大御影山  (小てつ NO.86)


 
平池に色無し


平成27年8月2日(日) 晴れ     小てつ単独

コース:
平池登山口近く稲妻号デポ〜大見影山ビラテスト今津コース ピストン





 ここにきて連日の異常な暑さ、山行を自粛されている方もいらっしゃる中、とにもかくにも土曜日に仕事のキリがつき、どうにか山に行けるとなったものの、行き先未定、体調によっては山行自体未定の状態では、JOEさんとの連絡も取りようが無く、今週は独自路線になった。

 そうなれば、究極の「起きたところで勝負」の山行計画もたてられると言うことで、稲妻号に準備だけして寝床に入る。日中とはうって変わって涼しかったのか、夜中に起きることも無く、朝までぐっすりと眠れた。

 5時半に目覚め外の様子をうかがうと、あたりは霞がかかったようにぼやけていて、愛宕山まですらはっきりと見えないくらい。当初は鉄板愛宕の「岩ヶ谷〜猪ヶ谷周回コース」も頭に入れていたのだが、この天気では、「旦さん、今日は谷筋には風おまへんで〜」と言われているようなものなので、すぐに却下。

 尾根を歩けるような、また海に近く風の期待できるような、そもそも歩きはじめから標高の高いところ・・・と言うことで、「おにゅう峠から百里」は、おにゅう峠の道路状態が不明であり、それならば、「ビラテスト今津からの大見影」なら、涼しい歩きが出来るのではと、行ってみることにしました。

 いつもより相当早く、6時に自宅を出発。いつものコンビニに寄り、例によって出町柳経由で川端通りを北上するが、当たり前に出町柳に人影は無い。しかしながら、367号線曙橋のトイレ付近には、すでに登山者の姿もあり、暑くても早出早がけの御同輩はおられるようだ。

イワタバコ クサギ

 普通なら酒波からビラテスト今津にあがるのだが、ここは湖周道路の野草も楽しみだと、わざわざ石田川ダム側から進入する。湖周道路は落石が多く、ゆっくり走る。山登りでもなく、釣りでもなさそうな駐車車両が数台あり、こんなところをよく知ってるもんだと感心する。

 いつも河内谷川林道分岐の東屋のところを直進する。ここは以前、徒歩でビラテスト今津の平池まで歩いて帰ったところ、途中で暗くなり、ヘッドランプまで出して歩いて帰った思い出が蘇る。陽のあるときに見ると、結構な絶景ポイントだ。

 平池の大見影登山口付近に到着する。以前とは違って、池側にロープで囲いがしてあるが、いくらか広くなっているところに稲妻号をデポし、準備をして8時丁度に出発できた。

平池登山口付近にデポ 調子がいいのはサルトリイバラだけ

 車に取り付けてある温度計は25℃をしめしていて、やはり標高が高いだけあって涼しい。でも動いてないと涼しいのであって、アジサイに囲まれた登山道は、照り返しで暑く感じる。近江坂は掘れた登山道で、低木の茂る最初の45分間は苦行となる。

 登山道には、野草よりもおかしなキノコが出ていて、そちらの方が興味をひく。琵琶湖側の眺望が開けるようになると、いくらか風が通り、ブナ林が現れると涼しく、周りがアジサイになると暑いという、わかりやすい状況となる。今日は単独ということもあって、とにかくバテないようにと、ゆっくり登る。汗をかかないようにとはならないが、とにかく息がきれない程度のペースを守って時間をかけて登って行く。登って行くといっても、大見影山のビラテスト今津コースは、急坂も無ければ長い登りも無い。それこそ淡々と尾根をたどる。

ベルベットモンスター ヤマジノホトトギス

 よく思い出せば、このコースをたどるのは、山開きまもなくの雪の残った時以来で、あの時には、スノーシュー履きとは言え、よく見晴らし台まで行ったものだと感心する。途中で斜面から尾根に登ったところも、今見るとエライところだ。

 以前は枯れていた池に水が残り、その池に、もたれかかるように夏ツバキの木があった。数輪の花が咲いていて、夏ツバキの花は高木が多く、うまく写真に撮れないと思っていたが、これはラッキーだったが、木村先生がおっしゃっていたように、今年は一斉に咲くのでは無く、見ごたえが無い。

