城丹国境尾根+桟敷ヶ岳
2015.10.25
(小てつ NO.88)

 
桟敷ピーク


平成27年10月25日(日) 晴れ  小てつ単独

コース:
大森中町 稲妻号デポ〜大森西町〜茶呑峠〜二石仏〜パラグライダー基地〜天童山〜飯盛山〜桟敷ヶ岳〜岩茸反射板〜長谷林道〜大森東町〜デポ地





 絶好の天気予報の日曜日、先週哲郎さんが訪れられた桟敷ヶ岳ですが、桟敷の先の具合と、一週たった黄葉の色付き加減はどうだろうと、久しぶりに「時計回り」の城丹国境尾根と桟敷ヶ岳に行ってきました。

 朝方冷え込むと言うことで、霧の雲海も期待できるかと、いつもより早め6時30分に家を出る。周山街道を順調に走り大森中町に7時過ぎには到着し、用意をして7時20分に出発できた。

中町のデポ地を出発 トゲがあるのでアザミ

 霧が出ているようなら、東町に進み急いで鉄塔まであがらなければいけないのだが、今日は全くでていない。車道を折り返し、やや戻るように大森の西町の方へ進んで行く。まだ早朝で静かな村の中を通り、来るたびに整備されていくグランドゴルフ場を過ぎ林道ゲートまで来る。ゲートの柵に木札がくくられていて、「トレイルは荒れていますが通れます・・云々」と書かれている。何と手作り感いっぱいのトレイルだろうか・・。

西町の林道ゲート 木札の書き込み

 こちらの林道は京都一周トレイルの京北コースになっているので、所々に杭標識があり、林道の分岐にも迷わないように立ててある。ただ、こちらの林道は峠に近づくにつれて、だんだんと勾配がきつくなってくるという有難いことになっているので、訪れる方はどうかめげないでいただきたい。それでもデポ地からは45分で茶呑峠に到着できた。

 ここから北の急坂を登ればすぐ城丹尾根となるが、パラグライダー基地からの景色も眺めてみたいと思い、巻き道の方へと進んでいく。九輪草のお花畑は、いくぶん持ち直してきているが、それでも以前のような足の踏み場にも困るような状態にはほど遠い。

 植林地の中の、これぞ古道と思える道は、小てつのお気に入り。鳴堂の二石仏のところの林道合流手前には、建物の基礎跡と思われる石組みが残る。二石仏のところの看板には、二石仏のところに茶店があったとあるが、どう考えても、茶店は石組みのところにあったんだと思う。

茶呑峠 古道は林道と合流

 林道に合流する。二石仏は林道から竜ヶ坂方向に20歩ほど入ればあるので、是非のぞかれればと思います。古道は竜ヶ坂へと残っていて、古道好きは一度出向いて下さい。先へ進んで、林道と合流した地点には、祠があって木彫りの竜の置物が今でも残っているはずです。祠の方の林道を詰めていくと、天童山の北尾根直登ルートがあり、しんどい登りが大好きな直登マニアにはうってつけです。

 今日はそんな変態ルートには行かず林道を登っていき、パラグライダー基地に到着するんだが、基地のあたりはエライ強風になっているようで、登りきる手前でウインドブレーカーをはおる。基地に立ててある吹流しが真横に流れ、こんな強風ではフライトは無理だろう。数枚の展望写真を撮って尾根へと入っていく。

二石仏のところで分かれる パラグライダー基地

 京都一周トレイル京北コースが作られる前には、踏み跡なんかなくて、どこでも歩ける尾根だったのだが、何と今では踏み跡があるではないか・・。誰が歩くんやろ?と思っていたが、結構このコースも歩かれているんやと思ってしまう。

 ただ、城丹尾根の本コースと合流する手前の鞍部にあったトレイルの杭標識に、「天童山近道」なる表記があり、これには疑問を感じてしまう。だいたい予想はついて、目の前のピークを乗り越さず、植林地の中を巻いていく道があるんだろうが、ややこしい分かれ道を作るんじゃないと思う。杭標識をたてた市の産業観光局の人は、山のことはど素人だろうから、入れ知恵したガイドが当然いるはずだが、ガイドなら、こういうのは「道迷いの原因になる」ということがわからないのだろうか? ルートはできるだけ一本にさせるべきだ。

 でもって城丹尾根の本コースと合流すると、そこの杭標識には「100m先好展望」の表記があり、それは親切やんとなる。その通りで、少し行くと突き出た岩場があり、対面反射板から桟敷のあたりが見渡せる場所がある。当然愛宕のあたりから西側も見渡せる。パノラマ写真を撮って、元へ戻り先へと進む。

