三国ヶ岳  (小てつ NO.59)


 
サラサドウダン


平成26年6月8日(日) 晴れ後雨  JOEさん、小てつ

コース:
久多(滝谷、岩屋谷分岐)駐車場〜岩屋道〜三国ヶ岳〜天狗峠分岐〜P936〜P921〜P927〜東尾根〜P829〜(苦労して)〜駐車地





 6月7日の土曜日、仕事と私用が午前中にうまく片付いて、あとは嫁さんの希望で「ゴーヤの苗」さえ買い出しに行ければ良いとなった。最初は「六基グリーン」でと思っていたが、(そうや周山のコメリの苗も、結構しっかりしてるなぁ)と思いだした。それならダメもとで「今日は天狗峠!」と言われていたokaokaさん達に連絡を入れて、どこかでピックアップできればと、ドライブがてら周山へ向かうことにした。

 家を出る前に、道子さんにその旨メールを入れておく。実は三国ヶ岳から小野村割岳の稜線は、AUの電波がつながるようになったからだ。(残念なのか便利になったのか?)中川トンネル手前で哲郎さんから電話がかかり、すでにP921手前までこられていると言う。どこに降りるにしても我々がピックアップしますから、下山場所をどこにしますか?と聞き、以前に御一緒したP927から東に伸びる長い尾根で降りて、岩屋と滝谷の分岐地点であるいつもの駐車場所で落ち会うことにする。

 まだまだ時間がかかるだろうと言うことで、先に買い物を済まして久多へと向かう。久多の集落までは色々と感激の声をあげていた嫁だったが、やはり集落を抜けて、林道の奥に入ってくると口数も少なくなる。それもそのはずで、今日はいつもと違い、曇ってきて昼過ぎなのになんだか薄暗い。

 待ち合わせ場所の到着し、30分ほどだろうかあたりを散策してみたり、山に向かって「おーい」と呼んでみたり・・。すると意外や林道のはるか南の方から熊鈴の音がしてきて、幾分上気したお顔のお二人が歩いてこられた。okaokaさん達に初めてお会いする嫁の紹介もそこそこに、雨がパラついてきたので、とにもかくにも車に乗ってもらい林道を戻っていると、にわかに雷雨となり丁度ラッキーでしたねと喜ぶ。新築された久多の公衆トイレで着替えて帰り支度を整えてもらい、帰路についた。

 帰路の中で、山道の様子など伺うが、最後のP927からの長い尾根が悪路であったと聞き、以前に歩いた時にはいい調子だったのに、どうなってしまったのかと思った。

 そのような前日の訳で、2日続けての久多へは今日はJOEさんと、三国ヶ岳からP921の様子と、P927からの東尾根の様子を見てくることにしました。(長い前おきじゃ〜)

 日曜日の朝、いつもの河原町御池のホテル近くで待ち合わせ、今日は朝いちに寄り道して、季節の野草の観察をしてから久多に入ったもので、少し遅めのデポ地到着となる。もうこの季節になると必需品である「キンチョープレシャワー」を足元、スパッツに十分噴霧して準備をし、9時すぎに出発する。

 岩屋ルートの久多府立大小屋までの林道に、数本のハクウンボクを見つけるが、どれも大きく花まで遠く、また数日旬を外しているようで、残念今ひとつ!

ハクウンボク

 林道終点の小屋前に着き、ストックを伸ばして本格準備をして、今日は最初に三国ヶ岳に向かうため、いつもの小屋裏の道ではなく、岩屋の道に入るため川を渡る。2系統かかっていた丸木の橋はどちらも流されていた。しかし、山道はそう崩れたところもなく、難なく進んでいける。

 川沿いの道の最終地点のすぐ手前まで、かなりの人数と思われる踏み跡があったのだが、尾根道に乗るあたりからすっかり消えてしまったので、踏み跡はどこへ向かっていったのか?多分、最近府大の演習があったのだろう。

