サカ谷道(坂下〜小女郎峠〜蓬莱山) 2015.04.04 雪のサカ谷道へ一度行ってみたくて、 残雪の山道を歩いてみました |
雪溶けの小女郎ヶ池 |
2015.4.4(土) 晴れのち曇 9℃〜13℃ ikomochi
3月7日okaokaさんに積雪の蓬莱山に連れて行ってもらって、哲さんに「タイムがそう遅くなかったよ」と誉めてもらいちょっと自信ができた。シーズン中にもう一度は行きたいと思うが、機会を逸している。3月は身辺雑事に追われ、気持ちが休まる間がなく身体も疲れている。思い切って雪道を歩くことにする。 毎冬気になっている比良サカ谷道。積雪期に歩く人は少なそうだし、サカ谷とヘク谷に挟まれた尾根道は急だし、深雪時にはなかなか行けそうにないが、残雪の今なら様子が分かるかも。今春は雨降りの日が多く、前日金曜まで大雨が降り行けるかどうかの判断は夜の天気予報で決めた。最近の予報は何時ごろ晴れとか雨とか精度が高いので、土曜日は曇のち夕方6時ごろから雨の予報を信じることに。 キムケンさんの報告によると出町柳は行列らしいので、早朝頑張って7時過ぎにはバス停に到着。1番。ところが、だーれも後続がない。向かいの広河原行は高校生のグループに中年のグループと賑やかなのに、どうしたことか。バスが出発する時になってやっと2人の女性が走りこんできた。出町柳の桜も満開で、みなさんお花見に行っちゃったのでしょうか?。
女性2人連れは平で下車。2人とも軽装で、スパッツにミニスカ山ガールスタイル、ザックは小さい。権現山でしょうが、雪溶けとはいえ大丈夫なんだろうか。私といえば、様子がわからないのでワカンにアイゼン持参で一応冬山対応、ザックは重い。 下坂下バス停で下車。集落に向かう道端には土筆やネコノメソウがお出迎え。土手をきょろきょろしながらぶらぶら歩く。安曇川にはあまご漁解禁か釣り人の姿が点々と見える。 ふわふわの羽根状の葉っぱの群生を見つけたので眺めていると、薄紫の花が目に入った。エンゴサク! 私にとってはスプリングフェアリーの好きな花だ。たくさん群れて咲いていて春を知らせてくれる。(帰って調べると、葉にギザギザがないのはジロボウエンゴサクとあり迷ったが、最終的にはヤマエンゴサクに落ち着いた。有毒なので鹿の餌食にならず済んだらしい)。
橋を渡って、人家の間を抜けて登る。辺りは静かで、わんわんと迎えてくれた犬の姿もない。手入れされた桂昌寺の横から植林地に入る。旧道はすっかり崩落して歩けないので、北側の斜面に取り付いて踏み跡を辿る。
歩きやすいところを探しながら30分ほど登ると、旧道出合に着いた。ここの大きく掘れた道形はいつ来てもほれぼれする。道標の木に齧られた跡が。鹿か?。尾根の裾野一杯に広がる広葉樹林の森。もう雪はないが、積雪期は素晴らしい風景だろう。
落ち葉の道をさくさく歩いていると、「こっちよ」と呼ばれたような。目を向けるとピンクの花が見えた。あっ 近畿豆桜だ。木の下に近寄って眺める。花は6分咲きで淡い桜色の霞がかかったよう。 花の下で楽しんでいると、突然バリバリバリと轟音が近づいてきた。ヘリコプターだ。木の間越しの目の高さに黄色い機体が見える。レスキューヘリ。ホバリングしている。どうしたんだろうと眺めていると、青い服の人が機体の扉から身を乗り出して何か探しているもよう。ヘク谷に向かってゆっくり飛んでいるので、わたしも追っかけて走った。(消防車を追いかけたくなりますよね)が、追いつけるわけでもなく、結局しばらく轟音が響いていたが、ヘリは飛び去ってしまった。なんだったんだろう。 さてと、さきほどの豆桜はどこだっけ?大体見当をつけて移動したつもりだが、周囲は似たような風景でさっぱり豆桜が見つからない。結局登山道のある方向へ動いて、やっと赤テープと踏み跡を見つけた次第。豆桜には二度と会えなかったが、次は黄色い花が咲いていて満開のダンコウバイだった。
たくさんの石が雪崩れたような特徴ある場所を通り、道は尾根の下を巻くようにサカ谷の源頭部へと向かう。馬酔木の群生地を通る。葉は青々としているのに花芽はほとんどない。今年は裏作?。
杉の植林地の入り口から、薄暗い林の中をひたすら頭上の明かるみを目指して上へ上へと登っていく。8割方登り切ったところで、道は北に振り、尾根道に出た。三角形の大岩が出迎えてくれた。 ここまで登ればあとはゆるゆるなので、昼食。昔の人もこの岩に凭れて荷を下ろしたのかなあ。靴も靴下も脱いで足指体操してリラックス。小鳥のさえずりがかすかに響く。のどかや。
12:20最後の登りへと出発。P964のあたりに来ると、北側に残雪が出てきて、道を踏み抜いたりするので慎重に歩く。ピークを回り込んで植林地の端を歩く。夏道だとなにも考えずにすたすた先に進むのだが、雪で覆われて道が見えないとどっちへ行けばよかったか、考えてしまう。ちょっとした尾根の切れ目を乗り換える場所とか 曲者やなあ。 ヘク谷の源頭部の斜面には厚く雪が残っていて、葉の落ちた木々のコントラストが美しい。積雪期にここで遭難した方がいたが、確かに尾根は一直線ではないし両サイドは谷からの壁だし、慎重に歩かないとヘク谷に滑落してしまうのもうなずける。