これはいらん 展望地より愛宕山

 もうこのあたりまで来る頃には、昨夜の酒も抜けてきて、天童山ピークへの最後の急坂も、なんぼのもんじゃいの勢いで登っていけるようになってくる。天童ピークには9時30分到着。

 静かで何もないピークは長居することも無く、先へと進む。5分で単面、またその後5分ほどで対面反射板を通過する。周山側から来ると対面反射板ピークへの登りは楽だ。

天童山ピーク 稜線ではすでに落葉

 さてここからが、城丹国境尾根の中で、一番もったいない降りと登り返しとなるところで、80mほどどんどん降っていき、鞍部から70m飯盛山ピークに登り返す。やっと登り返した飯盛ピークは、ここが山頂?というほど何もないところ。飯盛山という名前も、地形図にもガイドブックにも「飯森山」となっている。ただ、地元の方に聞くと、周山側から見える山容が盛飯のようだからと言うことで、「飯盛山」と言うそうだ。その証拠に、対面反射板のピークの方が高いのに、そっちには山名がついていない。

 飯盛ピークから、またもったいなくも降っていき、降った鞍部が大谷峠。反時計回りで城丹尾根にやってきても、最近はここで大森に帰ってしまっている。まぁ雪の時だから仕方無い。

 さて今日は何やら大谷峠の大森側からこれから進む尾根にかけて、白いビニールのリボンのようなものが木にくくられていて、それには「KMC」とマジック書きがされている。美山トレイルのテープほどの密度ではないけれど、それでもうんざりするくらい。「すぐ清掃!」と思ったが、この季節どこかの団体登山のマーキングかも?とそのままにした。でも、ここからが小てつお気に入りの城丹国境尾根スキップ街道なのに、誠に不愉快なことだ。それに、いくつかのテープの中には、添え書きみたいなのがしてあって、そのうちの一本には、「この森いいよね〜」だと・・。「いいと思うなら、テープなんぞ無粋なものをつけてまわるんじゃ無い」と突っ込むが、相手はいない。

飯盛山ピーク なんじゃこりゃ

 スキップ街道の北側の木々は、黄葉しているものの、今日の強風で黄色系の葉っぱは吹き飛ばされ、もうはだかんぼにされている。

 相変わらずテープは続き、悶々としながら尾根を進むと、次のコブが自転車ピークというところで、今度はビラがぶら下げてあり、その中に「テープは11月3日に責任を持って撤収します」とあり、責任者の名前と電話番号まで記されていた。それなら大丈夫だろうと安心する。が、今日の不愉快はどうしてくれるねん!だ。

 自転車ピークの自転車は、もう崩壊ギリギリ。相変わらず北からの強風が吹き、これでは向かいのラーメンピークでのんびり北山を眺めながらのラーメンタイムはとれそうに無い。まぁまだ時間も早いし、適当な場所で店を広げることにしようと、登りかえしたラーメンピークも後にする。

 それにしても、この白テープをつけた主は、よくこのコースを知っているのか、数メートルの誤差はあっても、ほぼ正確にテープをつけていっている。ややこしい標高830のコブの南側も、尾根に登ることなく植林地の中の道を進んでいる。ところが、129鉄塔のところで、テープはナベクロ峠には向かわず、祖父谷峠の方に進んでいたのだ。桟敷ヶ岳無視で何で城丹尾根?と思ってしまうが、それじゃあ山登りの者では無いなと感じる。

ラーメンピークの色付き具合

 結局なんだかんだで、途中で店を広げるところも無く、桟敷ピークまできてしまう。ピークでは男性二人連れが昼食中。二人はバスで来られ、祖父谷林道から鉄塔巡視路で登ってこられたそうだ。倒木でぐしゃぐしゃだったでしょう?と聞くと、やはり道がわかりにくかったとのことだった。しばし談笑し、お先にとピークを立とうとすると、丁度単独男性が登ってこられ、岩屋不動からの道で難儀して、2度ほど道を失ったと言われる。昔のイメージを持っておられる方なら、山道が妙に明るく開けてしまって逆に勘違いされるかも知れませんねと言うが、そうでもないらしい。