 この尾根道は急登で低木が茂っていて風の通りも悪く、おまけに南向きとあって陽のあたる午前中は酷なところとなる。JOEさんは2週前に発熱でダウンされていて、足に粘りが無くまだ本調子にはほど遠い状態とおっしゃり、小てつもこの週中から歯痛により、おかゆ、うどん、雑炊の食事ローテーションを強いられており、また鎮痛剤を飲まないといられない状態ということで、二人とも絶不調の中、いつもなら一息でピークまで登ってしまう勢いには程遠く、途中2回の飲水休憩をはさみ、ゆっくり登って行く。

ツチアケビ

 それでも大杉を越えて、天狗峠分岐まで来るとピークはもう少し。ここで先日からの懸案になっている「美山トレイル」のテープを探すが、見当たらない。摩訶不思議である。調査によれば、美山在住のある人物の起案で、高島トレイルの終点である三国ヶ岳から頭巾山を結ぶトレイルを作りたかったそうだ。それならここ、久多上の町と天狗峠の分岐地点である場所にテープがないのはおかしい。そう思いながら少し進むと、ありましたテープが・・。しかしながら10mおきという訳でもなく、おまけに三国ヶ岳ピークにも無かった。

 でもって、一応確認とばかりにピークを乗り越してみると、滋賀ピークまでの間にひとつありました。すでにいくつかを誰かに外されたのか、よくわからない状態であった。

 滋賀ピークまでの間に、とぐろを巻いていたマムシを見つけたので、JOEさんに離れてもらい、ストックでひらって脇の方に飛ばす。ここで二人の男性登山者と出会い、マムシがいたことを伝える。

 滋賀ピークから、経ヶ岳方向、また戻って岩谷峠方向と見に行ってみるが、「美山トレイル」のテープは見当たらなかった。ところが、冬に見つけた桑原の林道に直降のP686の尾根に向かう赤い布テープが残っていて、三国ヶ岳から岩谷峠に向かわれる方は引っ張られないようにしてほしい。

花に囲まれた三国ヶ岳三角点

 ピークに戻ると、先ほどの二人連れ登山者が休憩中。守山からこられて、桑原から登ってこられたというので、そちら方面にテープがつけられていたか伺うが、無かったと言われる。じゃひと安心ということで、我々は店を広げてラーメンタイムとする。

 お二人のうちのお一人が、京都北山の地図を出してきて、三国ヶ岳ピークまわりの表し方にガテンがいかないとおっしゃるが、別段おかしいと思うところはなく、まぁ歩いてみればわかりますと言う。

 'そこで目にしたのは、彼は地図にマーカーで印を入れ、自分が歩いた足跡を残していたのだ。地図の登山道を埋めていくのが楽しみなのだろう。これが普通である。実は京都北山には、おかしなのが何人かいて、この足跡残しを「リアル山」で行っている者がいる。一番多数あるのが「伏見区のU」であって、とんでもないルートにまで赤テープのマーキングがしてあって、おまけに日付と記名をしているので、見かけられた方も多いだろう。彼は実際の山を赤テープで埋めていっているのだ。

 同様なのが、生木に針金のおバカなのであるが、小てつがよもやま話で書いたからか、京都北山には出没していないと思いきや、久しぶりに北山に現れたとと思ったら、トチヤナギ谷にある、赤白のKGCの標識に自身の歩いた日付を落書きしてやがった。どうしようもないおバカ加減である。怒りを通り越して、哀れさえ感じてしまう。そこまでして、自身の痕跡を残したいのだろうか? これらの方々には、山に入って欲しくなく、後で歩いた者がそれらを見て、嬉しくなるのか、気分を害するのか、再度考えてなおして欲しい。山では、後から歩く者のために、何一つ残さないで、変えないで欲しいと思う。'

 ラーメンタイムを終え、今度は天狗峠方向に向かうため、分岐へと降っていく。天狗峠分岐からP936に向かうのであるが、例のテープはあるものの、それほど細かくついている訳ではなかった。

 ところがである、P936の手前のピークを過ぎたあたりで、先を歩いていたJOEさんが悲鳴をあげる。なんとテープがビッシリつけられているではないか。okaokaさんの話にあった10mおきどころの騒ぎではない、5m、へたをしたら2m間隔でビッシリとつけられているではないか・・。

