三重ヶ岳(界隈)

三重はまだ雪山


平成27年4月19日(日) 雨  小てつ単独

コース
ワサ谷登山口〜太尾〜三重ヶ岳南のP960〜八王子谷尾根〜デポ地





 毎年まだ残雪がある頃から河内谷に釣りに出かけ、情報ソースになってくれる小てつ近所のHさんが、今年はヒザを痛めてしまい釣りにも行けず、林道の情報が入らないので、自力で見てくるしかなくなり、雨予報でしたが行ってみることにしました。

 JOEさんにもお誘いをしていたのですが、前日になって御都合が悪くなられ、小てつ単独となりました。ので、いつものように7時に自宅を出発。先週同様に今出川通りから川端通り、大原に向かう。雨だというのに出町柳には数名がバス待ち。

 快調にR367を北上しR303に入り角川の集落に到着すると、町民総出で溝掃除の最中だった。田植えの準備がもう始まってるようだ。今がちょうど満開の桜が出迎えてくれる石田川ダムに到着し、特に通行止めの表示はないので、林道の様子を見にダム湖周路に入ってみる。

 ところがワサ谷の湖北武奈ヶ嶽登山口から300mほど進んだところで、倒木が道をふさぎ先へは進めない。仕方がないのでバックして登山口まで戻り、準備をしてワサ谷から取り付く。あわよくば湖周路から林道まで入り込み、ゲートまで・・などと、毎年この時期に思うが、毎年ダメだ。結局9時出発となる。

ワサ谷登山口にニュー稲妻号デポ イワウチワ

 前から書いてはいるが、このワサ谷の登山ルートは標高差500mあるのに楽に感じるルートである。それはおよそ100mごとくらいに平らなところが現れ、息継ぎができるからだ。ノトマタや本谷の登山道なんて登らされるのは、しんどくてかなわないと思う。

 標高650mくらいから、イワウチワがポツリポツリと咲き出して、イワウチワがあるところにはイワナシもあるのではと探していると、やはりここでも見つける。標高があがるにつれイワウチワはつぼみとなり、このルートのイワウチワは、まだあと2週は楽しめるだろう。稜線近くになると、今度はイワカガミになるのだが、こちらはまだ硬いつぼみ。カタクリも出だすが、まだ葉っぱだけで、探して2輪だけつぼみのものを見つけるくらい。

 稜線に出る少し手前800mくらいで雪渓状態となり、ジーパン刑事でお馴染み「なんじゃこりゃぁ」と叫ぶ。アイゼン持ってきてへんで・・。でもしまった雪は、アイゼンもいらず・・。でも去年の経験からあるとは思っていたが、ここまで残っているとは思わなかった。この先が思いやられる。稜線に登りつめ、武奈ヶ嶽には向かわず三重を目指す。

標高750mで残雪 カタクリはつぼみ

 ここからは150mほど降ることになり、たいへんもったいないことであり、また特に今日はガスがかかっていて景色も見えず、ただただもったいない限りだ。雨は小ぶりになってはきたが、その分風が強くなってきて、ザックカバーが吹き飛ばされた。ザックのハンドルのところにポーチを1回転くくってあったので、どこかに飛んでいくことはなかったが、今度はちゃんとウエストベルトのつけねのところも止めておく。

 いったん標高650mの鞍部まで降り、登り返すのだが、やけに今日はペースがあがらない。風にうたれてエンジンが暖まらないからか、2月3月と山行をサボっていたツケか・・、おまけに水谷別れあたりからはほとんど雪山となり、どこでも登れるようでも、視界20mほどのガスの中、逆に勾配の緩い広い尾根では進路を迷ってしまう。なかなか先へ進まない。

イワカガミは固いつぼみ 池は凍りつき

 それにしても時間がかかってしまい、三重ピークのずいぶん手前で12時となる。お腹も減ってきたし、ガスも晴れないなら、何もピークまで我慢することもないかと、手前の風のあたらないところでラーメンタイムとする。今日は、こんな天候と予想して、トラブルの少ない「チキンラーメン」。冷えた手を温めながら食す。

