初心者オヤジ2015年 恒例の劔岳
マンネリ感は否めませんが
ご期待のドジもチャ〜ンと
やらかしてますので見てやって下さい。
親父の山歩き報告(NO.88-2)


今年もオヤジだけの劔岳となりました
岩にカメラを乗せて自動で撮りました


2015年5月21日(木)〜23日(土)     洛西オヤジ

▼5月21日(木)

アクセス
名神高速ー北陸道ー立山インター立山街道ー立山駅前(朝4時前出発ー8時半着)

コース:
▼5月21日(木) 一日目
立山駅ーケーブルー美女平ーバスー室堂ー雷鳥沢ー別山乗り越しー劔沢小屋ー宿泊

▼5月22日(金) 二日目
劔沢小屋ー劔沢ー長次郎出会いー長次郎谷ー熊の岩ー左又ー長次郎コルー長次郎頭ー劔岳山頂ーヨコバイー平蔵コルー平蔵谷ー劔沢ー劔沢小屋ー宿泊



▼5月23日(土) 三日目
劔沢小屋ー別山乗り越しー雷鳥沢ー室堂ーバスー美女平ーケーブルー立山駅
往路と同じコースで帰宅、途中善峰温泉立ち寄り





▼5月22日(金) 二日目

 2時過ぎに起床、昨日買ったおにぎり一個パン一個、一旦表に出て服装の判断、風冷たくもちろん氷点下でしょう、ウエザージャケット、パンツ着込み決定、ヘル着用、軍手はやめて、フリースグローブにウエザー用グローブ併用、アイゼン装着よし行くぞー、丁度3時、真っ暗な劔沢の斜面に突っ込みます。まだドジをやらかしているのに気がつかずヨタヨタ、ホイサ、ホイサ、、まだ満天の星空の下、自然気持ちがはやります。

 平蔵谷出合いを過ぎた頃なにやら胸騒ぎ、 「あーピッケルや、忘れたなあーいや違う無かった、そういえば昨日小屋に着いた時に無かった、昨日雷鳥荘でアイゼン履く時にはあった、リュックにぶら下げた、それが小屋に着いた時は、外した記憶が無いとゆうことは落としたなー」 完全にピッケルは、オヤジの頭から飛んでしまっていました。{どないすんねん、いつものドジとは訳が違うぞ}

 去年も長次郎のコルに飛び乗るのに相当使ったし、その後も長次郎の頭に取り付くのに使ったな〜、しかし今さら小屋に借りに戻るのも大変や、え〜いままよカーチャン天国地獄、山よりでっかい猪(シシ)は出ん。 {出たらどうすんねん} その時はその時や行かねばなるまい長次郎、{あ〜あしらんでー} 長次郎谷に入ってしばらくすると、ボチボチ明るくなってきます。富山で日の出4時30分ぐらいでしょうかね〜、よく判りませんが、なんにしても回りが薄っすらとでも見えるのはありがたいです。さあおなじみの熊の岩が前方に姿を見せて来ました、クソエライ登りのまあ目安といいますか励みにはなります。

お馴染みのショットになりますが
長次郎谷から後ろ立山連峰
朝焼けは去年の方が綺麗でしたが
まあ穏かな朝です
熊の岩、迫力あります
なるほどのネーミングです
オヤジは左又に進みます
傾斜がきつくなります
もう一枚熊の岩を載せます
この岩を見て満足
引き返す人がいるとの事ですが
存在感あります
長次郎のコルに飛び乗る手前の
亀裂です、今年の特徴ですが
あまり嬉しくないです
何とかクリアーできましたが
もう少し緩むとヤバイ感じでした

 熊の岩から左又へ、傾斜がきつくなります、右又のほうが緩やかに見えますがどうなんでしょう、ただし右又で稜線に出ると、長次郎頭に行くのに手前のピークを越えるのが積雪期は厳しいそうで、以前必ず左又で行くようにと友則さんに言われました。さあ息も絶え絶えになって来ましたが、コル直下の最後の急斜面です、怖いので後ろを見ないようにします。やはりピッケルがいります。

