初心者オヤジ2014年劔岳、念願の長次郎谷から
親父の山歩き報告(NO.65-3)


 
劔山頂でオカマ座りの自動撮影、空の青さが嬉しいじゃないですか


平成26年5月28日〜31日     洛西オヤジ


コース:
▼5月28日(水)
アクセス  北陸自動車道立山インター 立山駅前登山者用駐車場ー車中泊。

▼5月29日(木) 一日目
立山ケーブルー美女平ーバスー室堂ー雷鳥沢ー劔御前小屋(別山乗越し)別山往復ー劔沢小屋宿泊

▼5月30日(金) 二日目
劔沢小屋ー劔沢ー長次郎谷出合いー熊の岩ー左俣ー長次郎の頭ー劔岳山頂
カニのヨコバイー平蔵コルー平蔵谷ー劔沢ー劔沢小屋( am2時半出発pm2時小屋に帰還、途中1時間ほど昼寝)

▼5月31日(土) 三日目
劔沢小屋ー雷鳥沢ー室堂ー初日と同じルートで帰宅。(善峰温泉立ち寄り)






◆5月30日(金) 二日目

 目覚ましで2時に起床、もうガイドペアーは起きて支度を初めておられます。オヤジもすぐに洗面を済ませて出発に掛かります、前日に買ったおにぎりとパンをかじりながらの準備です。ガイドペアーは2時20分頃に出発、オヤジは遅れること10分、2時30分頃に出発しました。

 上を見上げると満天の星空、天気は良さそうで一安心です。寒気が身を包みますが辛いほどではありません、昼間の服装に薄いフードジャケットを着るだけで何とか歩けそうです。劔沢をガイドペアーの真新しい踏跡を目安に下ります、ペアーのライトは全く見えません、頭の後ろからは小さなヘッドライトの光量では見えませんし、又それだけの距離が離れてしまっているわけで、10分といえども相当脚力の違いがあります。

 やがて夜空に浮かぶ山容のシルエットで、平蔵の出合いを通過したのが分かりますが、この先は未知の世界です。そのとき下の方でライトが二つチラチラと確認できました、ガイドペアーが長次郎の出合いに着いたと思われます、歩く角度が変ったのでライトが見えたわけです。これは本当に闇の中未知の出合いを求めるオヤジには嬉しかったですし目安になりました、佐伯さん有り難う!とゆう感じです。

長次郎谷出合い付近、真っ暗です(当たり前や!)

 3時15分長次郎の出合から初めての長次郎谷に入ります。登りになっても先のペアーのライトは見えませんが、谷筋さえ間違えなければ後はひたすら登るだけ、デブリがゴロゴロしている雪渓をヨタヨタとオヤジ歩きです。出合から登りだして30〜40分上部の空が明るくなりだし、周りの尾根筋もはっきりとして来ました、右手が八峰の下部と言われる峻険な尾根が頭の上に被さって見えます。

 この尾根を歩く人もいるのですね〜、やがて前方に長次郎谷のポイント、熊の岩が見え出すあたりで当たりは明るくなりライトも必要ではなくなって来ました。熊の岩が見えたことでちょっと余裕が出来後ろを振り返ると綺麗な朝焼けが見られます。おそらく鹿島槍の山容でしょうか、さあ熊の岩目指してがんばりましょう、明るくなってきたことで先のガイドペアーが、佐伯さんが言われていたように。熊の岩から右俣の方に向かって歩く姿が確認できました。決してついていってはダメですよ、貴方は熊の岩から左俣に入ってくださいと言われていた地点です。

朝焼け(自信はないですが鹿島槍) 長次郎谷から

 ガイドペアーはその後、直ぐに右の八峰の5,6のコルとゆうとてつもない地点を目指して登って行かれました。遠目ながらまあ恐ろしい所です。オヤジはひたすら熊の岩を目指してヨタヨタと登ります、出合から1時間45分ぐらいでしょうか、やっと熊の岩に到着しましたがなんとテントが一張り設営されています。凄い人がいますね〜。

熊の岩です 熊の岩の下に設営されているテント
雪崩大丈夫かな〜

 人の気配は無く(まだ寝ているのかな〜)横目で見ながらオヤジは左俣を登りますが、此処からコルに到達するのが辛かったあ〜、ガイドの人が心配されていたとおり、雪の状態がグズグズになりだし歩きにくいのなんの、急な勾配になりストックをピッケルに持ち替えての登りですが、ピッケルは効かず沈む沈む、熊の岩からの後半部分でなんと2時間半以上は掛かったでしょうか、息も絶え絶えになってやっとコルに取り付いた時には嬉しかったです、出合いから4時間以上の悪戦苦闘、出合からの前半部分で日が昇っていたらもっと苦戦したとゆうか、体力が持続したか自信のないところです、ガイドさんの出発時間判断は正しかったです。



峻険な八峰の山容、人間の行くとこちゃうでー 長次郎上部コル、あ〜あしんど〜

 さあホットするのもつかの間、いよいよ目の前の長次郎の頭の壁です、下部はやはり雪が残っていますが前日に歩いた人の踏み跡がはっきり見えています、その上部にはロープが見えています。そこまでたどり着けるか問題は雪の状態です、グズグズならオヤジの能力ならヤバイです。深呼吸して挑みます、何とか踏ん張りが効きます、ピッケルの先を引っ掛けての三点保持、鼻先に岩の感触を感じながらユックリユックリ上昇何とかロープに手が係りやれやれ、ロープを頼るなとゆう格言はこの際許してください。

