初心者オヤジテント担いで読売新道
噂のロングコースは長かったあ〜
親父の山歩き報告(NO.70-4)


昔のお嬢さんコンビに撮ってもらいました、初めての赤牛岳山頂


平成26年7月28日〜31日     洛西オヤジ


◆アクセス
行き:京都近鉄竹田駅−中央交通路線バスにて新穂高ロープウエイまで

帰途:室堂−バスにて美女平−ケーブルにて立山−富山地方鉄道立山線にて
   富山−サンダーバード号にて京都


コース:

▼7月26日(土) 一日目
新穂高−左俣−ワサビ平小屋 (テント泊)

▼7月27日(日) 二日目
ワサビ平小屋−鏡平山荘−弓折岳分岐−双六小屋 (テント泊)

▼7月28日(月) 三日目
双六小屋−双六岳−三俣蓮華岳−三俣山荘−鷲羽岳−ワリモ岳−ワリモ岳分岐−水晶小屋(小屋泊まり)

▼7月29日(火) 四日目 水晶小屋−水晶岳−温泉の頭(高天原温泉分岐)−赤牛岳−読売新道−奥黒部ヒュッテ (テント泊)

▼7月30日(水) 五日目
奥黒部ヒュッテ−平の渡し−平の小屋−刈安峠−五色ヶ原キャンプ場 (テント泊)

▼7月31日(木) 六日目
五色ヶ原キャンプ場−ザラ峠−獅子岳−龍王岳−浄土山−室堂





◆7月29日(火) 四日目

 やはり、寝返りもなかなか自由に出来ないのでグッスリとはいきませんが、何とかそこそこは眠れました、4時前に起床、とにかくリュックを表のベンチに持ち出して準備です。朝一番の食事の順番を待つ人が早くから並び始めます。

 オヤジも何とか一番に食べられて、5時半頃には出発出来ました。水は合計1、5L、今日の長丁場を考えるとギリギリです、奥黒部までは全く水場はないそうです。先ずは水晶岳を目指します。食事をせずに水晶まで往復の人が戻ってきます。この時点でこちらのコースに向かうのはオヤジだけみたいです。30分強ぐらいで水晶岳に到着、此処はオヤジは二回目ですが、この先は未知の歩きです。嬉しい事に今日もピーカンが続きます。

小屋の前から
ご来光をみなさん見られて嬉しそうです
立山です
右下に黒部湖が見えます
本日も晴天なり、よかったあー 水晶岳
自動シャッターうまくいったでしょう
バックの槍がうれしいじゃないですか
さあいよいよ未知の赤牛に向かいます
この瞬間がなんともゾクゾクするのです
(風邪ひいたんか!)

 さあいよいよ未知の歩きに挑戦です。天気は良いし、なんかゾクゾクします。急降下して稜線を進みます、上から見ているとフラットな稜線に見えますが、なかなかそんなに甘くはありません、やがて温泉の頭から見ると、はるか先の稜線に二人の(男性か女性か判りませんが)登山者が見えます。

 丁度赤牛岳の直下辺りで追い着いてみると、なんと昨日高山病で水晶小屋にヨレヨレで到着した昔のお嬢さんコンビでした。「いやー早いんですね〜もう大丈夫ですか、何時に出られたんですか」「食事をせずに5時前に出ました、昨日は有り難う御座いました、ご心配かけました」 「いや竹村新道からと聞いて、相当歩いておられる方だとは思っていましたが、なかなか女性でこのコースに来られるのは、珍しいのではないでしょうか」 「以前にも来たことがあります」との事でやはりベテランさんでした、東京から来られているそうです。

雷鳥も声援を送ってくれています
(送ってへん、送ってへん、横むいとるがな)
温泉の頭、分岐
あ〜あもう一回あの温泉に入りたいなあ〜
読売新道に向かいます
前方黒部湖が見えます
ゴゼンタチバナ

 しかし、本当によい天気で、この北アルプスの最深部の赤牛岳で、充分過ぎる展望を楽しみました。さていよいよ読売新道の真骨頂、奥黒部の畔まで5時間の下りです。結論からゆうと噂どうりのロングなコースで、前半は岩場、ザレ場、途中から樹林帯に入り、延々途中でラーメンタイムを挟んで5時間半以上キッチリ掛かりました、もちろん今までにこれ以上のロングコースの経験はありますが、とにかく変化が無いとゆうのか、長いとゆう潜在意識のせいか、黒部ヒュッテの屋根が見えた時は、やれやれ疲れたあ〜とゆうのが実感です。

