乗鞍岳(高島トレイル)
小てつ (No.77)

 
ブナは芽吹き
真上は快晴の深い青の中、ブナの新緑が映える


平成27年4月26日(日) 晴れ JOEさん、小てつ

コース:
在原の路肩広場にデポ〜在原越えの手前の石碑(お地蔵さん?)〜南東尾根(P727.5の尾根)〜電波塔〜乗鞍岳〜北鉄塔〜電波塔〜巡視路〜デポ地





 JOEさんに、タムシバの花を追いかけるように北へ北へとたどり、ついに今週は乗鞍の予定ですと言うと、では是非御一緒しましょうとなり、二人で出かけました。

 ですので、いつものように山科で待ち合わせ、東インターから161バイパスをつかって北上です。天気は上々でも今朝はモヤがかかったようで、見通しはあまり良くなく琵琶湖対岸も見えないくらい。でも湖西道路脇にはウワミズザクラがちょうど満開で、見事な木が何本もあり、今年は当たり年のようだ。車もすいていて1時間少しで在原口バス停分岐に到達する。いったん在原越えの峠を乗り越して道路が小広くなったところにニュー稲妻号をデポし準備をして、8時半に出発となる。

 もときた道を少し戻り、在原越えの峠に行くまでにある石碑の裏から取り付く。初めにここを訪れた時は、「高島トイレル完歩」の回で、完歩の記念に25000分の1地形図を見ていて、ここなら・・と思い尾根の先端である在原越えの峠からハシゴを使ってフェンスをまたぎ取り付いたのだが、後から哲郎さんと御一緒して、「ここからなら楽に取り付ける」と教えてもらい、ドッヒャ〜だった場所。

 また25000分の1地形図に記されている破線の道は、下から見るととんでもない激坂で取り付きの確認も出来なくなっている。それでハシゴの場所から取り付いたのだが、行った後で購入した、今は廃盤になっている「ヤマケイ関西、比良山、湖西の山」の中で紹介されていて、びっくりしたもんだ。高島トレイルをやっている時には、ほとんど資料を見ずに地形図だけでやってたからなぁ〜。

在原にデポ

 取り付いてすぐに、以前あったチゴユリを探すが、見当たらず。まだ芽吹いたばかりで、とても花は咲かせていないようだ。そんな中、木々の間に白いかたまりを見つけ、それがタムシバの花であるとわかる。

 大見尾根や三重ヶ岳と違い、ここのタムシバは他の木より高くならず、逆に他の木に遮られるように咲いていて、下から見たのではわからなかったのだ。けっこう花付きも良く、今までの山の中ではピカイチ。ここのは遅い春になれているからだろうか?。

イカリソウ カタクリ
バイカオウレン この尾根にはタムシバが咲いている

 しかしながら、ここの尾根はかなり荒れてしまって、最初に歩いた時とは全然違ってしまった。植林地の中でもイバラがはびこり、ブッシュ化してきている。破線の道との合流点くらいからは、踏み跡もあったのだが、それも不明瞭になっていて、標高650mくらいから現れだしたカタクリやイワウチワを楽しみながら登るのだが、時には進路を探しながらとなる。共同テレビアンテナも気がつかなかったので、なくなっていたのかも知れない。

 標高700mくらいで見晴らしも良くなり、風も抜けて気持ちがいいのだが、何やら下界からスピーカーの声が聞こえ、国境のスキー場に多数の車が駐車されてイベントが行われているようだ。それに風に乗って飛んできているのか、JOEさんは鼻が反応していると言われ、小てつは舌がざらついてくる。どうも、どこかにアレルギーをおこさせる花があるのかも知れない。近くにヤシャブシはなかったと思ったけど。

