初心者オヤジ節分悪ノリ登山 比良堂満岳北壁ルンゼ
親父の山歩き報告(NO.60)

 
お馴染み堂満山頂、本来はこの看板の前方のブッシユをかきわけて
到着できるらしいのですが(?)


2014年 2月3日(月)   洛西オヤジ

コース:
イン谷−正面谷−第一ルンゼ−堂満山頂−東陵−ノタノホリ−イン谷





 お久しぶりです、洛西オヤジです。昨年10月に北アルプス笠ヶ岳から槍ヶ岳への報告をして以来でしょうか、その後は野暮用が続き、たいした山歩きも出来ずに冬を向かえ、例によって、雪寒い、雪怖い、寒いのイヤヤとコタツに入って冬眠状態でしたが、OKAOKAの新年会を迎えるのに山に一度も行かずにコタツに入っているとは言えず、年が明けてつい最近やっと坊村から武奈往復。

 その後イン谷から青ガレ、金糞、武奈往復と2回ほど歩きました、新年会の時に今年は比良も雪が少ないとの事でしたが、私が行った時は結構ありました。特にイン谷から入った時はワカンも久しぶりに履いてヨレヨレで往復したのですが、節分だとゆうのに今回は非常に積雪は少なく、此処しばらくの異常高温がまともに影響したみたいです。なんせ、宮崎で25度の夏日みたいな気候は驚きです、一体どうなるのでしょうかね〜。

 参考までに先週1月23日の武奈、及びコヤマノ岳付近の写真を載せます。

このときは吹雪いて気温も山頂は極端に低く
標識に着いているエビの尻尾が物語っています
1月23日のコヤマノ岳付近 

 さて今回の堂満行きですが、新年会の時にいろいろ皆さんの話題にのぼりました、とゆうのも積雪時の堂満人気をモロに見たとオヤジが話した事もあって、堂満スペシャリストJOEさんや、長岡山人さんなどからお話を聞きました。

 オヤジが前回イン谷から武奈に行った時に、駐車して準備をしていると学生風の若者5人グループが到着。ワイワイガヤガヤと準備をしだしたのですが、ヘルメット、ピッケル、ザイルと重装備、「あのー、何処へいかれるのですか」と聞くと「はい堂満です」。オヤジは以前JOEさんから何とかゆう強烈なルンゼの事を聞いていたので、「ルンゼをのぼられるのですか、やはりそれだけの装備が必要なんですね〜」

 5月に行く劔のガイドさんの装備を思い出していました。結局、その日オヤジが武奈から下りてきた時に、又丁度車の所で帰り支度をしている彼らに会いました。第一ルンゼで登って第三ルンゼを下りてきたそうです。積雪が結構深く代わる代わるにラッセルしたそうで、単独ではちょっと辛いし第一危険です、との事でした。因みにザイルは使わなかったそうです。

 雪が多いと堂満は人気があるみたいで、この若者グループとは別の男性4人女性1人のグループも、同じ駐車場で帰り支度をしていました。やはり堂満に行って来たそうで、オヤジが「どのルートでいかれたのですか」と聞くと、リーダ格の人がいかにもうるさそうに「中央なんやかんや」とオヤジなんかにはよくわからないルート名を言われました(中央陵のことかな?)、オヤジの車の横に停まっていたグループなんで話しておられるのが聞こえます。

 ワカンとスノーシューの解説から、「まあ今日の雪の感じは、大体北や南の冬山の積雪に似た感じで、訓練にはなったと思う」と、あーこのリーダーの人は大変なベテランなんやなーと、しきりに感心するオヤジです。よせばいいのに「あのー、今日はザイルなんかも持っていかれたんですか」またもやうるさそうに「もちろん」一言、ははーやはりすごいことですねー。

 そやけどハーネスつけたはらへんなー、なしでええのかなあ〜とこれは小さく独り言。例の如く前置きが長くなりました。今回はオヤジとしては、普通の青ガレ−金糞−東レ新道−堂満山頂−東陵からノタノホリで回るつもりでした。

 イン谷に到着してあまりの雪の少なさに唖然。上部の山も全く雪の気配なし、一週間(前回は1月23日に入っています)ほどでこんなに変るんかいなー、一応車にはピッケル、ヘル、チョットしたザイル、ワカン、シューなど、使い方もわからへんのに冬はいつも乗せていますが、邪魔くさがりのオヤジはアイゼンといつものストックだけリュックの後ろにぶらさげて出発です。

 珍しく誰にも今日は会いません、青ガレまで前回よりは楽に到着。前回は大山口の登山口あたりでつけたアイゼンも今日は着けずに青ガレ下まで到着。そうかこの目の前の堰堤の上から何とかルンゼに入るのやなあ〜、ちょっと見に行ってみたろー。見るだけなら怖ないやろーとヨタヨタと堰堤の上に登るオヤジ。目の前に写真なんかで見る光景よりは雪が少ない谷が、ジャジャンと有り踏み跡も上部に向かって薄っすらついています。

ルンゼ入り口
沢山の方がこのアングルで撮っておられますが
いかに雪が少ないかわかると思います
前日の(?)ふみあとがありがたいです

 思わず、のこのこと登りだすオヤジ。あれーなにしてんのや、行ったらアカンやろ、あれーあかん、あかん、行ったらあかんがな装備なにもないのやでー、私は誰ー、なにしているのー、気がついて下を見たらエライ上ってきたがなー、何ぼなんでもアイゼンぐらいはつけなあかんでーと、斜面にヘッピリ腰でつかまりながらアイゼン装着。幸いなことに結構締まった雪で、何とか蹴りこむとアイゼンがよくきいてくれます。

