桟敷ヶ岳〜城丹国境尾根(大谷峠まで)
(小てつ NO.71)

 
ケルンも埋まった桟敷ピーク


平成27年1月18日(日) 晴れ時々ガス  JOEさん、小てつ

コース:
大谷林道 大森キャンプ場奥、霧滝の前の広場にデポ〜長谷林道手前の支林道をつめる〜長谷林道に合流〜岩茸反射板〜都ながめ〜桟敷ピーク〜ナベクロ峠〜城丹国境尾根〜大谷峠〜大谷林道〜デポ地





 K先生に「北山に雪ないですよ〜」と言っていたのは1月9日の話で、仕事で行った大布施のあたりには、道にはもちろん山肌に雪は無く、とても残念な状況だった。しかし、それからずいぶんと降ったようで、今週はセンター試験で、山はお休みと言われる先生にかわって、北山の様子を見てこようと思っていたら、土曜日夜にJOEさんからメールが来て、何とJOEさんも今週は北山が狙いと言われる。では御一緒しましょうと即決で、行き先は小てつお得意の桟敷ヶ岳となりました。

 今朝は周山街道で行くと言うことで、待ち合わせは地下鉄天神川。小てつの自宅近くなので、ゆっくり準備をして万端に出たにも関わらず、途中でよったコンビニでザックの中を見てみると、何とバーナーを忘れているではないか・・。予備のボンベは持ってるくせに、肝心のバーナーがなくてはラーメンが炊けない。とって返して取りに戻り、JOEさんを数分待たしてしまう。

 待ち合わせ場所で合流し稲妻号で周山街道を北上するのだが、高雄の手前の日陰のコーナーで、やおらお尻を振るではないか。先週と同様に荷台の後ろの方に砂袋を4ヶ積んでトラクションをかけているにも関わらず、まして先週は結構積もっていた花折峠でも全くへっちゃらだったのに・・。見かけほとんど雪は無いが、やはり道路は凍結しているのだろう。それからは、やや速度を落として慎重に走る。

 小野郷から大森の村落までは一度除雪がされたようで、難なく進めるが、キャンプ場から奥は除雪もしていないだろうから、キャンプ場の駐車場に余裕があるようなら、置かせていただこうと思っていたら、今朝に一台先行車があったようで、轍が残っていた。それならと、いつもの霧滝の前の小広くなったところにデポしようと先へ進む。

 先行車は、おそらく猟師で、罠を見にこられたのだろうと勝手解釈して、用事が済んで戻ってこられて通れないといけないので、駐車場所を作るのに、稲妻号を行ったり来たりしてタイヤで雪を固めて場所を広げる。車一台分場所を作って、準備をして8時30分に出発できた。夏よりは30分遅い出発となる。

デポ地から見上げる こんなところを登ってくる変態二人

 今日の取り付きは、以前に岩茸反射板から林道伝いに降りてきて、最後の植林地のところで激降りを強いられた場所にある長谷林道の「支林道」をつめて、長谷林道に合流しようという、デポ地から最短で稜線に乗れるコース取りだ。

 デポ地から長谷林道ゲートの手前、最初の砂防堰堤の向こう側で川を渡って、大雨で崩壊した支林道に取り付く。この林道は、ちゃんとしていたときにでも、良く車が登れたなと思うくらいの急傾斜で、だからすぐに上に連れて行ってくれるのだが、何箇所も大きく崩れているので、初心者には危険コースだし、今日はかえって雪だから踏み込んだので、(どこでも歩ける)季節によっては雑草などで、とても入り込めないと思う。

 2回切り返して、谷を離れると林道だったとわかるくらいで、谷際を歩く時には踏み抜きなど気をつけないといけない悪路となる。ジャケツイバラのトラップにかかったり、悪戦苦闘の50分で、長谷林道の本道にワイヤーがぐるぐる巻きになったところに出る。しかし、薬師峠まわりより、夏道で30分稼げるし、今日の雪なら長谷林道を歩いてぐるぐるまわってくるより、かなり時間稼ぎになったと思う。何より、登山の最初にしんどいことをしておけば、今日のコースはのんびり尾根歩き・・稜線に乗ってしまえば、こっちのものだ。

 林道本道にあがったところでシューをはく。雪は先週の権現山とは少し違い、やや重い雪だ。ただ、ここも下雪が締まった状態では無く、下まで新雪だ。それでもシューの沈み込みは靴分やや深いくらい。

 普通、タンデムでこういった雪を歩くなら、当然どちらかが先行してトレースを作り、交代々して歩くものなのだろうが、この二人は変態なので、林道を並列になって、それぞれが新雪を踏んでいく。ソロが二人いるのと一緒。装備も別々だし、ただ行き先が一緒というだけのようだ。

 もう何回か歩いているので、複雑に分かれた林道分岐も、進路はお手のもの。迷わず稜線に出てくる。稜線では積もった雪がうねりを作っていて、そうとう風が強かったと思われた。

桟敷にモンスターはいない 雪の花

 稜線に出ると朝日がまぶしく、そのままではひなた目になってしまうので、サングラスをとザックを探ると、これまたサングラスを入れるのを忘れてきている。バーナーと言い、もうボケボケである。何しろ先週の権現で、使ったものは全部濡れてしまったので、出して乾かしたせいだ。仕方がないのでそのまま歩く。