 食しながら25000分の1地形図と、高島トレイルマップを引っ張り出し、見比べてみる。当初はノトマタルートで降りて、河内谷の林道の様子まで見てくるつもりだったが、この雪と天候ではノトマタの降りはよろしくない。では長尾ではと考えるが、雪があれば時間がかかりすぎる。では、このまま三重の南にあるP950のピークから真南の尾根をたどれば一番早そうだと、後片付けをして、高島トレイルのルートを外れて登りにかかる。

 まわりに他にもっと高いところはないかを良く確かめて、コンパスを見て真南の尾根にのる。長尾や太尾に比べて細い尾根だが、その分進路に迷うようなことはない。驚いたことに黄色のテープがつけられている。どこでも歩くひとがいるもんだ。降りにかかって30分もしないうち、おもむろにガスが晴れてきて稜線がうかがえる。なんじゃこれやったら長尾の尾根でも良かったやんとなる。まあ今日は新しいルート開拓としよう。

 この尾根には大きなブナの木がないので迫力こそないが、タムシバの木があちこち咲いていて楽しませてくれる。何といっても、今年は???とどこでも残念になっているシャクナゲの群生地があって、ここは不思議にいくらか花芽をつけていることだった。

八王子尾根を降りているとガスが晴れ いくらか花芽が
八王子尾根では芽吹き うさぎさんが咲き始め
(オオカメノキ)

 長尾でもワサ谷でも、ここらは最後急坂となる。急坂といえど道さえ切ってあれば難儀はしないのだが、この尾根は最後の標高差200mというところでテープも途切れ、踏み跡も途絶えてしまった。もっと探せばあったのかもしれないが、もう下の川の流れの音も大きく聞こえるし、おまけに下は植林地である。「植林地は降りられる」というのが、我々okaoka clubの合言葉なので、その中の降りられるルートを探しながら降っていく。どうにか植林抱っこも、ロープ降りもしなくてすんだ。

 最後の最後の数メートル、コンクリートで固められた法面を降りるのに一番苦労したが、何とか湖周道路に降り立つ。もう3時をまわっている。今日は時間も体力も使った。

 デポ地まで帰る湖周路には、落石がいたるところにあり、どう見ても4輪車が通ったとは思えなかった。道路半分をふさぐ残雪のかたまりもあり、これでは普通の乗用車では、進入は当分無理と確かめる。連休の山行計画を練り直さなければいけない。

ダム湖道路に倒木

 ちょうど朝バックした倒木のある地点まで戻ってくると、一台の乗用車が突っ込んできたところだった。運転手が降りてくるので、先へ進むのは無理ですよと言う。中年男性の運転手と、老人男性の二人連れは親子と思われた。ビラテストまで抜けるつもりであったということだが、「通れへんなら、書いといてもらわんと困る。」と怒っていたが、生活道路じゃない道に、勝手に突っ込んできてるのだから、誰にも文句は言えないのだ。

 小てつが法面の野草の写真を撮ったりして、ブラブラ歩いているに関わらず、乗用車はバックが下手なのか、追いついてこれず、ついには運転手が降りてきて、Uターン出来る場所を歩いて探しにくる。(だいぶ先までできひんで・・)と思うが、黙っておいた。小てつなら、バックでも前進のローと変わらないスピードで走れるくらい得意なのだが、運転を買って出ることも当然ない。山ガールには優しい小てつは、一般中年男性には、すこぶる厳しく冷たいのだ。

イカリソウ キケマン
サンインシロガネソウ ネコノメソウ
エンレイソウ イワナシ

 着替えをすませ、帰り支度がととのってもまだ乗用車は帰ってこないが、大人の男性のこと、待ってることもないとダムをあとにする。保坂の信号待ちで遅くなることを嫁さんにメールして、R367を南下する。

 今日は腹減ったなぁ、こんな日はやっぱり餃子にビールやなぁ、でももう帰る頃には夕食も準備も出来てるやろうし、今から変更も怒られるやろうな〜。こうなったら、ゲリラ作戦で玉砕あるのみや!帰りの岩倉王将で、生餃子買って帰ったんねん・・・!。



 この時期高島トレイル登山道は、雪によっての倒木、残雪があり、とても時間通りには歩けません。余裕のあるルートを選択、エスケープのルートも考慮にいれて計画してください。また、倒木をまたいだり迂回したりと、普通の登山道を歩くだけではないことも多々ありますので、長袖長ズボンはもちろんのこと、できればスパッツや手袋の着用もおすすめします。


                           【 記:小てつ 】