赤坂山〜寒風山(高島トレイル)
小てつ(No73)

寒風への稜線を楽しむ


平成27年3月8日(日) 晴れ+ガス+強風  JOEさん、小てつ






先週の三国岳の様子からして、もう雪を楽しむなら北部の山に行くしかないでしょうねと、JOEさんとマキノの山へ行くことにする。

 今週は小てつの仕事の都合で、山行が日曜日になるので、okaokaさん達をお誘いするのはダメなので、K先生に御連絡したのだが、あいにく先生は南座で観劇の予定があり同行は無理と言うことで、結局JOEさんと二人で行くことになる。「歌舞伎観劇とは優雅ですなぁ」とJOEさんが言われるが、先生の場合、仕事半分ですもんね。

 いつもの山科で待ち合わせ、161バイパスを北上する。やはり比良ではかなり上の方だけ白く、融雪が進んでいるようだ。木から落ちた残雪があるだろうが、雪質はよくなさそうに思える。

 朝は1時間でマキノに到着。駐車場は登山者用とか区別はしていなかったので、アスファルトに白線で区画された駐車場に置く。準備をはじめると、デジカメを忘れてきたのに気づく。今日の写真は残念ながら、ガラ携写真だ。8時30分に出発できた。

 今日も周回する予定だが、赤坂山からの反時計廻りとすることにして登山口へと向かう。ゲレンデにはもう雪は無く、ベルト式のリフトの解体作業がはじめられていた。

 登山口から取り付き、ひと登りすると雪が現れるが、ザラメ雪でアイゼンはまだいらない。それにしても暑くて、小てつは中間着を脱ぎ、JOEさんは手袋まで外される。

 ブナの木平の東屋まで一気に登って先行の2グループに追いつく。ここでアイゼンをつけることにするのだが、今日はJOEさんの新アイゼンデビューだ。12本アイゼンを3つも持っておられるJOEさんなのだが、また12本のを仕入れられたのだ。今度のは小てつとおそろいのブラックダイヤモンドのセラッククリップ。okaokaさんのペツルに対抗して、こっちはBDコンビだ。とは言え、二人であわした訳でもなく、靴合わせするとBDのが丁度だったので、そうなっただけである。

 JOEさんの新アイゼンの感想は、「軽く感じる」と言うことで、実際の重量だけでなく、靴との相性や歯の長さや形で装着感は違ってくるのだ。高下駄にもならないし、快適なようだ。

東屋は半分埋もれ

 さて、ブナの木平あたりまでは風も無く順調に歩いてきたが、どうも上の方はガスと強風があるようで、今年は吹雪にあわずにシーズンを終えると思われた小てつに、シーズン最後にして結構な吹雪をみまわせてくれるとは、神様も粋なはからいである。でも天気予報は回復に向かっているということなので、「ゆっくり登りましょう」と言うことになる。

 ブナの木平から上の登山道は、登りのトレースと降りのトレースが入り混じり、尻セード跡もあいまって、ややこしいことになっている。降りの直降跡をたどって登ったら、激登りをしいられるので、たどっていいトレースかそうでないかを、先をよく見てたどらねばならない。

 ブナの木平で追いつき、我々がアイゼンを装着している間に先行していった男性1人、女性2人のグループが、登山道の途中で尻セード向きの斜面を見つけ遊んでいる。何故かこの後つかず離れず、御一緒することになる。うち男性とJOEさんはどこかの山でお会いし話されたことがあるそうだ。

 最初の鉄塔まで登ってくると、ワンちゃんを連れたグループが休憩中。鉄塔を見上げるが電線までも見えない状態。視界10mくらいだろうか。我々は並列歩きが多いので、JOEさんと少し離れると見えなくなってしまう。

ワンちゃん連れのご家族(このワンちゃん達はすごい)

 粟柄越え手前で、大学生らしき男性2人、女性1人の3人グループとすれ違う。見ればそれぞれ大型ザックを担いでいるので、「テン泊か?」と聞くと、「そうです」と言う。「まだ早いのに、もう降りるの?」と言うと、昨日の雨に戦意喪失とのこと。「男の子なら、せめて寒風山まで縦走せな〜」と、悪魔の誘いをかけ別れる。(結局彼らはこの悪魔の誘いに乗ってしまうことになる・・)。

 実はJOEさんは、今年赤坂山は2回目だそうで、前回はもっと吹雪で前が見えず、気がついたら山頂だったと言われる。今日は同じ吹雪でも、ずいぶんマシ。風に乗った氷が飛んでくるようなこともないし、何より気温が違う。赤坂山最後の登りに8人のグループが先行しているが、うち何人かは長靴ノーアイゼンで頑張っているようだ。

 ピークには、8人グループや3人グループとほぼ一緒の到着となり、にわかに賑やかになる。こういう天候に登ると、何故か親近感が湧いてくるのか、小てつは8人グループの集合写真撮影をかってでる。

強風の赤坂ピーク

 風も強いし長居していることもなく、そそくさとピークを後にする。JOEさんは定点写真を撮っておられるので、粟柄越えの標識を探しに行くが、雪に埋もれていて見つからなかった。

