八丁坂 |
八丁坂のお地蔵さん |
平成27年10月17日(土) 快晴 長岡山人
コース: 百井集落15:00−八丁坂・トンボユリ入口15:15−国道に下山15:50−小出石16:45 八丁坂は、百井集落と大原小出石を結ぶ古道である。中軸産業の薪炭を輸送するための道路であった。 トンボユリも同じ役割を果たした。(参照『北山の峠・上』金久昌業氏) 前者が元々の道だが、運搬効率を改善するため後者が作られた感じがする。歩く人はなく、荒廃していると思ったが、どっこい立派に生きていた。 百井から帰るとき、舗装道歩きが嫌な場合に使えるだろう。 時間の増加はわずかである。
小出石から舗装道を西に進んでいく。 北滝橋がトンボユリの入口である。 バス停から約1時間歩き、やや疲れた頃、右手に空き地があり、「百井90(電信92)」の電柱のあるところが取り付きである。 空き地の中央部にかすかな入口が認められ、これが古来の入口だが、そこは発見しにくい。
国道から右の山腹を見上げると、すぐ上に崩壊した小屋が発見できる。 兎月小屋の跡である。 古い北山地図なら小屋の表示があるが今はない。 そこに向かって登っていく。 小屋跡まで登ると、前述した場所から登ってくる古道が発見できる。全く問題なく歩ける古道である。植林管理のために保全されているのであろうか。
ジグザグに上がっていき、いったん東に山腹を巻き、尾根まで進む。 その先は尾根が平坦になり、わずかの間だが尾根を直進する。 その後再び、ジグザグを繰り返して尾根の急な部分を登る。 その先で尾根は緩やかになり、直進する。
その先で再び、尾根をジグザグに登る。 そして西に山腹を巻き、谷まで近づくと折り返して東の尾根まで巻いていく。 荷物運搬に使いやすい作道である。その後は峠まで、ゆったりと山腹を巻いて登っていく。 右手に大きな岩が見えると頂上は間近だ。 峠の空が見える。
峠にポンと飛び出る。 大きな樅の木の下に、擁かれるように、お地蔵さんがある。 花が供えてあるのは百井の方の信仰心であろうか。 峠が生きていることを感じる。 峠の右手にはトンボユリの立派な道がある。 左に上がると京都市埋蔵文化財研究所の倉庫群がある。 その西端を進むと左に舗装道があり、坂を登って進むと前ヶ畑峠からの国道に合流する。
百井はひなびた山村である。 山の仕事は少ないだろう。 かつては背後の膨大な山林からの薪炭を、大原と鞍馬に搬出した生産拠点で、さぞ栄えたであろう。 京都市街地に近い利点を生かした、山仕事で生計が立つ方法がないであろうか。「ひなびた」などと形容されることはさぞかし迷惑であろう。 勝手気ままな山歩き人の感傷でしかないのだから。
(注) この日は、皆子山南尾根を探索した。(報告済み) その帰りについでに八丁坂も調べようと決めた。 古道探索の長年の懸案課題であったが、ここ単独で計画を組めないからである。 トンボユリはかなり昔に何回も歩いているのに。 従って、写真は、下りながら、下から上を向いて撮っている。 それをわかりやすいように下から登ったように構成したものである。
【長岡山人 記】 |
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