鬱蒼とした樹林帯に入って来ました
これが延々と続きます
お馴染みギンリョウソウ
まだまだ続く読売新道
あ〜あ長いなあ〜
やっと着きました、奥黒部ヒュッテ

 実はオヤジは知らなかったのですが、例の東京の女性コンビから、奥黒部ヒュッテにはお風呂(温泉)に入れると聞かされていました。テントを申し込む時に、そのことを訪ねたところ、入浴料500円で入れるが、泊り客が優先なので何とも言えないとの事、残念そうなオヤジの顔を見て、受付のオッチャンは(あとで支配人と呼ばれている人と知りました)まあとにかく夕食の6時過ぎに、もう一度来てみたらどうか、その時の状況で入ってもらえるかもしれないとゆうことです。

 とにかくテント場に向かい設営しますが、なんと誰もいません、オヤジだけみたいです。まあ気楽といえば気楽ですが。又ロープ張って濡れた下着などを乾かします。そんなところに例の高山病から立ち直った女性が様子を見に来てくれました。彼女達も明日は10時の渡しだそうで、「又その時お会いできますね〜」 「はいじゃあ、お休みなさい」「ああそうそう、お風呂入られましたか」「いやこれからなんです、入れるかどうか判らないのですが」 「宿泊の人は少ないみたいですから入れますよ」とゆうことですから、昨日の水晶とエライちがいです。

なんとテン泊はオヤジだけ

 今晩の献立は、食料袋の中が段々寂しくなってきます。今晩は赤飯だけにします。どうでもいい話ですが、赤飯は熱湯20分です。(ほんまどうでもええこと、グタグタ書くなあ〜)食事を済ませて、丁度6時にもう一度小屋に向かいます。

 小屋前の石の階段に、さっきのオッチャンが缶ビールを飲みながら座っています。「どうです、入れそうですか」 「今まだ2〜3人入ってる、もう少し待ってみて」とゆうことで、オッチャンの横に座って話をします。話すとなかなか面白い人で人の良さが覗えます。

 「今日はテントは私だけですか」 「そうだよ、もう少ししたら、上の廊下に行く人でいっぱいになるけど」 「え〜上の廊下には、ここから入るのですか」 「薬師沢の方から来る人もいるが、ここからも沢山いくよ」 「へ〜」いかにも行きたそうなオヤジの雰囲気を察してか、「しかし、普通の人ではなかなか行けないよ、何人も命を落としているし、期間が余りにも限られているので、ガイド付きでも半分ぐらいの人が戻ってくる」とのことです。やはりオヤジなどが近付ける所ではなさそうです。

 それからいろいろ話が弾み、この小屋は室堂山荘と同じ経営で、4〜6月まではオジチャンは(スンマセン支配人でした)室堂に入っているとの事で、そんな話からオヤジが今年も、5月に劔沢の佐伯さんのところにお世話になりました、と話すと「おうそうか、友邦のところやな〜息子もがんばっていたか、そうかそうか、よく知ってるよ、実はわしも佐伯なんじゃ、まあ友邦らと同じ地区で、佐伯ばかりじゃ」との事でした。

 その辺りからえらい親近感が涌いたみたいで「どりゃ風呂の様子みてくる」と見に行ってくれました。「お〜い入れるよ、温泉をドンドンいれて入ればいいから」と親切に教えてもらいます。おまけに500円払おうとしたら「もう終い風呂やし」と受け取ろうとされません。いや〜なんだか申し訳ないようなありがたいような、佐伯様様でしょうか。

 お風呂は以前入った南の赤岳鉱泉のような感じですが、もう少し広くて、第一、一人で独占です。泊り客よりゆったりと入らせてもらいました。オジチャン有り難う。なほこちらから水晶小屋まで、登る行程は11時間〜12時間ほど掛かるので、ツエルトやテントは必ずいるとのことでした。もうテント禁止などとゆう次元を超えて、特に樹林帯を抜け出たあとでの天候の悪化で、過去に何度も悲しい事故があったみたいです。まあオヤジなどには、この読売新道を登って水晶にとは先ず無理な気がします。さあ明日は平の渡しが待っています、7時前に出発しないといけません、お風呂も入ったし、お休みなさい。

                             【洛西オヤジ記】