 '芦生京大研究林内は、昔からテープ付けは禁止です。それに、昨今の道迷い遭難騒ぎから、京都府警察からは、山道に安易にテープを付けないでくださいとの注意喚起もされています。どこの山でも、どうか山道にテープを付ける習慣は、今一度やめてくださいとお願いします。'

 'また、こちらの調査によりますと、「美山トレイル」なるものは、どこの公共団体の主催でもなく、一部の美山町の数名の発起により活動している団体と思われますが、高島ならびに余呉などのトレイルは、安易に自分達の勝手で整備したものではなく、通過するルートの地権者、管理者等の許可を得て整備されたものです。当該ルートは、京大研究林ならびに府立大演習林の中を通過しており、これらの大学の許可が必要となりますが、間違いなく大学は許可しませんので、勝手に行っているものと判断します。'

ナタで切られた跡3 ナタで切られた跡2

 また天狗峠分岐から先で見かけたのは、稜線の踏み跡にせり出した杉の小枝や、雑木の細木が、ナタで切り落とされた跡だった。木こりは一銭にもならないこんなことはしないし、普通の登山者もやらないだろう。避けて歩いた方が早い。それならトレイル整備と称しているものが、はらって行ったと考える方が自然だろう。考えられない連中である。'

ナタで切られた跡1

 P921を過ぎると、不思議に忽然とテープはなくなっている。そこからはもとの静かな山道を、P927を目指して歩く。折からシトシトと雨が降り出す。体を冷やしてはと、蒸し暑いがカッパの上着だけはおり、P927からは小野村割岳に向かう稜線を外れ、フカンド山や久多峠に向かう尾根に降りていく。ここにもKGCの赤白の標識が残っている。山にあるのは、このくらいでいい。

 ガスでまわりの山が見えないので、進路を外さないように何度も地形図を出して確認する。晴れていれば、経ヶ岳だけ目指していけば間違いないのだが・・。前にJOEさんと来た時は、あまりに野草がないために、途中で尾根道から北の滝谷に降りたのだった。今日は前日のokaokaさん達の検証でもあるので、尾根をたどってみる。

 前にも見た、防獣ネットのあるP829にきたところで、前方の稜線で動くものがあった。それは80cmほどある真っ黒い塊で、どうやら寝ていたのが、我々を見つけてむっくり起き、慌てて反対側に駆け下りて行ったのだった。多分、メスの熊と思われた。後方を歩いておられたJOEさんは確認出来なかったということだったが、そこからは二人とも熊鈴を取り出して、小てつはホイッスルも吹きながら、賑やかに降っていくのだが、ここでどうやら進行方向を間違えたみたいであった。

熊発見場所

 以前、okaokaさん達と歩いた時は途中で防獣ネットはなくなったのに、今回はずっと防獣ネット沿いを歩かされ、また急坂である。これは'悪路'だ。それでも何とか見たことの無い林道に降り立つと、小屋があり「久多公団道管理格絡庫」とあった。どうやら長治谷に近い目的の尾根からずっと南の尾根に降り立ったみたいだった。これは不覚。熊遭遇に慌ててしまった。

 川に降りて、靴についた土を落としていると、やはり細い山ビルが二匹スパッツにくっついていました。アスファルトの林道をかなり戻り、デポ地に到着する。今日はいつもより遅くなってしまった。帰路、電波のつながるところまで来ると、遅くなってしまったことを即座にメール連絡する恐妻家二人。

 蒸し暑い中、体調不十分な中、ルート検証にお付き合いくださり、JOEさんありがとうございました。

後日、久多駐在さんに熊目撃の情報をお伝えしたところ、同日午前中にも久多川合町の川にて目撃情報があったようで、同一の熊かどうかはわかりませんが、この山域には、現在熊が活動しているので、入山の際には十分注意が必要と思われます。出会い頭にならないように、熊鈴やラジオ、声を出しながら歩くなど、必要な対策をして歩いてください。

 また、同様に駐在さんに「美山トレイル」なる団体とおぼしき連中が、この山域に無許可でテープ付けを行っている旨も報告しておきました。


                           【 記: 小てつ 】