雲取山(寺山峠尾根筋〜一ノ谷〜芹生)
okaokaご夫妻にくっついて
雲取山方面を歩いてきました

 
雪の華が咲く


2015.2.14(土)曇 −2℃〜5℃  okaoka哲さん 道子さん ikomochi

行き:出町柳7:50 − 花背高原(京都バス)
帰り:貴船15:55 − 叡電貴船口 = 出町柳


コース:
出町柳バス停7:50発⇒花背高原バス停9:30着〜花背スキー場跡10:00出発〜寺山峠入口10:20〜尾根道へ〜尾根10:50〜一ノ谷出合12:00〜二ノ谷分岐12:10〜三ノ谷分岐12:30=12:50〜芹生13:40〜芹生峠14:25〜奥社15:20〜貴船神社〜貴船バス停15:50=15:55発⇒貴船口16:20電車発⇒出町柳








 1月に醍醐に行った折に靴擦れの足をかばいながら歩いたのがたたり、腰を痛めてしまった。背骨を伸ばせず、椅子に座って1時間もたない。鍼治療したりトレーニングに行ったりトホホの日々。バランスボールに座って身体をゆらゆらしていたら、筋肉がほぐれてきてやっとまっすぐ立てるようになった。

 北山は雪で真っ白、いざ行かん。そしたらお次は母がもらってきたインフルに私も罹り、外出禁止。やーっと行けるぞとそわそわした2月12日ちらちら雪模様で、北山はみるみる真っ白になっていく。やっぱり花背峠でしょといそいそと雪山支度。なにしろ2シーズン振りの雪山なので、道具をかき集め準備にいそしむ。そうだ、保険も切れていたっけと急ぎレスキュー保険に申し込む。

 久々のアイゼンのつけ方を予行練習、おととし買ったMSRのスノーシュー やっと出番がやってきて、履く練習をする。(以前使っていたアトラスのスノーシューはゴムが劣化して修繕に出したのだが数か月かかると言われ、雪山シーズンに間に合わせようと買ったMSR、しかし雪山に行くチャンスがなくて1冬お蔵入りだった)そんなこんなで前夜は12時過ぎまで準備にかかり、寝てもなんだかわくわく遠足前の夜みたい。

MSRスノーシュー スノーシュー比較

 大雪注意報が出ているけど空は明るいので出町柳に行ってみると、なんだこりゃ!の大行列ではないか。老若男女わやわやと賑わしい。行列の中から道子さんが手を振っている。「どこに行くの?」「大見尾根」「どこに行くの?」「雲取山」「じゃあ一緒に連れてって」ってことで、いつものごとくokaokaさんのお尻にくっついて行くことに決定。長岡山人さんもコウンド谷に行くと列に並んでおられたみたい。

 23名の団体がいるってことで、1台しかこない広河原行のバスは押すな押すなの満員で立つはめに。臨時増発はないのか乗客が交渉してくれて、少し遅れてバスがきた。私は後続のバスに移ってゆったりと座った。

 やれやれ。花背高原でバスを降りて道子さんに聞くと、先のバスは満員、ステップに立つ人もいて荷物をまたいでの乗り降りに時間がかかったそうだ。が、私の乗ったほうはゆっくりで2人掛けにザックと納まり、道中腹ごしらえやらストレッチやら衣服の準備やら、他の乗客たちも悠々と過ごしていた。

 先のバスから後ろへ乗客が移動する機会はあったはずなのに、対応が悪い。登山シーズンは出町に係員がいて行列の様子で増便を手配してくれるのだが、今回は係員もいず乗客が増発の交渉をする始末。2ついた団体さんもバス会社に連絡していたのだろうか。少なくとも団体申請あったら増発はお決まりやのに。京都バスさんもちっと敏速に対応してください。と久々の雪山は、興奮気味のうちに出発。

