三国峠 (小てつ NO.79)


 
新緑のブナ林をゆく


平成27年5月5日(祝)  晴れ   嫁、小てつ

コース:
生杉、峰越林道休憩所の駐車場デポ〜地蔵峠〜三国峠〜ブナ原生林周遊道〜デポ地





 毎年5月の恒例行事である「夫婦山行」、今年は何処へと考えていたのだが、嫁がいつもより気合を入れ、事前準備に靴やサポートタイツまで用意するので、それならば少しばかり深部に案内しようかと「三国峠」にしました。

 この「三国峠」、小てつがエキスパートを自負する「三国岳」のとなりにありながら、何故か足の向かない山となっている。車でのアプローチは当然だけど、桑原や久多と比べて、もうひと頑張りドライブしなければならないのと、「三国峠」だけでは物足りないし、ループにまいていくなら百里とセットにするくらいしかコース設定を思い浮かばないが、それはちょっと気合がいるルート取りになってしまう。

 (高島トレイル踏破の時にはやったし、トレランの人はよくやっておられるようだけど・・)今回は嫁と一緒ということと、連休連発山行ということもあり、チャンスの回となりました。。

 いつもより少し早い目の出発が出来て、途中にコンビニに寄っても出町柳を7時過ぎに通過する。バス停にはもう数人の登山者が並んでいる。車はまだ混んではおらず、調子よく途中へ向かうが、三谷峠口のところでは早くもスピード違反取締りのレーダー検知の店を広げているところだった。それに比べて滋賀県側では、いつもの曙橋の取締りはやってなくて、滋賀県警は観光客に優しいとなる。梅の木で左折、橋を渡り生杉に向かう。釣り堀は早朝から盛況、キャンプ地も盛況。

 休憩所に8時に到着、先客は乗用車2台。準備をしてトイレを借り8時20分に出発する。ガイドブックやネットのレポでは、ブナ原生林から取り付くように書いてあるけど、激坂を登るより降る方が楽やろうと、林道を地蔵峠に向かって登って行く。

休憩所駐車場にデポ ウワミズザクラ

 休憩所に8時に到着、先客は乗用車2台。準備をしてトイレを借り8時20分に出発する。ガイドブックやネットのレポでは、ブナ原生林から取り付くように書いてあるけど、激坂を登るより降る方が楽やろうと、林道を地蔵峠に向かって登って行く。

 林道では鳥が良く鳴き、嫁はウグイスが口笛に呼応したと喜び、相手をするのに忙しそうだ。法面に花を探すが、既にイカリソウも終わってしまって、今はイワカガミとスミレくらい。ブラブラのんびり歩いても地蔵峠には9時前に到着。

ガマズミ 地蔵峠

 遭難騒ぎが相次いで、今はここから研究林の進入は禁止となっている。許可を受けたバスツアーだと、峠のゲートを開けて枕谷から三国峠に周るそうだ。無理して分け入らないでも、周辺で十分自然を感じられる。

 地蔵峠を少し戻った植林地から取り付いて、ギザをきって尾根にのるんだが、植林地の中、途中で道が断絶していた。イワカガミが密集しているが、先日の八ヶ峰に比べて花数が少ないように感じる。

 雑木になると、今度はユズリハばかりとなる。雌雄異株の雌株に魚の卵のように雌花がついているのは、とてもじゃないが美しいとは思えず、ランの花なら飛びつくくせに、ワガママな話だと自嘲する。

チゴユリ オオカメノキ

 三国峠ピークが近づくにつれてブナの木が多くなり、まぶしい新緑の中を進む。急坂のところで対向のカップルと出会い、しばし足をとめて談笑する。御夫婦でいつも一緒に山行されていて、奥様はいつもついて行くだけとおっしゃっているが、あちこち遠征されているようで、なかなか達者なようだった。栗東からこられているということで先行の2台の車のうちの1台、三国峠は'地元'なのだそうだ。今日は早くに山を降りて、海まで走って魚を食べに行かれるという。なかなかエネルギシュ。いつもネットで山調べをされているそうなので、わがokaoka clubの宣伝もしておく。

 のんびり歩いても三国峠ピークには10時過ぎに到着。ピークにはサクランボの木か、リンゴの木か、満開の美しい花が待っていてくれた。これはおそらくどなたかが植えられた木だろう。周りにこんな木は無いので、あまりに不自然。でも、たぶん鳥の餌になる'実のなる木'を植えたんだと思う。訳の詮索は別にして、いい時期に来たもんだ、今日はこれで満足。

三国峠ピーク

 まだ10時過ぎだけど、朝も早かったのでラーメンタイムしようとなるが、ピークは虫が多いので、枯れた長池のたもとまで降りて店を広げる。バーナーがひとつなので、順番に嫁が三分かかるサッポロ一番、小てつが一分で出来るチキンラーメンで続く。

 チキンラーメンがもうできるという時に、単独男性がナベクボ峠側からやってきた。外付けしたマットがテント泊だと物語っているので、「トレイル縦走?」と聞くと「ええ4日目で、あと6時間で桑原に降りてバスに乗らないといけないので、少々焦ってます。」ということだった。小てつの記憶をたどり、「6時間なら十分大丈夫。」という。頑張りますと彼は三国峠ピークに登っていった。

リンゴ?サクランボ? とにかく満開

 ラーメンを食していて、今度は池の向こうに降りてくるはずの彼を待ったが、なかなか降りてこないので、ピークでゆっくりしているのかと思っていると、視界の外から彼のつけていた熊鈴の音がする。彼は「枕谷側」に進んでいたのだ。すぐ声をかける。「お〜い、そっちは芦生やで〜」立ち止まった彼は地図を取り出して見ていたのか、ひと呼吸おいて「そうですよね〜」。そうですよね〜もないけど、そちらに行ってたら6時間もくそもない。よくピンのポイントで小てつに遭遇したもんだ。

 てなこともありましたが、ラーメンも食べ終わり、今度は'合法ハーブティー'を楽しむ。ずいぶんゆっくりして、店をたたんで降りるとしよう。

 長池のはしをショートカットして来た道を少し戻る。三国峠登山道とブナ原生林周遊道の分岐あたりで、また御夫婦連れと出会う。御主人は、杭標識を見て、「雪の時には埋まっていたのか・・」と感慨にふけっておられる。奥様は、足元がやや怪しいようだったが、スニーカーのせいだったか。「ピークはもうあと少しですよ」と声をかけ、「ピークには、すごいプレゼントが待ってます」と付け加える。。

ユキグニミツバツツジ アオダモ???

 ブナ周遊道の方にもユズリハが大進出してきているが、ときおり鮮烈なユキグニミツバツツジの赤があり目を奪われる。根っこ道をゆっくり降ってブナの巨木を楽しむ。崩れかけの木道が現れ、水音が聞こえ出すともうデポ地はすぐそこ。休憩所の屋根が見え、林道に降りる。。

 車に戻り後片付けが終わっても、まだお昼すぎ。明日の仕込みに麻生周りで帰るとしよう。

林道に降り立つ 明日の仕込み

 本当にプチ山行でしたが、それでもいろいろありました。やっぱり山ですね。今日はカオリさん風に (オドロキ!!)。

                           【 記: 小てつ 】



ブナ原生林の立派なブナ