 寒風山への登山道も夏道ではなく、雪の残った斜面の東側にトレースがある。我々はアイゼンのまま、トレースをたどる。ピストンの予定と言っていた三人グループも鞍部まで降りてきて思案しているようだ。そりゃまだ時間も早い。

 ガスで視界も無く、不用意にトレースをたどっていると、今までにない無風の鞍部に降りた。こんな適地はないと、ちょうどお腹もすいてきたと、ここでラーメンタイムとする。今日はJOEさんがマルちゃん正麺カレーうどんで、小てつは定番のサッポロ一番味噌ラーメン。でもって、いつものノンアルコールビールをいただく。

 風がなければそう寒くもなく、カッパの上着を羽織っただけでいられる。時折晴れ間が覗きだし、もう少しゆっくりしていれば、天気は回復するように思われた。

 ラーメンタイムをしていると、例の三人グループもやってきて、我々がラーメンタイムをとっているのを見て、自分達もお昼にすることになったようだ。 その後、男性2人組もやってきて、無風の鞍部に驚き、彼らもここでお昼にするようだ。

ガスの切れ間の展望を楽しむ

 そんな中、大学生3人グループが、鞍部の向こう側から降りてきた。てっきり鞍部の向こう側が寒風山の登山道と思い込んでいた小てつが、「どこ行くの?寒風はあっちやろ?」と言うと、「ここの向こうは降っているだけで、違うようだ」と言う。我々二人はラーメンタイムを終え、支度を整えて、今大学生が降りてきた斜面を登ってみる。小てつの記憶では、登山道はマキノの町並みがずっと見えていたと思っていたので、これで間違いはないと思ったが、前方から男性2人組がやってきて、「トレースをたどってきたが、降っているだけで、違うようだ」と言う。その時にわかにガスが切れて、寒風山側のシルエットが見えた。巨大な雪庇が北側に見えて、そちらが本来のルートであるとわかる。

 何度も歩いているルートなのに、視界が悪いとこの有様。しかしながら、ルートを探しながら歩くのもまた一興。と、言えるのも時間に余裕があるからのこと。

 ルートを探しながら歩く我々に、後続していた三人グループが追いつき、結局この後寒風山まで御一緒することになる。聞けば、神戸、高槻、向日市とバラバラのところから合流してやってきたグループと言うことだった。

 寒風山方向からきた親子連れがいたそうで、そのトレースをたどれば間違い無いということだったが、トレースは崩れかけの雪庇の向こう側に残っていたりするので、危なっかしくて・・。

 時折切れるガスの向こうに見える、1000mに満たない山の景色とは思えないようなスペクタクルに感激し、バックリ口を開けた雪庇の割れ目を覗き込んだりと、存分に楽しみながら寒風山への稜線をたどる。

 先行したはずの大学生3人グループが、後方の小ピークで進路を迷っているようだった。我々は手を大きく振ってサインを送るが、見えたかどうか?そのうち進路を見つけて進んでくるようなので、我々も先へと進む。

 ようやくはっきり見覚えのあるブナ林の転進箇所に来て、すぐに寒風山ピークとなる。高島トレイルの標識を探すが、ここも雪に埋もれて見つけられなかった。

スペクタクルを動画撮影(寒風ピーク)

 しばらく待てば、ガスが切れて展望があるのではと、赤坂山ピークよりは長居を決め込み、皆さんに小てつが持ってきた例のetc入りの甘い紅茶を振舞う。残念ながら、ガスはスカッとは切れないが、ここでもそれなりの景色を楽しむ。

 今日はこんなもんでしょうと、名残惜しいが降りにかかる。ピーク直下で10人ほどのグループが食事をとっていた。JOEさんが尋ねると、寒風山から登って大谷山まで周回する予定だったが、吹雪なのでピストンにしたということだった。

 我々二人はアイゼンのままだが、三人グループは二人ワカンに一人スノーシューなので、降りは遅いのか離れてしまう。降り途中で休憩をとられたか、尻セード場所を見つけたか、結局そのまま別れてしまった。

ガスが切れると良い天気だが

 中腹まで降りてくると、降りのアイゼンでは深くはまり込んでしまい、ともすれば足をくじきそうになるので、前回三国岳の教訓を生かし?スノーシューに履き替えることにした。履き替えていると、10人グループが追いついてきたが、再スタートを切った我々を見て、何と思ったことだろう。忍者?マタギ?それとも大きい子供?スノーシューでスキー板のようにセードしながら駆け降っていき、一気に10人グループを引き離す。我々二人のスノーシューは外歯のでは無く、オールプラのスノーシューなので、こんな芸当が出来る訳だ。

 寒風山ピークから、ほぼ1時間でデポ地まで降ってくる。いつも思うが、そんなに降りで頑張らなくてもいい。帰り支度をし終わり、JOEさんは挨拶もしなかったので名残惜しそうにゲレンデの方を見ておられるが、三人グループはまだゆっくりしているようなので、出発する。

 意外にも、帰りの161バイパスは、白髭神社のところも、真野のところも、全く渋滞無しで、1時間半で山科まで帰ってくる。(先生、こんな日もあるんですね〜)。

 今シーズンは思わぬ体調不良もあって、なかなか雪山を楽しめなかった小てつでしたが、先週今週と、存分に楽しむことができました。皆さんに感謝です。


                        【 記: 小てつ 】