金山(グミノ木)

 
金山山頂のプレート


平成26年4月2日(水) 晴              長岡山人

コース:
榎バス停下車10:25−るり渓から東南谷へ11:15−金山12:05(昼食35)−杉ヶ沢13:30−P626鞍部14:00−半国山登山路分岐14:20−半国山15:10−赤熊下山分岐15:35−赤熊バス停16:20





 京都新聞社の『京都ふるさと登山50選』(1993年刊、京都山友会編)では、「グミノ木」という名称で紹介されている、南丹市と亀岡市の西南部市境の山である。(692m)   この本では、畑野町広野からのピストン登山路が紹介されているが、るり渓、半国山と組み合わせて大きく周回する1日のコース設定とした。

 JR園部駅西口を9時36分に出る京阪京都交通亀岡行き(八田線)に乗り、八田で下車、20m離れた南八田バス停から南丹市営の「ぐるりんバス」に乗り換える。このバスはウィークディは榎までなのでそこで下車し、るり渓散策路を登っていく。るり渓を歩くのは初めてだったので、川を左右に渡り、眺めを楽しみながら登って行った。

るり渓の流れ るり渓の流れ

 地図を見ると分かるが、ダム堰堤の少し手前に、東南方向に伸びる広い緩やかな谷がある。その谷に入った。(金山には、るり渓少年自然の家から、そのオリエンテーリングコースを使い、尾根伝いにたどることもできるようだが、るり渓見物と谷の広さと緩さにひかれてこのコース設定とした。)

 るり渓を飛び石で渡って谷に入ると、広い林道が奥に続いている。両側は山の手入れ作業中であり松が多いことから、松茸シーズンは入らないほうが良いと思われる。手入れされた庭園のような谷で、林道はかなり奥まで入っている。

谷へ渡るところ 広い谷をさかのぼる

 林道が終わった先も作業道が続く。かなり入ったところで、谷が多方向に分岐するが、西南方向のメインと思われる谷を選択し、進んでいく。道は踏み跡になり、それも薄くなる。しかしよく注意してみれば、昔の炭焼作業に使われたと思われる踏み跡が拾える。その踏み跡も怪しくなるころ、右上方に尾根筋の空間が見えたので最後は強引に尾根に上った。

道は踏み跡になる テープが誘導してくれる

 尾根には、るり渓少年自然の家から続くと思われる踏み跡がある。テープも増える。急斜面を突き上げると、金山の頂上で、三角点とプレートがある。残念ながら展望は全くない。小生定番のサッポロ一番味噌ラーメン(袋入り)を作って食べる。九条ネギを刻んで持っていくのが僕のこだわりである。

金山三角点 山頂直下の大岩

 昼食後は下山にかかる。大きな岩が連なる横を通る。東南に伸びる尾根の先で突然、東北方向に転じて降りる転換地点の見極めがポイントである。そこを下って鞍部に降り立ち、位置が確認できるとホッとする。この間、踏み跡は薄い。次の小ピークは南側に巻くように踏み跡があり、602mピークに続く。その先で再び東北方向に転じるポイントも重要で、テープで印がある。その先は一直線の下り道である。薄い踏み跡であるが、空間が空いているのでわかる。登りに使うのはしんどそうだ。この間、市境界を歩むことになる。

 どんどん降りていくと、水色のフェンスに出合い、平地に降り立つ。リンゴ園の跡であろうか。出口に門扉があるので、開けて出ると広野に通じる峠道であり、家もある。 内田嘉弘氏の『京都丹波の山(上)』ではここからのピストンコースとして紹介されている。

P602の先の転換点 降り口を逆方向から見る

 少し下り、別荘地がある杉ヶ沢の集落に出、再び登っていく。半国山登山口の案内板に沿い別荘地の中を登っていき、テニスコートの横を過ぎると、再び大きな案内看板がある。その案内に従い、別荘開発地の左端の荒れた道をまっすぐ登っていく。別荘開発地のはずれに山道の入り口があり、そこから登っていく。

下の案内板 別荘地の中の案内板

 すぐに625mピーク東南の鞍部に着く。国土地理院地図はここから稜線に沿って点線路が記入されているが、今は使われていない。道は鞍部を乗り越して、ほぼ等高線に沿って、時には下りながら、東に進んでいく。赤熊に降りる鞍部に続く水平道である。大きく育った植林地の中の良い道である。単なる植林作業道以上の歴史を感じさせる。

鞍部の案内板 水平道途中の案内板

 何回か小さい沢をまたぎながら進むと、半国山への登り道と、赤熊への水平道の分岐がある。ここから上に伸びる半国山登山道に取り付く。最初は直登したのち、すぐに緩やかに山腹をまく道になり、楽に登っていける。

水平道からの登り口 山腹を巻きながら登る

 稜線に出ると、そこは千ケ畑からの登山道との合流点である。広い稜線の疎林の中を進むと、宮川と井手からの登山路と合流する。そして半国山への最後の急登となる。

稜線の案内板 宮川登山路との合流点の案内図

 10分登ると山頂である。いつもながらの絶景展望である。大阪湾はかすんで見えず、残念だった。西南方向をもう少し伐採してもらうとさらに良いのだが。山座同定をしていると時間が足りない。

山頂 山頂

 バスの時間が気になり、そこそこで下山にかかる。北に15分降りると鞍部で、杉ヶ沢からの水平道が合流する。この鞍部は、「牛つなぎ広場」と呼ばれているようだ。牛がここまで上がっているとすれば、水平道は杉ヶ沢への物資運搬に使われたのではなかろうか。

杉ヶ沢への水平道 広場の案内板

 ここから赤熊に下っていく。道は水害でひどく荒れ、川になっているところもある。横の音水渓谷がきれいなだけに、歩きにくさが惜しい。登山路を横に排水路を切ってもらうと保全されるのだが。そういう人力だけでできる仕事が公共事業として組み立てられないものであろうか。

 バスの時間に間に合うよう急ぎに急いで下山し、辛うじて間に合った。普通なら、もう1時間後のバスに乗るべく、ゆっくりと行程を組み立てた方がよいだろう。 亀岡平野から見た半国山は大きな山だった。

前半行程
後半行程

                             【長岡山人 記】