三重ヶ岳  
(小てつ NO.83)


 
三重ピーク


平成27年7月12日(日) くもりのち晴れ  JOEさん、小てつ

コース:
石田川ダム奥、ワサ谷登山口デポ〜高島トレイル稜線〜P674〜水谷分岐〜三重ヶ岳〜P960〜南尾根〜ダム湖畔道〜デポ地





 涼しかった木曜日までが嘘のように、やっぱり暑くなった祇園祭り前。花は無いし、ヒルは嫌だしで、ここは海風も期待できる北部の山に避暑にでもと考えていると、JOEさんからメールが入る。マインドルのソールが貼り換えから戻り、先週は慣らしということで比叡山に行かれたというので、今週こそはてっきり本気の堂満行きで、夏の比良はご勘弁な小てつは別行動と思っていたら、是非御一緒となり、今週もタンデムでとなる。

 そうなると待ち合わせはいつもの山科となり、東インターから161バイパスでひたすら北上する。今日は晴れ予報なのに比良の山々にはガスがかかり、バイパスは空いていて、1時間少しで石田川ダムに到着。奈良ナンバーの車がダムに先着で、我々は湖畔道路を少し入ったワサ谷登山口の路肩に稲妻号をデポし準備をして、8時30分に出発する。

ワサ谷にデポ 林道にネジバナ

 小てつおすすめのこのルート、JOEさんは初めて。しかし花の無い時期の登りは、心がけていてもペースが早くなり、先週までの気温の違いも相まって、汗は吹き出て、とてもしんどく感じる。いつもはあまり汗をかかないと言われるJOEさんも、かなり汗をかいたと言われる。途中で平坦なところもあり、息継ぎできるはずのこのルートでさえもこの有様、比良にしなくて良かった。

ツミか? 稜線に出る

 標高500mを超えると、時折風が抜けて気を取り直す。今日もまた珍しい高鳴きをする野鳥に出会う。逆光でシルエットしか写らなかったが、間違いなく猛禽類と思われた。途中2回の飲水休憩をとり、1時間20分かかって高島トレイルの稜線に出る。今日はこんなもんでしょ。JOEさんも踏破済みと言われる湖北武奈は今回パス。そのまま北へと向かう。

 稜線に出ればこちらのもので、期待通りに風が吹き、中央分水嶺の気持ちのいい歩きとなるのだが、もったいないことに標高800mの稜線出会いから150mも降ることになる。ただ降るにしても急傾斜のザレ道で、ここを登るよりかはよっぽどマシ。トレイルを北から踏破の人には、抜土の登り返しに負けないくらいのしんどいところになります。

ヤマボウシは実に P674より三重

 見晴らしのいいP674から三重の雄大な山容を眺め、三十三間山のゴルフ場のコースのような稜線を眺める。さあ今度は300mの登り返しとなる。

 雪の時なら簡単なんですけどねと言いながら、倒木を避けてそうなったのか、複雑に稜線をまたぎながら太尾の尾根をつめていく。時折ブナ林になり、木漏れ日の中風に吹かれれば、これ以上の至福は無いとなる。

心地良いブナの中を行く 山中の花はこれだけ

 以前、JOEさんに案内しそこなった池は、流石にここまであがってこられないのだろうイモリの姿は無く、モリアオガエルのオタマジャクシの天国になっていた。

モリアオガエルの天国の池 オオカメノキも実に

 汗をかく分、乳酸のたまりが早いのか、三重ピーク手前、小てつが前回残雪の時に引き返したP960の登りくらいで足が重くなってくる。でも三重ピークはもう少しということでがんばる。ピークには丁度12時に到着。

 ピーク手前で御夫婦と思われる男女が昼食休憩中、ダムに駐車の奈良ナンバーか?我々は、いつもの海の見えるラーメン場所へと移動する。

 高島トレイルのコースに200m戻り、北に向かって鞍部を降り、登り返せば小浜湾の見える場所があり、そこが我々の定番ラーメン場所。三重ヶ岳といい、大見影といい、定番のラーメン場所ができてしまうなんてどうなんやと思うくらい通ってます。