 雪のうねりを超えながら、岩茸反射板脇を通り、桟敷の登山道に合流する。合流してすぐに、昨日のものと思われるツボ足の踏み跡がひとつ、ところどころに残っていた。そこから都ながめまで、青空に映える木枝にへばりついた雪を見上げて、雪の花のようで、きれいだきれいだと何枚も写真を撮る。陽に当てられるとすぐに溶けてしまうから、朝早くに登ってきたものへの御褒美だと、褒め合う。

 都ながめから比良方面を見ると、山並みは全く見えず、今日はこちらにして正解だったですねと喜ぶ。市内向きもあまり展望はない。

比良は雲の中 市内も雲の中(都ながめより)

 鉄塔広場の雪はカリカリと凍っている。桟敷ピークへの最後の登りのところも、雪が固くて登りやすい。ピークには10時40分に到着。ケルンが埋まるくらいの積雪。二人はザックを下ろすことも無く、ナベクロ方向に歩き出す。

 桟敷の北側は、やはり雪が増え、多いところで1mくらい。雪が深くなると、木枝が近くなると言うことで、夏道無視で、枝に引っかからないところを読んで進んで行く。それでも2、3度ザックと背中の間に雪が入り、ウエストベルトを外して背中の雪を落とすことになる。

雪の花咲く桟敷ピーク(鉄塔から) ラーメンピーク手前の鞍部を歩くころには陽がさし

 だんだんと深くなる雪を楽しみながら、ナベクロ峠、129鉄塔、132鉄塔と城丹国境尾根を進んで行く。桟敷ピークを過ぎたあたりから、ガスが出だして陽も陰っていたが、ラーメンピーク手前まで来ると、ガスが晴れてきて、我々がピークに着く頃には、晴れてくるんじゃないかと、流石ラッキーコンビと喜ぶ。

尾根の北側 尾根の南側

 ラーメンピークには、丁度12時に到着する。どこで店を広げようかと場所を探していると、JOEさんが前方から登山者が来ると言われる。城丹国境尾根で、ましてこんな雪の時期に、まさか登山者に出会うとは思わなかったが、男性二人連れの登山者が登ってこられた。

 お互いの変態具合を褒め合い、今日のコース取りなどうかがうと、大森は長谷林道ゲートのところに車をデポされて、大谷林道をつめて城丹国境尾根から桟敷ヶ岳、長谷林道でデポ地に戻ると言うことだった。我々も大谷林道の霧滝のところにデポしてきたことと、我々のコース取りなど話し、我々の先行車のことが気になって、「そちらが長谷林道まで入った時に、脇に軽トラがありましたか?」と聞くと、無かったと言われるので、先行車は猟師ではなく、この方達だったのかと思う。

 そこで、お二人のうちのお一人が、「軽トラ」に反応され、「もしかして、小てつさんですか・・?」と来た。何とokaoka clubの読者さんだった。「そうです」と答え、いつも駄文を読んでいただいているそうで、「こちらがJOEさんです。小てつは実在していて、ほんまに、こんなコースを変態歩きしてます」と言う。

 私らも、ここらでお昼にしますと言われるお二人と別れ、雪庇の影に場所を作ってラーメンタイムとする。今日は、珍しくJOEさんは「サッポロ一番味噌ラーメン」、今日は小てつが「カレーうどん」となる。

 先週と違って今日は暖かく、ラーメンタイムの最中に凍えることもない。30分もゆっくりしているとガスも晴れてきて、北山の山並みがスペクタクルに浮かんでくる。1000mに満たない低山でも、雪の時には、それなりの迫力があるもんだ。

ラーメンピークから飯森、対面反射ピーク

 ラーメンタイムを終え、自転車ピークへと降って登り返す。ここらあたりの雪が一番深いが、逆廻りのお二人は、お一人がプラカンジキをはいておられるものの、もうお一人はツボ足で、それじゃあ桟敷までは難しいんじゃないかと思ってしまう。無理ならピストンとおっしゃってもいたし、踏み跡は迷いなくルートをたどっているので、夏道での経験もあるようで、そんなに心配もいらないだろうと話す。ただ、我々はデポ地から3時間30分でラーメンピークにたどりついていて、お二人は似たような場所から逆廻りでこの時間なので、本当に桟敷まで行かれたら、デポ地には夕方になるなぁ〜と思ってしまう。

 順調に大谷峠までの稜線歩きを楽しむが、気温があがってきたのだろう、大谷峠から林道終点までの植林地の中では、時折枝から雪の爆弾が、ドスン、フスンと落下してくる。もう少し遅い時間なら、もっと頻繁に落ちてきて、直撃を受けていたかも知れなかったと話す。以前、洛西オヤジ殿が、直撃を受けて鞭打ちになったそうだ。かたまりになった雪は、結構破壊力があるものだ。

 登り降りの差は大きいと思うが、我々はラーメンピークから30分で大谷峠、デポ地には2時丁度、ラーメンピークから1時間30分で到達した。途中、長谷林道の分岐には、お二人の車と思われる一台の駐車があった。

 帰り支度を済ませ、帰路に着く。大森の町の道路に既に雪は無く、朝とは全く違う景色となっている。周山街道もスイスイで、無事地下鉄天神川まで戻ってくる。JOEさん、本日もお付き合い、ありがとうございました。

 先生、今週は北山にも結構雪ありましたよ〜!


                           【 記: 小てつ 】