 何とか頭の頂上にたどり着きましたが、ナイフキレット状の雪上に一筋の踏跡が100mぐらい続きます、これが雪屁状になっていれば危険きわまりないと思います、風であおられても一巻の終わりでしょう。踏跡が緩んでいない事を願いながら慎重に体重を足にかけないように(そら無理な話や)進み、幅の広い尾根に着いた途端に、はあ〜とため息がもれました。やれやれここから先は、以前下見に来た事がある尾根でやっと正常な心理状態で歩けまし。何とか山頂に到着、8時40分小屋を出発して6時間以上のトライでした。ただ山頂には神社は見えず、(後で聞いたのですが、カミナリに打たれて焼けてしまい、現在は下に下ろされているそうです、今年ぐらいに設置されるそうです。)誰もいません、以前に来ていなければ何処が山頂か分からない状態ですが、とりあえず今回も何とか来られたな〜とゆうささやかな喜びに浸るオヤジです。(謙虚やなあ〜)

長次郎の頭を見上げます
写真ではたいした事ない感じですがね〜
景色に見とれている場合か!
長次郎の頭から


頭の上部に乗りましたが下が見えません
恐ろしい〜こわ〜い
まだ緊張は続きます
斜面の雪が緩んでいると
考えない考えない

 例によってオヤジのauでも繋がりますので小屋のほうに連絡、帰りは平蔵でユックリ下りて帰りますと報告、カーチャンにも連絡、「えらい早い事登ったんやね〜、気つけて帰ってきいやあ〜」とノー天気ないたわりの励まし(なんのこっちゃい)自動シャッターの記念撮影もそこそこに下山します。

劔岳山頂2014年5月30日

 お馴染みカニのヨコバイを使い平蔵コルに到着。後は谷の雪渓を下るわけですが、下りは雪がグズグズになっていてもそれほどの体力を消耗する事はありませんが、丁度出合までの中間あたりで何やらシャラシャラーとゆう音が聞こえます。よく見るとオヤジの右手5mぐらいの所を雪が川状になって流れ落ちています、これって雪崩とちゃうのん、と上の方を見るともっと広い幅で細かい雪が滑ってきます、雪煙りは見えずまあそんなに恐怖を感じるほどではないのですが、(後で聞くと非常に危険な状態だったそうで)、さすがに気味が悪くなるべく離れて急いでおります。

シャラシャラと音をたてて雪が流れています
不気味やな〜

 上を気にしながら、今ドカ〜ンときたらあの岩壁に飛びついて、などと考えながら何とか出合いに到着、滑っていた雪の川はデブリにぶつかり止って又新たなデブリを形成します。なるほどな〜と勉強になりました。やはりこの時期一番ヤバイのは雪崩でしょう、それを思うとあの熊の岩のテントは大丈夫なんでしょうか。

 さて後は劔沢を小屋まで登るだけです。思ったより平蔵を短時間で下りて来られたので、(恐怖で自然と早くおりられたのかな〜)一つだけ持ってきていたカップヌードルを食べましょう、時間も12時前です。ところが温度が上がり喉が渇くので飲料水ををほとんど飲んでしまいお湯を沸かす水が無いのです。出合いの直ぐ上部の方に水が雪の下に流れていて以前使ったことはあるのですが、今回は何事も経験やと雪を鍋で直接炊いて水を作る事にしました。これが時間が掛かるのなんの500mlの水を作るのに20分ほど掛かりました、でもおいしかったです。

平蔵谷出合いの斜面です
昼寝させてもらいました

 下りて来たとゆう安堵感でしょうか、斜面に横になって休憩していると知らないうちに眠っていたみたいで、気がつくと13時過ぎ、へー小一時間うたた寝していたみたいです。やはりAM2時過ぎからの歩きはオヤジのような老体にはきついみたいです。ぼちぼち鍋を片付けていると、長次郎の出合い方面から二人の男性が登ってきます。よく見るとなんとガイドペアーの二人連れ(ペアーは二人や)です。軽く手をあげて先行して行きます。

 オヤジも後に続き丁度小屋に戻ったのは、奇しくも出発と同じく10分遅れで戻りました。二人は八峰の5,6のコルから八峰後半部の峰を通り、長次郎のコル経由で劔山頂から平蔵谷で戻る予定だったみたいですが、やはり雪が緩く尾根や池の谷乗り越しで時間が掛かり、長次郎の上部から長次郎谷を下りて来たそうです。ガイドの人が、この時期これほどの緩い雪は珍しいとゆうか初めてですとの事でした。へーそうなんやあ〜、しんどかったはずやあー、改めて2時半出発のガイドさんの判断に拍手です。

小屋の前から眺める夕焼け
明日も相当暑くなりそうです

 小屋は昨晩とは違い宿泊者が増えています、オヤジの部屋も二人となりました(それでも二人です)上部と下部に分かれて広々です。因みに明日の土曜日は25人の予約が決まっていて、電話で予約してくる人には断りをされていました。なお劔沢小屋は6月の第二週から月末までは例年一旦閉鎖されるそうで(梅雨の間でしょうか)再開日は事前確認が必要です。

◆5月31日 三日目

 今日はユックリと朝寝して4時過ぎに起床、やはり今日も3時頃から出発する人も多く、食堂で朝食をする人は昨晩食事時の半分以下の人数です。オヤジは例年どおりユックリ朝食を頂いて室堂に下山します、前回は雷鳥沢で激しい雷に遭いビビリましたが、今回はそうゆう事もなく、平穏に戻って来られました。

 お楽しみのグリーンパーク善峰温泉に寄って、カーチャンただいまあ〜は午後の5時、京都縦貫大原野インターが出来早く戻れます。さて念願の長次郎谷からの山頂アタック、御主人佐伯さんの配慮、若いガイドさんの判断のおかげで達成できました。
                                      感謝 感謝。

                                     【洛西オヤジ記】

来年又くるよ、5月31日剱岳は晴れて見送ってくれました