 三人共帰りは祖父谷峠に一旦行って、林道を戻ると言われ、先の道の様子を聞かれるので、テープはありませんが、踏み跡はあり、とにかく129鉄塔まで行き着いたら尾根に沿って東に向かえば祖父谷峠に着くこと、鉄塔からは今日は白いテープがありますと言う。ついでに桟敷ピークからの下降点を案内する。

 思わず長居になってしまったピークを後にし、まだ強く吹いている風を避けるため、すぐ南の鞍部で店を広げ、ラーメンタイムとする。今日のラーメンは、「サッポロ味噌ラーメン」。普通この時期なら、まだ「出前一丁」なんだが、最近「出前一丁」が変なマイナーチェンジをしてしまい味が変わってしまった。慣れ親しんだ懐かしい味だから良かったのに、別物になってしまったには、誠に残念で仕方無い。

ピンクがかったのがあった
(マツカゼソウ)
いぜん強風

 鞍部でも風に吹かれ、ラーメンが出来上がるまでに寒くなってきた。もうフリースでもザックに入れて来なければ・・。さっさと食べ終える。

 鉄塔広場で東西の写真を撮る。先週の哲郎さんの写真と比べてどうだろう。黄葉は進んでいるか?ただ、赤い葉っぱ系のも先端の葉っぱが縮れているようで、黄色の葉っぱは飛ばされて、今年は五色の錦絵とはいかないようだ。

 鉄塔から西側に鉄塔巡視路を激降りすれば長谷林道の終点に降りられるが、今日は後で大森東町を歩いて抜けなければならないので、ビューティー登山を心がけることにし、登山道を進むことにする。

先週とどうでしょう 先週の鉄塔です(哲郎)

 都眺めの岩を通り過ぎ、次の小鞍部で薬師峠からの登山道を左手に見て、岩茸山の反射板の林道の方に進む。林道なりに大森側にどんどん降って行く。最近雪の時に使うコースだ。ただ今日は崩れた林道を降りるのでは無く、そのまま長谷林道に合流するところまでたどってみようと思ったのだ。

 いつも登ってくるワイヤーが丸めて捨ててあるポイントを過ぎると、林道は一旦登りになるが、またすぐ降って予想の通り長谷林道と合流した。長谷林道の奥では、大規模な伐採が行われて、ジグザグに車道をつけて伐採したのだろう、このやり方は見たことないが、跡はどうするんだろうか?。

 林道歩いて何が楽しいと思うなかれ、雪の時期に安全に早く登れるのは林道という訳。そのルート確認、下調べでござる。

稜線のもみじはこんな調子 大伐採

 大谷林道に合流する。丁度単独男性登山者がおられ、林道から降りてきた小てつに不思議がられる。今日はどちらから?とたずねると、岩屋から薬師峠を乗り越してきて、あたりを散策していると言われる。こちらのことも聞かれるので、大森西町からぐるっと廻ってきましたと言うと驚かれるが、今の時間で降りてこられるのですからたいしたことはありませんと言う。今の時間からどこへ?と聞くと、「霧滝」を見に来たと言われるので、「霧滝」なら行きすぎてますと場所を教える。林道を少し降り、霧滝の入口をお教えするが、ずいぶん雨も降っていないし、滝になっているかどうか?それでも男性はせっかくだからと覗きに行かれた。

 男性と別れ先へ進む。大森キャンプ場は大盛況で、キャンプ場の駐車場は満車。子供の声、若者の声が谷間に響いている。キャンプ場を通り過ぎたところで、男性3名、女性1名のトレラン姿のグループとすれ違う。何と彼らはあの白いテープをつけていたグループだった。ちゃんと挨拶もしてきたが、おいおい城丹尾根でトレランかい!。

 デポ地に2時に到着。帰りの周山街道もまだ混んでいなくて、スイスイで帰れました。高雄のもみじはまだまだです。

キャンプ場は大賑わい デポ地に戻る

 帰宅してから調べますと、11月3日(祝)に、西賀茂のあたりから、大森キャンプ場をチェックポイントにした祖父谷峠や芹生峠、持越峠などをコースに含む、100人単位での大規模なトレランレースがあるようです。当日、そちら方面を計画されている方は、要チェックです。

http://kyotomountchop.skr.jp/6th-kyotomountchop/

 こんな大規模なトレランやるんやったら、広域林道でやったらいいのに・・、 使い道無くって困ってるんやし。それこそ美山町観光協会に掛け合えば、ホイホイ協力してくれるんと違うやろか???(ただし、研究林や演習林を勝手にコースにしたらあかんで〜!!!) 。


                           【 記: 小てつ 】