池に夏ツバキが

 登山道に一匹のマムシがいた。哲郎さんやJOEさんは、蛇が苦手とおっしゃるが、小てつは全然平気。またユッキー様は、博愛主義者で殺生はなさらないということだが、小てつはそんな高尚な主義は持ち合わせておらず、ここは後続の登山者の安全のためにと、ストックで駆除する。さすがに哲郎さんやJOEさんがおられる時なら、ストックで引っ掛けて遠くにほおり投げる程度だが、今日は単独なのでキッチリと仕事をして、なおかつ木の枝に引っ掛けておく。こうすれば、鳥が見つけて、子育て中のエサにするだろう。ある意味殺生ではなくなる。

 前方から熊鈴の音がしてきたので、登山道の脇によって対面の登山者を待っていると、数名の女子学生と、引率の先生と思われる男女のグループだった。もう大見影山ピークまで行ってきたのなら、そうとう早がけしないとできないだろうから、おそらくビラテスト今津泊で、早出したのかな?。

 先頭の子のTシャツに学校名らしきものが書かれてあったのだが、見落としてしまった。大きなザックを担いでいる子もいれば軽装な子もいて、引率の先生も半袖という・・。なんかバラバラ。まぁいろいろスタイルはありますから・・。

これは初めて見た
(残っているタマゴからチャタマゴダケ
か タマゴテングタケモドキ?かな:哲郎)
ノギラン
まだ旬のショウマ チゴユリが結実

 林道峠に9時45分着。林道を少し降って、水場まで行き休憩する。河内谷林道は、さぞや灼熱地獄だろうと思っていたが、林道から登ってくる風は涼やかで、谷が狭いので、太陽が差込みすぎず、熱がこもらないのか?それなら春同様に、ここまで林道歩きで来られるか?いやいやそれはアカンやろう〜と、一人で考えあぐねる。

 少しのつもりの休憩が以外に長くなり、ルートに戻ってトレイル道出会いに10時30分。ここからはブナ林ばかりになり、暑さとは無縁の快適な稜線歩きとなる。ピークには11時15分着。

 ピークは見晴らしも良くないので、いつもの海の見えるバイケイソウとシダの原っぱまで行って、ラーメンタイムをしようと反射板の北側まで行ってみると、春にはあんなにあったバイケイソウが全く見当たらなくなっていて驚く。

 日陰に陣取って、ラーメンタイムとする。ここは赤とんぼの避暑地となっているのか、久しぶりに大きな群れを見た。

 いつもよりも長い時間のラーメンタイムとなり、45分後の12時丁度にピークを後にする。

大見影山 ブナの中は涼しい

 前回の三重ヶ岳の時には、ギリギリの時期でエゾハルゼミの声が聞けたのだが、今日は電柱のトランスが壊れたようなジーッと長鳴きするセミが鳴くだけで面白くないし、時折、地面で休憩していたセミが、驚いて飛び立つ程度。昆虫採集で小学生時代を育ってきた小てつクラスになると、この地面で休憩しているようなセミなら、素手で捕まえられるので、一匹捕まえてみると、ツクツクボウシのメスだった。

 降りの登山道で、今度はこれまた高校生と見える男子が数名登ってくる。朝とは逆に(こんな時間から???)と思ってしまうが、今度は揃いのシャツに「佐賀工」の字が見えたので、引率の先生に「ワンゲルかなんかの活動ですか?」と聞くと、近くインターハイの競技があるそうだ。明日にはもっと各校集まってくるので、ここらは賑やかになりますとのことだった。

 しかし、こんな登山道のはっきりしたルートだと、どこで良否を判断するんやろか???まぁ登山を競技にすること自体に無理があるとは思うけど・・。

ハナニガナ タマゴどん
ミヤマカラスアゲハの羽根 ツクツクボウシ

 平坦な登山道とは言え、行きは行き、帰りは帰り、とばかりに、3時間少しかかった行きを、2時間で帰って来る。結局一般登山者と遭遇することは無く、ほぼ貸切となった大見影山でした。こんなこともあるんですね〜。

 帰り道、今日はゲリラ活動をしなくてもよく、事前に夕ご飯は餃子としていたから、岩倉王将により買って帰る。よっしゃ〜!。

 暑い時期、いろいろ作戦を練って決行した山歩き、大見影山ビラテストルートは、なかなか涼やかに歩けるルートでした。意外にも岩籠山の市橋ルートよりも花も見られ、満足の一日となりました。


                           【 記: 小てつ 】