 鞍馬を出てすぐに雪は深くなり、バスはチェーンを装着。ガラガラと花背峠のカーブ道を登る。花背高原前で10数名の団体さんと数名のグループが下りた。スキー場小屋跡で登山の準備をしようかと先行者のトレースを踏みながら行く。ええっつ 道のど真ん中で先の団体さんたちがスノーシューやらワカンやらの準備をしている。少しは端に避けるのがマナーってもんでしょうが(怒)。

 スキー場小屋でスノーシューを着けるのだが、留め具のゴム穴にフックをはめるのが固く難しい。夕べも練習してきたけど時間がかかる。同じMSRを履いているokaokaさんのをみると、留め具の形状が違う。私のは型式が古いのだろうか。2年前、型落ちだが性能は同じというふれこみで安い方を買ったからなあ。楽そうに留め具を付けている道子さんを眺める。道具は進化しているから、高いなりの理由があるのかも とつくづく思う。

寺山峠へ向かう ここを登ろう と哲さん

 先ほどの団体さんやグループを先に行かせ、ゆっくりと寺山峠へと向かう。峠道の入り口のところで哲さんが立ち止り、「今日はこっちに行こう」と植林地の斜面を見上げている。どこでも着いて行きますが、こんな斜面登れるのかなあ?道子さんが斜面をすいすいと登っていくので見上げていると、「シューのかかとを上げると楽に登れるよ」と哲さん。私もヒールリヒターをぱかんと上げて、小さくジグザグに斜面を登る。

先行者は寺山峠へ向かう すいすい登るokaokaさんたち

 へえ 楽ちん。MSRは登攀しやすいと聞いていたが、確かに斜面は大きくジグを切りながらしか登れないアトラスよりはるかに小回りが利き、どこでも登っていけそう。大きなワッカのアトラスは雪原のトレッキング用で、そもそも用途が違うのだろう。

 昨夜の降雪でふわふわの雪が50センチ以上は積んでいる植林地。時々木の根の穴をずぼっと踏み抜いて落っこちながらも、30分ほどで「もう800m越えた。寺山峠よりも高いところに来てるよ」と哲さん。雑木林にあたりは変わり、ところどころに霧氷の花が咲く。真っ白の世界は静か。

 今日は雪リングなしのストックを持ってきた。ストックの先を雪突リングに取り換えようと試みたのだがどうしても先にはまっていたトレッキングバスケットが取れなくて、まあ雪だからストックを思い切り長めに使えばいいかなと思ったのだが、これがあかんかった。

 精一杯長尺で使っても、深い雪の中ではずぼっと沈み支えが利かない。雪を踏み抜いた時に身体を起こす支えにならない、刺したストックが雪に沈んで身体のバランスを崩し倒れるなどと、時々アレー状態だ。哲さんが「僕も経験あるけど雪リングは必要だよ」。雪リングをつけていた以前のストックは雪抵抗で歪んでしまったので、雪リングは無い方が良いのだろうかとも考えたけど、やっぱり必需品ですね。

 ふわふわの雪をふわふわ登り、寺山峠から花背峠へ向かう尾根道に到着した。先行者のスノーシューの跡が花背峠に向かって続いている。バスに乗っていた男性2人組だろうか。哲さんが、「トレースの跡を着いて行くのはつまらん。今日は一の谷から貴船に行こう」という。わたしは行ったことないからどこでも着いて行きます状態。

気持ちいい!尾根道

 花背峠への尾根は広くて一直線で気持ちよさそうな雪原だ。「踏み跡のない新雪を味わって」と哲さんが先頭を歩かせてくれる。右に細い支尾根を下っていく。下りは、ヒールリヒターをフラットに戻すとまっすぐに下っていける。ヒールを起こしたままだと前につんのめってしまう。

杉林を一直線に下る 谷道を行く

 すぐに植林地になり、道子さんが「確か下に小屋がある場所から下りたらいい」と下を覗きこむ。「あれや」と指差す方向に雪に埋もれた作業小屋みたいなものが。杉の間を下り、小さな谷間に出た。「ここは一ノ谷から花背の村に行く破線の道がある場所や」と哲さん。この破線の道は気になっていたので、喜ぶわたし。沢沿いに歩きやすい場所を探しながら一ノ谷へと向かう。

