、ピークには結構な人数分の踏み跡があった。12時30分に着。ミニスキーとワカンは桟敷ピーク直登ルートで登ってきていた。そのほかは薬師峠からピストンと思われる2、3人の踏み跡が残っていた。

桟敷ピーク

 鉄塔広場からは送電線がすぐに見えなくなるくらいにガスっていて、都ながめの場所から肉眼では市内が見えたが、写真にとると何がなんだかわからないくらい。お昼過ぎが一番悪天だったよう。

 先行者の踏み跡は岩茸反射板の林道を利用しているようで、冬の桟敷をよく御存知の人たちと思われた。彼らの踏み跡をたどって林道と山道の分岐点、岩茸山手前の鞍部で、もちろん先行者は薬師峠方向に向かっているが、大森に稲妻号をデポしている小てつなので、このまま林道をたどってみようと思い、普段降りは冒険をしない小てつであったが、西向きに降りればどこからも大谷林道に降りられると考えて林道を降りてみることにした。

 スリーシーズンなら嫌な林道も、雪道ならば苦にならず快調に高度をさげていけたのだが、200mほど降った標高650mまで降りてきて、やや怪しくなる。いくつか分岐もあった林道だったが、ほぼ降っていたので安心していたら、本道と思われる方向であった分岐を右に向かうと林道が登りになりだした。これはいけないと元に戻り、左に進むと降っていたのだが若木の植林地に行き当たったところで林道が終点になってしまった。まったくこのあたりから鷹ノ巣山や中川にかけての地図に無い林道は困ったものだ。まぁ勝手に歩いているんだから仕方ないけど。

 ここで地図を取り出し、正面の山を見て現在位置を確認する。(遅いわ・・!)ここら辺で若木の植林がされていたのは、デポ地である霧滝のところらへんだけとも記憶していたので、このまま降りればドンピシャでデポ地に降りられるのではと、流石に若木の植林地の真ん中を降るのはまずいので、若木の植林を囲っている防獣ネット際を回り込んで、成長した植林の中を降っていく。

 okaoka哲郎さんの持論で、「植林地は降りられる。」というのがあって、実際その通りと思っているが、今日はまさかこんなことになるとは思っていなかったので、スリングを持ってきていなかったから、コース取りを慎重に選びながら200mくらいを奮闘して降る。大谷林道が見えるくらいになって、脇に林道があることに気付き、最後は大谷林道が崩れて、ブルーシートで養生されているところに降り立つ。デポ地は目と鼻の先。結果オーライとなるが、若木の植林地を見上げ、あの傾斜を降りてきたかと我ながら呆れる。

 今日はいろんな雪質を楽しめました。久しぶりの植林地激降りも味わい、新しい宿題も出来た一日となりました。

追記 後で、「今週のフォト」を見ましたら、okaokaさん達も薬師峠までこられていたのだとか・・ また、桟敷ピークの踏み跡は、いつもブログを拝見させていただいております「かおりさん」だったようです。ラーメンタイムを桟敷ピークにしていたら、きっとお会い出来ていたのかも知れません。  小てつが出会った単独男性も魚谷山には向かわず、林道を岩屋橋まで無事帰られたそう。