八ツ尾山・八木城山

東本梅から見た鯨の形をした八ツ尾山


平成27年8月8日(土) 晴              長岡山人


コース:
赤熊バス停下車8:40−大内神社9:10−楽音寺9:40−八ツ尾山10:30−P37612:45−神前峠14:05−八木城山15:10−JR八木16:10





 八ツ尾山は、亀岡市東本梅町と南丹市園部町の境にある465mの二等三角点の山である。そこから市の境界を東方に縦走し、八木町の城山に至り、JR八木駅に下山した。 JR亀岡駅前から京阪京都交通の八田線に乗り、赤熊で下車する。ここは半国山への登り口でもある。その逆方向に進み、国道372号を横切り、大内集落に入る。

堂々とした山容の八ツ尾山 亀岡三大杉のある大内神社

 杉の巨木がある大内神社に詣で、地理院地図の通りに楽音寺に登っていく。集落の出口の分岐に石柱があり、「右 寺道」と掘られている。お寺まではコンクリート舗装道である。お寺は白河天皇の病気祈願がされた古刹で、庫裏のすこし上に歴史を感じさせる本堂があった。お盆の前であり、集落総出でお寺の清掃をされていた。

楽音時庫裏 楽音寺本堂

 本堂から先は道がなくなる。地理院地図には園部町口司に抜ける峠道が破線で書いてあるが発見できなかった。やむをえず、谷沿いに踏み跡があったので登っていった。砥石を発掘した跡があった。稜線間際は傾斜が急になったので、歩きやすいところを選んで稜線に出た。稜線にははっきりとした踏み跡があり、道に近かった。

砥石発掘跡 尾根筋の道

 尾根を西に登ると、所々で半国山とその東南のコブが見えた。間もなく八ツ尾山頂上に着いた。残念ながら展望はない。頂上から西北方向に下る踏み跡があり、大内集落の一つ手前の谷から天上宮を経て登ることもできそうだ。ピストンが嫌な人はこの経路をたどるとよいが、僕は楽音寺を見たかったのであえてピストン経路を選んだ。

八ツ尾山三角点 おなじみの頂上プレート

 頂上から再び東に戻り、そのまま尾根を進んでいく。松と広葉雑木の混交する尾根である。所々に小ピークがあり、踏み跡はそのピークを南北に迂回してうまく付けられている。尾根筋には何カ所も砥石を掘った跡があった。また、古いビニール紐が付けられており、それが誘導してくれる。それと蜘蛛の巣払いの枝を持つことが必須である。(注)

ピークを巻く道 砥石を掘った跡

 378mピークから南に方向を転じ、いったん鞍部に下る。そこは東本梅町と八木町とを連絡する峠があった。そこから413mピークに向かって急坂をひと登りし、ピーク手前で方向を東に転じ、尾根道を進んでいく。すると亀岡市神前(こうざき)と八木町を結ぶ神前峠があった。神前は京都府内での産業組合(農協の前身組織)発祥の地である。

378mピーク三角点 「西 神前村」との表示

 城山の一つ西のピークには堀切地形があった。その先に、左の矢印と「城山」と記されたプレートがあった。しかし、右の方が地形的には高い。おかしな表示だと思い、高い方に進んだ。石垣の跡もあり、城跡の一部であった。道なりに進むと、「最高点350m」と記されたプレートがあった。そこは亀岡方面の展望に優れた場所であった。しかしここは出城であって、本丸跡ではなかった。

城山への誘導サイン 城山最高点の表示

 少しバックすると、矢印と「城山」と書かれたプレートがあり、山のピーク直下を巻いていく道があった。進んでいくと、西方向からのよい道と合流した。あっ、これが先ほどの指示した道であったのか。三角形の二辺を歩んだことになる。城山本丸跡はその先にあった。 城山本丸跡からの展望は抜群であった。亀岡盆地、八木市街地、南丹の取り囲む山々、正面には地蔵から愛宕への稜線が一望され、ここに城を建てた選択眼は確かであった。

城山本丸 亀岡老ノ坂方面の展望

 本丸跡から少し戻った地点に下山口があった。道は1合ごとに表示があってよく整備されており、ジグザグを切りながら下っていく。 京都縦貫道をくぐり、内藤ジョアンの碑、春日神社、八木西小学校の横を通ってJR八木駅に着いた。振り返り、振り返り、城山を見た。

城門を模した高架トンネル  八木駅付近からの城山

 丹波の低山であり、八木城山以外に展望地はない。三角点踏破とか市境尾根縦走とか、特定のテーマを持つ人だけが歩く道であった。「物好き」と書く方が直截的か。 なお、この尾根筋は松が多く、その手入れもされており、松茸シーズンは入れない。

歩行ルート略図

(注) 人の歩かない低いヤブ山は蜘蛛の巣が多い。落ちている木の枝で、先が放射状に広がっている軽いものを拾って整形する。1m程度のものがよい。それを前方にかざし、振りながら歩く。蜘蛛の巣を払ったときは、小声で「スマン」と詫びる。あまりに形がよい、手になじむ木の枝に出会えると、下山後も持って帰りたくなる。

                             【記: 長岡山人】