一ノ谷を渡渉する 一ノ谷林道を行く

 一ノ谷に出合うと、「上に林道があるよ」と哲さん。久しぶりの一ノ谷なので、林道がこんなところまで延びているのかと驚いてしまう。沢を渡渉して林道に上がる。以前ここを歩いた時は、幾度も渡渉を繰り返し沢からよじ登るのに苦労したものだったが、平坦な林道は楽チン。が直ぐに、崖崩れがあったのか道が途切れる。

二ノ谷出合 沢を渡渉する

 丸木橋やはしご橋が雪に埋もれているのが見えるが渡れそうもないので、山側の斜面を歩けそうなところを探して沢に下りた。渡渉して林道によじ登ると二ノ谷の分岐、そこから30センチくらい積もった林道を三ノ谷のゲートまで行く。お腹もすいたのでお昼にしようよと休憩。時折風が強く、大きな杉の枝から雪がハラハラ舞う。立って食事をし、汗まみれの服も着替える。

 BS「百名山一筆書き」を見ていたら、冒険家の田中陽希さんが「山で一番怖いのは体温が奪われ低体温になることだ。低体温になると思考力が奪われるから」「衣服はまめに調整し、手袋やネックウォーマーで体温を逃がさないようにしている」と言っていた。登山用の衣類は速乾力が強くびしょびしょにはならないが、それでも着替えると体が温かく楽になる。

もうすぐ3ノ谷出合だ 芹生への林道もよく積もってます

 踏み跡のない林道を芹生めざしてくてく。林道の雪は水分をたっぷり含んでいて、一歩一歩足を上げる度に重い。だんだん速度も遅くなり、okaokaさんたちは見え隠れしながら随分先に行った。やっと芹生の分岐につき、そこでスノーシューを外した。okaokaさんたちはリングの滑り止めを着ける。そうか わたしも滑り止め持って来れば良かったなあ。登山靴だけで歩く雪道、足が軽くてふわふわする。両足重量2キロ弱のスノーシューは負荷です。

勢竜天満宮 寺子屋の舞台 雪が重くどんどん遅れる

 勾配のきつい芹生峠道は凍結していたら怖いが、幸い雪が積もっていて楽に歩ける。でも下りはもしもが怖いので峠上でアイゼンを装着し、雪の上を選びながらこつこつ歩く。奥社までだらだら坂を下っていく。道子さんが私が疲れてやしないかと気を使って、ずっとおしゃべりしながら一緒に歩いてくれた。

雪の芹生峠  貴船に着いた

 貴船の料理屋街は散策する若者でいっぱい。おしゃれな喫茶店が数軒できていて、静まり返っていた冬の貴船が様変わりしているので目をぱちくり、きょろきょろしながら歩く。

 貴船から貴船口までバスがあれば助かるのになあ 哲さんが走っていってくれた。「はようはよう乗りや」バスに乗るとしばらくして出発。貴船口のバス停には貴船行の客が並んでいる。総じて若者だが、夕方4時過ぎからでも神社に行くんやなあとびっくり。パワースポットワンダーランドのご利益でしょうか。

 醍醐で靴擦れの教訓から、バンドエイドと左用右用に分かれている靴下を装着して歩いてみました。まったく問題なかったです。思うに、普通の登山用靴下だとたるみ分が靴の中で擦れ、靴擦れの原因になるかもしれません。左右きまった靴下はぴったり足の形に添いますから。ということで、帰宅後も故障なく太腿の疲労くらいで済んだので、あと数回は雪山に行きたいなあと計画中です。

 今回は思いがけず花背から貴船へとロングコースを歩いた。一人じゃよう行かなかったし歩かなかったでしょう。okaokaさんご夫妻、かめに付き合ってくださってありがとうございました。2年ぶりの雪 堪能いたしました。

 里に下ってから飲んだビールは、ぷはーおいしゅうございました。


                        【 記: Ikomochi 】