桟敷ヶ岳(岩屋橋〜西谷〜尾根本道)


 
送電線路と城丹国境尾根


2015年 2月28日(土) 曇りのち晴れ  森の旅人M

コース:
雲ヶ畑・岩屋橋〜西谷〜尾根本道〜アンテナ板〜鉄塔広場〜桟敷ヶ岳〜ナベクロ峠〜祖父谷峠〜祖父谷林道〜岩屋橋





 2015年も3月も声を聞き,一時の寒波も緩み近場の雪山山行として桟敷ヶ岳に向かいました。前日の薄っすらと雪化粧は見られましたが麓に雪はありません。山頂あたりの積雪を楽しみに岩屋橋から入山しました。

 今回は志明院手前から西谷に入って行きます。以前なかった西谷から入山を勧めるように標識が立っている。しばらく地道であった林道も少しずつ雪に隠れていきます。やがて谷合流分岐では完全に銀世界へと変わってしまいました。

 谷合流から左側の谷へ入り,杉林内を高巻きしながら上流部へ。大岩の脇を通り一旦,杉林の途切れた場所に出て,小川沿いから再び杉植林地を抜けると尾根本道に出ました。

西谷へ向かう 桟敷尾根本道出合

 山頂へ向かう山道には新しい踏跡が無く,本日山頂一番乗りになりそうです。積雪は2,3センチ程度で全く問題なし。10時の時報が大森から聞こえてきます。P671を右に見てP811の岩茸山に向かうが今日はパス。トラバースしながら北に向かう,方向転換する谷手前から急に雪は深くなり40センチ程となる,急斜面のアセビの森と深い積雪に通過時間が掛かる。北側の岩茸山分岐点から尾根道に入りアンテナ板に達する。天気も良くなり青空が見られ,広々した銀世界の尾根が気持ちよい。古いスノーシューの跡が途中残っていたが,次第に無くなり適当に歩くものの益々雪は深くなり一歩ごとにクツがヒザ下まで埋まる。

岩茸山東側斜面を行く アンテナ板
広い尾根が気持ちよい 鉄塔広場

 鉄塔広場に出ると,ここは突風が吹くのか西側は雪がなく,東側のみ雪が深くなっている。見通しも良く雪山が広がる。山頂へは一旦鞍部に下り,上り返す。深みに入りながら山頂を目指す。ようやく到着した山頂は今までにない深い雪で80センチほど埋もれて,三角点はその下だ。踏み跡がないので今日一番乗りである。見えている比良山系の蓬莱山と奥の武奈は真っ白に輝いている。

鉄塔広場から西を見る 深い雪に覆われた桟敷山頂

 山頂で昼食を摂った後は,ナベクロ峠に下山だ。結局,誰にも会わず出発だ。 今回の山行で厳しかったのは,下山だった。一歩ごと雪に埋まる負担は大きく,足跡も無く,以前多すぎるほどあったテープ類も無くなっている。何度も歩いた地形を頭に呼び戻す,しかしよく見ると樹木に赤いスプレーがある,目印に先を急ぐ。方向を変えながら数箇所の上り下りの尾根道を進むが,ナベクロ峠手前で左足ふくらはぎの痙攣が襲ってきたと思ったら同時に右足も同様につる。うなってこらえる。しばらく立てそうになく雪上で休息をとる。

杉林と雑木の間を通る ネベクロ峠北側鉄塔

 なんとか痛みが残るなか,立ち上がりナベクロ峠から北の鉄塔下に出る。ここは一部せっぴのように吹き溜まりができている。祖父谷峠へ下る場所からは城丹国境尾根と武奈ヶ岳遠望ができ,この景色はお気に入りだ。祖父谷峠目指して下るが雪は深い上,柔らかいので踏み込むたび埋まる,筋肉疲労は大きい。途中で右足が股までの深みに埋まる。そこへ,その右足ふくらはぎが再度の痙攣。深い雪の中から足が抜け出せない。雪を掻き出し,ようやく這い出す。

祖父谷峠へ 武奈ヶ岳遠望
根開き 祖父谷峠

 祖父谷林道まで深い雪に足を取られながら下っていく。時間も予想以上に費やしている。林道に出て楽になるとの予想は見事に外れて雪は相変わらず深く,一歩ごとの沈み込みも変わらない。狼峠分岐に来ると,峠に向かって足跡が伸びている。今日の踏跡のようだ。 

祖父谷林道へ出る バイクの4人組

 送電線路を見上げて下っていると,ヘルメットをした男性が上がってくる。聞くとこれから山頂へ向かうと言う。即座に「やめとき,今日は雪が深く無理です。」と言うと,あっさりと了解し戻っていった。びっくりしたのは,なんと雪の深い林道をバイクでここまで上ってきていたことだ。それも女性1名に男性3人の4人組である。後輪を振りながら連ねて去っていった。しばらく車輪のわだちを歩くが狭い。雪が見当たらなくなったのは少ししてからでした。小梅谷橋を見て,長い林道歩きも駐車位置に戻りようやく終わりました。

 雪の深い山に,緊張しながらの山行でしたが,無事終えることが出来て感謝です。


                           【 記: 森の旅人M 】