 どうすんべ〜ん〜そうやストックや! ストックを短くして積雪時用のリングを外して何とかならんかな〜、ドジはドジなりにいろいろ思いつくものです。早速ストックを最短にしてリングはずします。最初一本を雪面に差し込んだのですが、細い為イマイチで力が入れられないので、2本束ねて予備の靴紐で縛り、なんとかいい感じでいけそうです。ただその作業をしている時に、完全に夜が明け雪の反射がきつくなってきたので (以前オヤジは、雪目になってエライ目に遭いました) サングラスをかけていたのを外したところ、斜面をず〜〜〜〜〜と見えない所まで滑っていかれました。

 あ〜あ、ダーバンの高級な(¥670)サングラス、しかしおそらく人間もあれと同じ様に滑っていくのやろな〜、くわばらくわばら、まあまだ雪目になった方がマシです。何とかコルに飛び乗る直前に来ましたが、一難さって又一難、ものすごい亀裂が走っています、そういえば昨日小屋でガイドさんが、平蔵のコルの直下が亀裂が激しく難儀したとゆう話をされていました、やはり長次郎も同じです。はまってしまうと脱出するのに難儀するでしょうね〜、怖る怖る縁に足を掛けるとなんとカチンカチンに凍っています、踏ん張れます、いや〜助かります。

長次郎のコルから下を眺めます
いつものことながら恐ろしい
自分ながらよう登るわ
どうかしているぜ!
{人事みたいにゆうな}
今年は長次郎の頭も雪は少なく
去年雪屁や雪壁に悩まされたのを
思い出しますが
今回はほとんど岩稜登りでした

 やっとこさコルに飛び乗ることが出来ました。やれやれ正面の後ろ立山連峰が綺麗です。ちょうど6時半、去年よりは早くこられたようですが、いやまだこれからもうひと踏ん張り、あたまの上にそびえる長次郎の頭です。ただ去年よりはずいぶん積雪が少なく苦労した雪壁も小さく岩が露出しています、この状態だと岩場を登って頭にいけそうです。ピッケルを忘れたオヤジにはありがたいです。折角やし雪壁登りたいなどとゆう余裕はありません。岩場は岩場の緊張感がありますが去年の比ではありません。特に去年怖かった尾根筋の雪庇がなく、通常の登山道が見えているのには驚きました。

長次郎の頭から八峰上部です
オヤジなどがいけるところではないですが
ちょっと行きたい気もしますが
劔山頂に向かう稜線です
去年は全て雪に覆われていました
右の斜面に張り出していた雪屁を思い出します

 何とか今年も山頂に立てました。それにしてもこの時期、こんなに神社が姿を現しているのを見るのは初めてです。まあそれはともかく先ずは恒例のカーチャンに登頂報告、今年も少し山頂をウロウロしましたがつながりました。 「えらい早いね〜何時に出たん」 「はい3時です」 「気をつけて降りんとあかんでー」 「はい気をつけます」

 まあいつもの会話ですが、無事にこの会話が出来てやれやれです。天気はピーカン誰もいません、さあ写真を撮って、オヤジだけの劔岳やあ〜、あんまり調子に乗ったらアカンでー (結局出発から小屋に帰還するまで、誰にも逢いませんでした) 昨日のガイドさんの情報で、この先平蔵のコルまでは雪は無いと聞いていたのでアイゼン外して降ります。

カミナリで焼けて下ろされていたお社が
去年夏に再び上げられました
しかしこの時期こんなに
全部見るのは初めてです
劔岳山頂より富士遠望

 お馴染みヨコバイから平蔵のコルに降りて来ました。問題の亀裂はどうか、覗き込むと、うわ〜やはり相当なものです、長次郎では硬く凍結していたので助かりましたが、もう相当温度が上り縁に乗るのはキケンです。よく見るとタテバイの取り付き付近の辺りは、亀裂がマシなように見えます。もちろんアイゼン再装着して慎重に斜面に入ります、サイドの爪を利かしながら、それこそヘッピリ腰ヨコ歩き、焦らずしっかり踏み込みユックリ下ります。