 尾根がなだらかになってくるとブナの林となってきて、今が芽吹きのブナの新緑を楽しむ。琵琶湖の景色はおぼろげだが、真上は快晴の深い青の中、ブナの新緑が映える。

イワウチワ イワナシ
ショウジョウバカマ ミヤマカタバミ
マメザクラ オオカメノキ

 標高750mになると残雪が現れ、下に見える巡視路にもしっかり雪が残っているようだ。そんな中、巡視路出合あたりでバイカオウレンを見つけ、今日は春の花のオンパレードだと喜ぶ。ここまで来ると、あとひと登りで電波塔にたどりつく。

 電波塔のところで単独男性と出会う。彼はバスできて国境から赤坂山まで縦走するという。さっきから気になっていた国境スキー場にある多数の車のイベントはなんだったんですか?と尋ねると、何でもヤンキー車の集会だったそうで、それは今時奇得な方たちがいるもんだと感心する。

 その後、バス組と思われる単独女性、ピークで記念撮影の単独男性と出会う。我々は花を探し、ラーメンタイムを楽しむために乗鞍ピークからまだ北に向かうため、ピークを乗り越して降っていると、10名弱のグループに出会い道を譲ると、他に2グループが後から来るという。24名のグループをわざわざ3隊に分けて行動しているようで、これは山慣れたグループと感心する。

ヤンキーの車の集まりだとか オオバキスミレ

 少し進むと、第2隊がやってきて、同じく道を譲っていると、中の一人が驚いているので何かと思えば、昨年R学校を退職されたKさんだった。学校におられた時にはたいへんお世話になった方で、よくお話もし山に行かれることも知っていた、「桟敷ヶ岳にもう一回行ってみたい」とおっしゃっていたので、「どうぞどうぞ、いつでも御案内いたします」と言っていたのだが実現せず、こんなところでお会いするとは・・。あちらはグループ行動なので長話もできず、「三人までなら車も出しますので、また連絡して下さい」と別れる。相変わらずお元気そうで何より。

 うれしい再会後、ラーメンタイムをとるために、地形図P789のポイントを北に越した鉄塔手前の見晴らしの良い場所に着く。今日もここで北側の景色を楽しみながらのラーメンタイムとする。残念ながら今日は海は見えず、夕暮れ山の反射板が確認できるくらい。

 ここから岩籠山まで縦走できるはずだが、山の稜線はいいとして、降りてからの交通の便が悪いから、車1台じゃしんどいなぁ〜と考えてしまう。何と情けない。高島トレイルやった時には、黒河林道の土砂置き場から、赤坂〜乗鞍を往復したくらいなのに、たった数年のことで軟弱になってるなぁ〜。オヤジ殿を見習わなくては・・・。(見習ってはいけないところも多々あるが・・)。

 いつものようにJOEさんにノンアルコールビールをいただき、美味しく感じるが、先週の三重ヶ岳じゃ雪の中凍えていたのを思い出すと、一週でえらい違いやとなる。とても体がついていかない。

 ラーメンタイムを終え、来た道を戻る。「かわいい山ガールさんがいたら、ハーブティーの接待するんですが・・」と言っていた出会いもなく???電波塔に戻ってくる。

 法面の野草を観察するため、アスファルトの巡視路を降ることにする。ここの巡視路は5kmほどあるがアスファルトのこと、およそ1km10分のハイペースで降っていくのだが、JOEさんはハードディスクと呼ばれるその記憶力で、以前歩いた時にあった野草の場所を的確に当てられ、その恩恵を受ける。

巡視路には残雪 ニシキゴロモと
シロバナニシキゴロモ
ユキグニミツバツツジはまだつぼみ カンツバキが群生
白花カンツバキ ヤマエンゴサク

 ユキグニミツバツツジがまだ咲いていなくて残念でしたが、春の花はほぼ見ることができ、たいへん満足の一日となりました。いよいよ花ざかりの5月の連休に突入ですが、どこでどんな花に会えるでしょうか?楽しみですね。

 帰り道、わざわざ在原の集落を通って帰りました。以前の集落全体におよぶ火事の復旧はずいぶん進んでいて、安堵しました。


                           【 記: 小てつ 】