三国岳(リベンジ登山)  (小てつ NO.55)


 
三国ピーク


平成26年3月23日(日) 快晴   JOEさん、小てつ

コース:
桑原橋近く路肩に稲妻号デポ〜P622〜お茶屋跡の鞍部〜高島トレイル〜三国ヶ岳〜P686〜北東尾根〜林道〜デポ池





 実は23日の日曜日に、長女の出演する小さなコンサートがあり、小さなコンサートと言えど美容院やリハの送迎等をさせられることになるだろうから、山行は無理だと思い、21日の祝日に荒天候にも関わらず、JOEさんと今回のルートにアタックしたのでありました。

  既に花折峠付近から雪となり、367号線には除雪車も出動している。梅の木より久多方面の道は、除雪されておらず、スタッドレスタイヤの稲妻号と言えど、ところによってはお尻をふる。冷や汗ものでどうにか桑原橋までたどり着き、準備をして登山口から取り付いたものの、しいたけの栽培地から少し登ったところで、JOEさんのワカンに異常が発生、よく見ればワカンのベルトがバッサリ切れた状態。何とか応急処置で行きましょうと言われるJOEさんに、これは神様のお告げだときっぱり山行の断念をすすめる小てつ、その時にわかに風が強くなり、植林地の中というのに一瞬ほとんどホワイトアウト状態となる。それを見て二人共、稜線ではもっと強い風が吹いているだろうし、あがっても楽しくないでしょうねと早々に引き上げる決断をする。

 そんな訳で金曜日は撤退したのだったが、一夜明け前日となり、当日の時間スケジュールを打ち合わせしていると、何と各所の送迎は彼氏がしてくれると言い、親父は本番だけ聞きに行けば良いとのこと。それなら去年のペースで歩ければ十分本番までには帰って来れるので、すぐにJOEさんに連絡をとれば、ワカンの修理もできていて、予定も無く大文字山くらいでお茶をにごしておこうと思っていたところだと言うことで、それならとリベンジに行きましょうとなった。いつもにまして長い前置きとなりましたが、なにせ三日がかりの話しのことでして・・。

3月21日の桑原橋 3月23日の桑原橋

 二日前とは違って道路にはもう雪はなく、快調に桑原橋までたどり着く。車はお堂の横に置かないで林道のゲート奥の空き地に置くようにと、土地の所有者と思われる方に以前言われたのだが、林道の空き地に置いておいても怪しげな感じなので、今の時期なら川べりに置いておけば釣り客と混同されて怪しくないだろうと、桑原橋の手前の川べりの空き地にデポして、準備をして8時30分に出発できた。

 しいたけの栽培地から既に30cmほどの根雪の積雪があり、この先深くなる一方と思われることから、始めからワカンをつけて登ることにする。JOEさんのワカンは丈夫そうなひもで修理がされ、今日は大丈夫なようだ。

 植林地を直登しP622までは一気の登りでしんどいところ、しかも今日は前々日降った新雪ラッセルということで、余計にしんどい。とにかくP622までと頑張って登る。標高600mくらいから、もう咲いていないだろうかと雪の無い根開き廻りや倒木の下あたりにバイカオウレンの花を探すが、見つけられない。

P622までもしっかり雪 お茶屋跡の標識見えず

 夏道通りに尾根伝いに進み、右手の谷が浅くなってくる頃にトラバースして、ふたつある鞍部の右手の鞍部に進むのだが、先行されるJOEさんは、もうこのコースを熟知されてきて、迷わずそちらに向かわれる。小てつはお茶屋跡の標識を探しに谷に降りてみるが、標識がかくれるくらいの積雪なので、まだ残雪は1.2mを超えているんだと思う。鞍部にある高島トレイルの標識も雪に埋もれていた。

 鞍部には10時着で、夏より30分かかっていることになる。ここで、小てつが持ってきた○○入り紅茶とJOEさんの持ってこられたアルファートチョコで、冬場の定番のティータイムとする。糖分で速攻性のエネルギー補給をして、雪深い稜線歩きに挑むとする。

鞍部にある高島トレイルの標識も埋まる うっすらと白山

 稜線の雪も、もう少し冷え込んでいればアイゼンで軽快に歩けるのだが、前々日の新雪と前日の気温のせいでか、ワカンでなければ歩けない感じ、気を抜くとはまり込む場所もある。雪に隠れた木の枝廻りなどがそうで、ワカンが引っかっかればややこしいことになる。

 今日は前々日とうって変わっての好天で、朝一番よりも時間がたつにつれてモヤがとれ、まわりの山々の稜線がいつもより近く見える。北方のおにゅう峠から百里にかけての山の景色は、とても1000m足らずの山の景色には見えず、まるで北アルプスの山を見ているようだ。P885からは南向きの展望があり、北山の山並みを楽しむ、武奈や蓬莱山も見え出す。