 小てつは、佐賀鶏塩マルタイ、JOEさんは夏の定番日清焼きそば。いつものノンアルコールビールの差し入れをいただきながら、小浜湾を眺めつつ、ゆったりとしたラーメンタイムをとる。

ラーメン場所より三十三間山の稜線と小浜湾

 プチ草原に、オレンジのタテハチョウが、求婚の舞いを4、5匹でせわしく繰り返している。シダばっかりで食草も無いと思うところで、何度も何度も集まり、上昇し、別れて戻り、ペアになり、せわしく離れて戻りと、夏のエネルギーを感じる。

 虫つながりで今日のお楽しみに、エゾハルゼミの合唱を聞くというのがあって、去年は結局聞けなかったのを、うまくいけばと期待していたのだ。やはりブナ林の中、あれを聞かなければ夏が来たとは実感出来ない。ここに来るまで、うっすらと聞こえていたのは、P960の南尾根からと予想していたから、このままあまり気温があがらなければ、期待できると期待した。実は、2週前には、それが聞きたくて、駒ヶ岳も候補に入れていたくらい。ラーメンセットを片付けて、いそいそとP960の分岐まで戻り高島トレイルのコースから離れてP960ピークへ向かう。

 春に来たときと同じに、周りにそれ以上高いところはないのを確かめて、コンパスを出し、地図の通りに真南に向かう。黄色いテープがあるのは承知だが、全くアテにはしていない二人。小てつは春の復習、JOEさんは未開のコースのインプットに集中する。

 小てつの記憶よりも多くあるように感じる黄色のテープは、雪のあるときに小てつがテープを追わず直線的に降りたことを物語る。今は木々が立ち上がりシャクナゲやユズリハのブッシュの中、テープを追うわけでなく、そこしか歩けない。ここは小てつの領域ではないので、清掃することも無く、尾根を降っていくが、腰から背丈ほどのユズリハの藪こぎに、葉っぱに反射してか、日射熱が暑いとなる。時折現れる植林地の中の方が、涼しく感じるくらい。

熊はぎ 歯型

 この尾根には、途中で何本かの熊はぎがあり、中の一本はまだ新しいものだった。熊はぎを、熊のマーキング行動と言う人もいるが、小てつの知り合いの熊研究者によると、杉の樹液はほのかに甘いらしく、餌の乏しい時に、わずかな甘味を求めて、舐めるためにやるそうだ。それが証拠か、ここの熊はぎ跡には歯型が残る。

 3km強の降りに、2時間かかってようやく湖畔道下の水音を聞くようになる。ここを降るときに最初から言っていた最後のつめの場所、P628からの最後のガケ、つめを間違うと、ガケの上で立ち往生となってしまう。ここだけは、テープを探してみる。テープは尾根の西側にあり、ここを降るとする。すぐに直進危険の看板がくくりつけられたトラロープの場所があり、親切にと思うが、←の方向に、道も踏み跡もテープも無くなっていて、どないやねんとなる。

ここまで親切 ガケの上に出る

 もう下の湖畔道も見えているが、コンクリートの護岸壁の上部で、どこが安全に降りられるかを検討する二人。橋側の方が、いくらかマシだろうと、植林の中をトラバースしていくと、消えていた踏み跡が現れ、それをたどることになる。結局そこが正解で、危険な場所はないまま、途中でテープは消えたまま、湖畔道路に降り立つ。

湖畔道に降り立つ 湖畔道の花

 湖畔道路脇の斜面の野草を探しつつ、デポ地に戻る。デポ地には、15時到着で、長尾の尾根を降るより、時間がかかってしまったことになる。でも、最後のつめ以外は、歩けるルートですねということになる。帰り支度をして帰路をとる。

デポ地に到着

 混んでいるのは予想していたが、コンビニによりましょうと161方向に向かう。帰りの161バイパスは、高島町市街くらいから混みはじめ、これでは白髭神社付近も真野もアカンだろうと、青柳北から朽木に向かい、帰りました。それが正解かどうか? 5時すぎには市役所前まで戻って来れました。

 いつもは帰りの車中で、ビールとノンアルコールビールで打ち上げの二人ですが、はじめてガリガリ君も追加となりました。急に暑くなって、体が順応していないからでしょう。皆さんも熱中症には十分に気をつけてください。