高島トレイル(桜峠〜行者山〜若狭駒ヶ岳)

ブナの巨木が連なる尾根道


平成27年6月17日(水) 曇               長岡山人


コース:
近江今津バス発7:15−保坂バス停下車7:40−桜峠8:20−搦谷越登り口8:40−行者山10:15−横谷峠11:15−池原山分岐12:35−ろくろ橋下山口分岐13:20−若狭駒ヶ岳14:05−中小屋下山口14:40−木地山15:50−同バス発16:50





 小てつさんとJOEさんの紀行に教えられ、高島トレイルを歩いてきた。公共交通機関を利用しながら、なるべく長距離を一筆書きで歩けないか、チャレンジした。長い昼食時間を取らなければ十分可能であった。『中央分水嶺・高島トレイル 詳細マップ』は役立つ。

 時間に不安があったので、JR近江今津駅を朝一番に出るバスに乗り、保坂で降りて歩き始めた。国道367号は歩道がないので注意して歩かねばならない。(注1) 市の環境センターの対面に桜峠の登り口があった。ここも中央分水嶺である。

二の谷山への登り口、桜峠 別荘地の向こうに見える行者山

 その先で椋川への分岐を右折し、椋川サンテラス別荘地方向に左折、すぐ右側の尾根末端に登り口がある。尾根を忠実に登り、二つの送電線鉄塔を経て、P378で一息つく。その先の鞍部からは起伏が少ないまっすぐな尾根を登っていく。蛇谷ヶ峰、武奈ヶ岳、白倉岳が大きく見える。行者山三角点へは5分のピストンである。残念ながら展望はない。

登り口の案内板 三角点のある行者山山頂

 そこから小ピークのアップダウンが続き、横谷峠にいったん降りる。横谷峠からの登り口は降りた場所の左にあり、急登となる。湧き水があるが、量は少なく、期待しない方がよい。全行程に必要な水は担がなければならない。ここからの登りが本日の行程で一番きつかった。晴れていれば琵琶湖、伊吹山が見えるポイントもあったのだが。

横谷峠に降りてきた場所 西への登り口は水が流れる急な階段

 池原山分岐からは幅の広い尾根が始まる。ブナの巨木が多くなり、本日のハイライトである。駒ヶ池をぐるっと回ると、モリアオガエルが産卵の真っ最中であった。駒ヶ池から駒ヶ岳頂上までは定番の巡回コースになっているようで尾根道の荒れが気になる。

何本もあるブナの大木 二重山稜にできた駒ヶ池

 ろくろ橋下山路の分岐を過ぎると森林公園尾根分岐となる。前回は熊川からここに登ってきたのだ。駒ヶ越の河内谷方向の古道を探すのだがわからなかった。すぐに駒ヶ岳頂上である。梅雨の合間の曇天で霞んでおり、かすかに三重ヶ嶽が見える程度であった。

森林公園分岐にある三叉路標識 若狭駒ヶ岳山頂

駒ヶ岳から西の尾根を進んだ。ピークのすぐ西から小浜湾が見えるのだが、霞んでいて残念であった。そのかわりヤマボウシが花盛りであった。紅色のものもあり見事だった。時間の制約もあり、次の分岐から中小屋下山尾根(焼尾東西谷の中央稜)を降りた。もう一つ西の尾根まで足を伸ばし、池河内越の探索をしたかったのだが。

紅色のヤマボウシ 中小屋への下山路
 

中小屋への下山路はよく踏まれており、途中まで作業道が併走していた。分岐には標識もあり、迷うことはなかった。尾根下部の急登部分はジグザグ路が丁寧に作られ、高島トレイルの整備者の熱意がうかがえた。尾根末端で川を渡ると木地山はすぐである。

見かけより勾配は急である 木地山側から見た尾根取付口

 木地山バス停には発車時間の1時間前に着けた。トレイルマップの行程時間通りであった。2万5千地図で手のひら二つ分であり、「小てつ」セオリーは実証された。 全行程、ほぼ樹林下で、直射日光が遮られ、尾根越しの涼風に撫でられながら歩けた。春秋がベストだが、水さえ持てば夏でも楽しめるコースだ。

 初回の山域での単独行時は、行程に余裕を持たすため長い昼食は取らず、休憩時に分散しておにぎりを一個ずつ食べる歩き方をしている。加藤文太郎方式である。

 (注) 現地でわかったのだが、JR保坂のバス停の斜め向かい側に市営バスの今津西小学校前のバス停がある。ここを8:39に出て、桜峠を越え、椋川に入る市営バスがある。これを利用すれば、近江今津を1時間あとの8:15に出て8:35に下車するJRバスとぴったり乗り継げる。相互のバス停は別の場所であるので注意。国道をはずれるとフリー乗降区間となるので、搦谷越登り口の近くまで10分足らずで乗れる。ジャンボタクシータイプなので多人数の利用は不可能。市のホームページで最新情報を確認のこと。

                             【記: 長岡山人】