 P885を過ぎればなだらかな尾根歩きとなり、北の展望、南の展望と忙しいことだが、肉眼では素晴らしい景色でも、雪の上を歩いている関係で、丁度木々の梢が邪魔をして、カメラにおさめると、なんじゃこれの写真となる。

三重ヶ岳はまだ真っ白 P885の標識は出ている

 なだらかな稜線から最後の滋賀ピークに登る急坂がこたえる。根雪は固いが上に乗った新雪は柔らかい状態なので、ワカンでのキックステップをするのだが、右足は強いのでうまくいくが、左足は弱くて蹴り込みが浅く、すぐにふくらはぎがパンパンに張ってくる。騙し騙し何とか滋賀ピークに乗る。

 滋賀ピークには、前日の単独登山者のものと思われるシューの跡が北方向からピストンしていた。この時期に三国ヶ岳の単独で登ってくるなんて、相当な変態。

 我々ももうひと頑張りして、ピークに立つ。ピークには11時20分着。ここも夏よりは30分ほど余計にかかっている。風も無く、ポカポカしているので、ピークでラーメンタイムとする。いつもいただくノンアルコールビールが美味しい。

 武奈ヶ岳を眺めながら、30分ほどゆっくりして、下山にとりかかる。今日は、昨年間違って降った下壺口ルートではなく、P686から北東に伸びる尾根で降るつもりだ。一旦滋賀ピークに降り、北に転進して一つ目のコブに乗る。ここで、多数の木にくくられたリボンを見る。どうやら昨日歩いた単独シューの登山者がつけたもののようだった。しかし、それは5mおきほどの間隔でつけられていて、おまけに高島トレイルの本道で無く、マイナールートである下壺口ルートに向かってつけられているので、今の時期にはまずいないだろうけど、桑原から登って、岩谷峠方向に高島トレイルの本コースを歩こうと思っている登山者が迷うことにならないかと心配する。JOEさんは、あまりに細かくつけられているリボンを見て、怒りを越して笑い出される。しかし、来週あたりに計画されたグループ登山の先行の印だといけないので、外すことなくしておく。でも、いつまでもあるようなら、先述の心配もあるので、いずれ外さないといけないと思う。

ほころんでいたマンサク 百里ヶ岳

 単独シューの踏み跡は、迷わず下壺口ルートを踏んでいて、ますます自身が迷わないようにつけた印とは思えなかった。おかしいと思ったのは、2年前に小てつがここを降った時にあった、ショッキングピンクのテープが全く無くなっていたことだった。

 天気はますます良くなってきて、肉眼では赤坂山までわかるようになってきたと眺めていると、その奥に雲かと思ったら白山ではないかと思うシルエットが確認出来た。以前、大見影山からは見たことがあり、ここよりもう一つ北の三国峠に登った時に出会った犬連れの男性から、三国峠から白山が見えることは聞いていたが、まさか三国ヶ岳から見れるとはと感激する。でも、小てつの弱小デジカメでは、うまく写らない。ここは、おばさん山歩き隊のTさんに、本格冬山仕様も用意していただいて、また御一緒していただかなくてはならない。

 去年も同時期にokaoka隊の4人でここを降ったが、間違って下壺口に降りてしまった。おととし、今年と違って、雪が少なかったため、下壺口の山道が途中で見えたため、それをたどってしまったからだ。今年は雪がたっぷりとあるため、忠実に尾根だけたどり時計で標高を確かめながらP686あたりになると方向を注意して北東に向くように意識しだす。

 単独シューは下壺口に降ったようだった。我々はそれにつられず、北東に伸びる緩やかな尾根を目指す。一箇所だけ地図とは違う急な斜面があるが、30mほど奮闘すると、なだらかな尾根となる。急な斜面あたりから、おととしあったショッキングピンクのテープが現れる。

 ただこの尾根も最後の植林地の中だけは、また急坂となって苦労することになる。最後は林道のカーブするところ、砂防ダムがあって、クマのオリが置かれたところに降り立つ。今年はうまくいった、ここに降りられると緩んだ雪道の林道歩きが短くて済む。林道には、やはり下壺口ルートを利用したと思われた単独シューの跡が残っていた。降りはピークから1時間。

林道に降り立つ

 暖かい川沿いの林道を、雪の無い崖の葉っぱを気にしながら歩く。今年はまだふきのとうは出ていない。

 何ともスったもんだの連休でしたが、今年一番の好天に恵まれ、早速のリベンジもはたせた一日でした。JOEさん、連日のお付き合い、ありがとうございました。

雪のないところにはふきのとう 雪の中咲いたセリバオウレン


                           【 記: 小てつ 】