岩籠山(市橋コース) (小てつ NO.80)


 
インデアン平原


平成27年5月17日(日) 晴れ       JOEさん、小てつ

コース:
市橋登山者用駐車場〜市橋コース〜岩籠山〜インデアン平原〜夕暮れ山〜駐車場





 北山の春の花もそろそろ終わりとなり、ここはまた北部の山に散策に行きましょうとJOEさんと打ち合わせをしていたのですが、意外にこの時期には訪れていない「岩籠山」にしましょうとなりました。

 161バイパスで北へ向かうと言うことで、山科で待ち合わせをして合流し、何故か割とすいているバイパスで順調に北上する。駄口ドライブイン向かいの駐車場には既に5台の駐車。疋田の難所であったJRをくぐる「狭小トンネル」の横に、2車線通れる新しいトンネルができていて感激する。これで怖い思いをしなくて済む。

 8号線と合流して、市橋の交差点を左折、もう通い慣れた小道を抜けて駐車場に到着。ここにも既に3台の駐車があり、さすが人気の山だ。準備をしてトイレを借り、8時45分に出発できた。

 我々が「毒キノコの森」と呼んでいる松林に、桐の花の紫が目立つ。エゴの木もすでに落花していて、下の方では初夏の様子。下に流れる川の音が大きく水量は多そうだ、昨日の雨のためだろう。しかし覗き込んで見てみると、そう濁ってはいないので危険なことはないだろう。

市原登山用駐車場 林道ではエゴの木が咲き始め

 タニウツギやコデマリなど木の花はあるものの、野草がなく、コアジサイはまだつぼみで、ぜ〜んぶ緑の登山道なので、ブツブツ文句を言いだした頃にシライトソウが現れ、文句も言ってみるもんだと笑い合う。

 このコースの面白いところは、少しの標高の違いで植生がコロコロかわるところで、今まで訪れていない時期ということと、今年のあまり例年通りとはいえない野草の開花時期を考え合わせ、いつにも増してキョロキョロと忙しい。全く息切れもしないペースで登って行く。

バイカオウレンは結実 シライトソウ

 トウダイグサやマツカゼソウは咲き始めたばかり、バイカオウレン、イカリソウは結実していて、ギボウシはまだツボミ。そんな中、対面の崖にササユリのツボミを見つけ、あそこなら盗られもしないし、シカに食べられもしないだろうから、2週後くらいには花を楽しめそうだと喜ぶ。

 だいたいお目当ての花の観察ができたころに、例のフユイチゴの大群落にたどり着くのだけれど、おかしなことに全く花が無い。花どころかツボミも無い。シャクナゲと同じで、今年は裏年なのだろうか?。

 花の観察しながら息も切らさず登ってきても、夕暮れ山と岩籠山の稜線には11時前に到着。とりあえず岩籠山へと向かう。岩籠山までに駄口からだろう12人の団体さんとすれ違う。男性一人とあとは女性ばかりで、えらく極端な団体さんですねと話し、いくら小てつでも11人の女性相手のガイドは遠慮しますと笑う。

今日は水量が多い ギボウシはツボミ
トウダイグサ 対面の崖のササユリ

 岩籠山ピークには3名の男性グループと御夫婦連れが先着。我々と入れ替わるようにインデアン平原に向かわれた。誰もいなくなったピークを貸切りで、ラーメンタイムとする。暑くもなく寒くもなく、敦賀湾を眺めながらのラーメンタイムは至福の時となる。今日もノンアルコールビールを差し入れいただき、ピークでゆっくり過ごす。

 ゆっくりしたラーメンタイムも終え、何もないでしょうが我々もインデアン平原に行ってみましょうかと、店を片付けて腰をあげる。平原に出るほんの手前の笹に花芽がついているが、そこらだけなので、100年に一度にしては小規模ですねと話す。

 初めて来た時にはそれなりにだったインデアン平原も、何度も足を運んでいると何にもないな〜と思ってしまうが、何にもないのもいいものだ。少し見える角度の変わった敦賀湾と、ピークからは見えない琵琶湖の景色を眺めて来た道を戻る。

 来る時には感じなかったのだが、カエデの葉っぱが丸まったのや欠けたのがあるので、よくよく見てみると、去年赤坂山のブナやカエデを丸裸にした、例のマイマイガの幼齢だろうか毛虫がいるのが見えた。ただ、ここでは大発生ということはなさそうで、去年とは違い、いくらか雨が降っているせいだろうか?このマイマイガ、幼虫が大発生する割に成虫までになる個体は1億匹に1、2匹だとか・・。まったく迷惑な虫が入り込んできたものだ。

キスミレも結実 マイマイガ幼齢

 市橋登山道分岐まで戻り、これまた何もないでしょうけど・・と言いながら夕暮れ山の方に行ってみる。途中で賑やかな鈴の音を鳴らせた単独登山者に道を譲るが、彼はこれから野坂まで縦走するそうな。何やら機械音声がするのでラジオかと思いきや、数秒ごとに標高や方位を知らせるナビ音声付きのGPSであるようだった。我々達とは全く登山スタイルが違ったやり方で、いろんな楽しみがあるもんだと感心する。

 今度は16人の団体とすれ違う。今度の団体は男女混合で、前の団体さんとは年齢層も低く、装備も数ランク上で、おそらく単の男性と逆に野坂から縦走してきたものと思われた。

 夕暮れ山の反射板まできて岩籠山ピークで先行されていた御夫婦連れと再び会う。三角点はどこですか?と聞いてこられるので、三角点はもう少し降ったところにありますと答えるが、この方も三角点は一番高いところにあるものと思い込んでおられる方だと推測する。(三角点は山の一番高いところのマークじゃなくて、見晴らしの良いところにあったりしますね)。

ユキザサ ヒメハギ

 御夫婦連れも三角点は諦められ、我々もこの先には用事がないので、市橋分岐に戻ることにする。何故か旦那さんが先頭で奥さんが最後尾となり、我々が挟まれて歩くことになる。行ける時にはほとんど毎週のように、花を追いかけて雨でも何でも山歩きしていますと話すと、ほとんど呆れられ、稜線に一輪だけ咲いていたユキザサを紹介すると、よく見つけるものだと全く呆れられた。時々神様が降りてくるんですよと冗談を言うが、実は偶然ですよと話す。(ただ、偶然の回数が劇的に増える努力はしていますが・・)。

 そちらこそ御夫婦で山にこられて円満で結構ですねと言うと、奥さんは円満じゃないんです!と即答されていたが、そんなこともないでしょう。

 降る途中で御夫婦とも別れ先行する。いつもは帰りに花を見つけることもあるのだが、妙なことに本日は追加収穫無し。残念。

 駐車場に戻り、帰り支度をして帰路につく。今日は覚悟の白髭神社前と真野の渋滞に巻き込まれるも、ビクトリアマイル三連単配当2000万円の実況を聞いて、参加もしていないのに感嘆の声をあげる二人。なんだかんだで、今日も楽しい一日となりました。感謝、感謝です。


                           【 記: 小てつ 】