 しかしええかげんなオヤジ、つくずく自分自身がよくわかりません、もうボチボチ痴呆が始まっています、自分自身で行動がコントロールできないみたいです。しばらくして登ってきた方を見ると(ヤバーこりゃ怖いがなー、やはりこの装備ではアカンでー)しかし戻るにはかえって危険がともなうな〜。しょうがないな〜上にいくしかないな〜、迷える子羊オヤジは(誰が子羊や!)震える足を叱咤しながら、少し小便チビリナガラ(汚いなーいよいよ痴呆老人やんけー)上部を目指します。ピッケルーなんで無いのや!(お前が置いてきたんやんけ)ヘルメットかぶらな危ないで(それも置いてきたな〜)ザイルザイル(そんなんあっても、つかえんのんかい)

なんでもないようですがものすごい傾斜です ちょっと一息
先の登ってきたところは
恐ろしくて見たくありません
この辺りがルンゼといわれる真骨頂なんでしょうねー
ルンゼ(狭い岩場の亀裂、雪崩、落石、流砂、が多い)
登山用語説明に納得です。おそろしすぎるやんか
ご生前のオヤジの足跡です
(なにしょうもないことゆうてんねん
それにしても怖すぎやんかい)
スノーリッジ

 登山用語辞典のルンゼの項目が浮かびます、狭い岩場の(岩溝)間で雪崩や落石が多く通過は細心の注意が必要。そんな怖い所かいな、いややな〜はよ上に行きたいなあ〜。下を見ると、ヤバイ〜そんなら下見るなー、胃が久しぶりにキューと痛むほど緊張しながら、もがく事どれぐらいやろ、何とかフラットな稜線に出て後はひたすら一人ラッセル。

やっと平坦なところに、やれやれ 今年の比良では展望を楽しんだ事は一度もあり
ません、今日もまあ降らないだけマシか

 高度が上がると、さすがに積雪は深くなり膝上辺りまで沈みますが、やがて、左前方に見覚えのある、おおーあれはまさしく堂満の山頂、人影が見え、声も聞こえます。やれやれ山頂から20〜30mほど西の東レ新道尾根に出ました、残念山頂ピッタリとはいきませんでした。

東レ新道に出ました
目の前が山頂ですがちょと外れました残念

 丁度山頂に着いたと同時に下の方からいつもの昼サイレンが聞こえました、(よく比良では聞くのですが何処のサイレンかなー)ルンゼに取りついたのは詳しくは分からないですが(時間ぐらい把握しとけよ、大事なことやろースンマセン)8時半ごろだとすると3時間半ほど北壁の恐ろしい所でもがいていた事になります。まあアイゼンだけで登っているのやし、しかた無いか!頂上では若者二人組みと、男性1人とオバチャン(失礼)4人のグループが食事をされていました。皆さんノタホリ、東陵経由でこられたみたいです。オバチャンが「何処からこられたのですか、青ガレから金糞経由でこられたのですか」と聞かれたので、「いや青ガレから直接こちらに登って来ました」と答えたら、「!*?」よくわからないみたいでしたが同行の男性が、「正面谷から北壁直登ですか」とどうも装備見て信じていない感じで、話は終わりました。

東陵尾根も雪はこんな状態
以前ならお彼岸前後の状態ですね〜

 オヤジ「帰りはノタノホリに向かう予定なんですが、雪はどうでしょう」と聞くと「全然無いです、あるのは尾根に入ってから谷筋は全く無い」との事でした。展望こそありませんが温かいので、そのまま山頂でラーメンタイムをして、皆さんが出発してからユックリ東陵に向かいました。山頂直下の急坂も日曜日に相当登山者があったみたいで、ボコボコに踏まれていていいような悪いような、(どっちやねん)どのみちヨタヨタとしか下りられないオヤジは、時間をかけてヨレヨレになりながら降りて来ました。山頂で聞いたとおり尾根から下は全く雪は無くノタノホリの雰囲気もまあ、節分時期とは思えないのどかなもので午前中のあの緊張感はなんやったんやろうと思いながらイン谷に戻って来ました。

東陵尾根出合いですが
この下はもうほとんど積雪はなしでした
気温も高くあ〜あもう春なんやな〜
あまいやっちゃなあ〜書いている今日2月4日は寒波襲来しています
お馴染みノタノホリも節分とは思えない雰囲気
はじめてやな〜暖かすぎて
池面から湯気がたっているでー
(なんぼなんでもそらいいすぎや)

 今日は午後から降られるかな〜と思っていましたが、何とか持ちこたえてくれました。そんな天気を敬遠してか、ほとんど登山者の車も無く静かなイン谷でした。

さてさて、少しまじめな話ですが、今回のコース、オヤジはいつもの無鉄砲さで行きましたが、やはり堂満北壁のルンゼは、それなりの装備としっかりとしたリーダーがひっぱっていくコースだと思います。関西での雪渓入門コースとして有名ですが、今回のオヤジのように興味本位でいったろかーとゆうのは絶対にやめたほうがよいと思います。

 ほなお前はなんやねんと言われるのは辛いですが、たまたま残雪が適度に残り、しかも難しい地点に結構しっかりと残っていてくれたから何とか行けただけと思います。ルンゼそのものは比良特有の花崗岩のザラ目の岩で、無雪期は岩壁はハーケンは利かないと思いますし、ルートの選定が冬季より難しいと思います。どちらかといえば、冬季の先週のように雪がタップリとある方が、少々漕ぐのは大変ですが安全だと思います。(えらそうにすんません)、なんとか初心者オヤジ今回も無事に歩いて、登って、帰って来られた幸運に、    感謝、感謝。

                             【洛西オヤジ記】