小女郎ヶ池の西側にある小ピークを目指して登る。一面の笹原は分厚い雪に覆われているがしまっているので、歩きやすいところを探して歩く。小ピークの尾根道は見晴らしがよく、青空のかなたに愛宕方面や若丹国境尾根の山並みが広がる。好きな場所だ。 しばらく見とれていると、数名のおじさんグループが下ってきた。坂下に向かうという。みなさん 軽装。山の上はもう春なのだろうか。
残雪に覆われた小女郎ヶ池に13:30到着。今日はレスキューヘリを追いかけて時間をくったので、少し遅くなった。昼過ぎの池は誰もいず静まりかえっている。池の氷は日当たりのよい北半分は完全に溶け、山側の南側は薄く表面が凍っている。3月7日蓬莱山登山で先行者3名のグループに帰りのバスで一緒になったが、小女郎ヶ池で氷上パーティをしたとのことだった。毎年楽しんでおられるそうな。多分囲炉裏グループの方々でしょう。氷の厚さはどれくらいになるのだろう。 池の端に座って、コーヒータイム。気温は13℃。下界は20℃を越える予報だったから、あちこち桜が開いたことでしょう。小鳥のさえずりと、時折吹く風が爽やか。 このところ熟睡できない日々が続いたから、登山できるかなと心配していたのだが、思い切って来てよかったなあ。ガラガラのバスの中で、道中ずっとストレッチをして身体をほぐしたのもよかったかも。しかし、座っていると太腿がぴくぴく痙攣。しばらくじっとしてからストレッチ。痛みも引いたので、さて帰りますか。
下山コースは小女郎峠にするか ロープウェイにするか。ま、峠の雪の様子しだいにしよう。雪解け水が池に向かってちょろちょろ流れている笹原の道を、峠に向かう。 峠は琵琶湖から吹き上げる風が強く、灰色雲も厚くなってきて、数時間したら確実に雨になりそう。雪が残る峠下から谷道を覗いてみた。足跡はあるものの、この調子ならば道は雪に覆われて、急坂は滑りやすいかもしれない。アイゼンをつければよいのだけれど。ごそごそアイゼンや服装の準備をしてから下って2時間、谷を下っている最中に雨になるかも。無理しんとこ。 蓬莱山への登りは、1か月前の積雪が嘘のようで一面の笹原が広がる。お地蔵さんも道標も何食わぬ顔で立っている。山頂から家族連れが下ってきた。軽装で、小女郎ヶ池はすぐですか?などと聞いてくる。奥さんが「一人で大丈夫ですか」と驚いている。
蓬莱山のスキー場、昨日の大雨で雪は溶けたのでしょう。じゃりじゃりの固い雪がわずかにスキー場に残り、それでも最後の滑りを楽しむ若者がジャンプ台で跳んでいた。フェンス沿いの芝は雪解けでぐちゃぐちゃ、鹿のフンだらけ。どんどん下り、15:00前には打見山頂に着いて15時15分のバスに乗ろう と先を急ぐ。 山頂付近では、グリーンシーズンの準備中で、アスレチックの綱を張ったり、柵の点検をしたり大勢の人が働いている。山頂ロープウェイ駅に15:00着。ところが、ロープウェイは20分間隔にしか運転されていず、乗り場のベンチで待つことになった。ロープウェイで上ってくる人の服装は、街中のスタイル。ハイヒールもいれば、ミニスカートもいて、重いザックをしょったのは私一人だけ。 下りのロープウェイはほとんどが観光の人で、スキーヤーはちらほらだ。休憩所のトイレで顔を洗ったり服を着替えたりゆっくりして、バス停に行った。なんと、バス停は移動して下の駐車場にあるという。張り紙を眺めていたら、バレイの作業員の方が来て、話をする。今年の桜は例年より1週間早く開花が始まったとか。桜祭り期間中持つだろうかとか。例年こぶしの花で山が白いのに、今年はまったく咲いていない とか教えてもらった。
バス停に行って5分咲きの桜並木を眺めながら、先にいた男性とおしゃべりした。スキーバックに板一式の大荷物を抱えている。聞くと、山頂にはロッカーがあって、期間中数万円でスキー用具を預けておくのだそうだ。今季27回通ったというから、元手はとれたという。 しかし、土日祝はほとんどスキー場で過ごすとは、よほど好きなのでしょう。ビワコバレイも昨日の雨で今季雪も終わりだから、荷物は全部引き上げて帰るところという。これからは岐阜の鷲ヶ岳方面にしばらく通うそうで、熱心さに脱帽です。 そんなこんな話をしていたら、やってきたバスの運転手さんも加わってさらに四方山話が弾んだ。バスは満開の桜並木を下り志賀駅から見上げると、山頂は厚い雲に覆われている。早めに下山してきてよかった。
さて、以前雲取山で雪リングのないストックで苦労したので、すぐに雪用のストックを買いに行った。ストックのリングがどうしてもはずれないので、どうしたらよいか と登山用品店のお兄さんに訴えるも、「ストックの先は簡単に外せるので、そんなに力がいるものじゃありませんよ。シーズンごとに交換するものですから」とまったく馬鹿にされてしまった。 かつて、力のあるこてつさんですら外せなかった雪リング。仕方がないから、新しいストックを買い、お兄さんにリング交換を実演してもらう。片方の1本を私が交換。ぎゅっと引っ張れば、確かに簡単にはずれた。ゴムのねじ山に砂やほこりが詰り、動かしにくくなるのかもしれないと、それからは使うたびに全部をバラし洗って乾かして組み立てている。やれやれ。
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