毎度おなじみヨコバイのハシゴです
夏場は大停滞になるでしょう
これもおなじみになります、平蔵谷です
長次郎とは違う雄大さみたいなものを感じます

 どれぐらい降りたでしょうか、ようやく通常の体勢で降りられるようになりました、今年は去年怖かった融雪の流れも無く、何とか劔沢の出合いに到着、いつもは此処でユックリ食事ですが、10時前なので水分補給で小屋に向かいます。いつもの事ながら山頂から降りてきた後の劔沢の登りは応えます。足が重たいです。休み休み小屋を目指します。

 何とか11時過ぎに小屋に帰還、新平さんが 「どうしたん、引き返してきたん」 と心配そうに声をかけてくれました。 「いや予定どうり回って来ました」 「はやいね、何時に出たんですか」 「3時です、上も雪が少なくいつもより早く回れました」 やはり積雪の状態は相当歩く時間に影響があるみたいです。

 昼はまだ大したものが作れないとの事なので、お湯を貰ってカップラーメンと最後のオニギリ一個で昼食おいしかったです。無理すれば室堂に降りて今日中に帰れそうですが、ユックリ小屋で過して予定どうり明日下山します。

こちらは劔沢です。長次郎、平蔵
谷それぞれの表情があります
文部科学省登山研究所研修小屋も
オープンだとみえてえらい賑わいです

 ヘタクソ写真撮ったり、ご近所の文科省の研修小屋がオープンしていますねーなどと新平さんと話したりしていると、男性4人組みの到着、ガイドさん2人とその客が2人、なんと一人のガイドさんは昨日女性をサポートしておられたガイドさんでした、 「え〜ピストンですか」 「そうなんです、今朝昨日の女性を室堂まで送って、今日のお客さんと合流して上って来ました」 「忙しいんですね〜」 「たまにあります、別の山に移動するより楽なんです」 とのことです。

 今日のお客さんは、この夏にモンブランツアーに申し込まれている方たちで、一人は結構高齢の方で、もう一人は40歳代でしょうか、すごいですね〜モンブランですよ、モンブラン、お菓子と違いますよ {何あほな事ゆうてんねん} まあ参加前の審査を通過する為に、訓練登山に来られたみたいです。やはり近年事故が多く出発前の審査は厳しいみたいです。

夕景光のグラデーション

 夕食までの時間にハーネストの装着、アイゼンの説明などなどを講習されています。オヤジもそれとなくこっそり見学、ものすごく勉強になります。 (講習代払わんとあかんな〜) この日は珍しくもう一人単独の大阪から来られた男性、昨晩はみくりが池温泉に泊まり今朝から雄山、真砂、大汝、別山の稜線を歩いて来られたとか、もう今年喜寿になられるそうですがお元気です。この時期ガイドさんなしでの登山者は珍しいとゆうか、単独でとゆうのはあまり逢ったことは無いです。(まあ自分の事はおいといて)

 聞くともう10年近く通っておられるとの事で、やはり友則さんご夫妻に逢いに来られたみたいです、「明日山頂ですか」 と聞いたところ 「いや今晩、ビールを飲んで明日は下ります」 との事です。やはり稜線は雪が全く無くアイゼンなしで歩けたみたいですが、それにしても喜寿ですよ、喜寿、オヤジより10歳上ですよ、いや〜勇気づけられます。

 ところでちょっと堅苦しい話を (あ〜あ、やめとけー) (まあチョットだけ) 食後ガイドさんとお客の4人が食堂で話をされています。どうもツアー審査の通過をガイドさんは心配されているみたいです。どうも雷鳥沢で若い方の男性の足がとまったみたいで、本人曰くシャリバテとの事だそうですが、室堂から小屋までの歩きで、ガイドさんとして何かを感じられたのかどうかはわかりませんが、 「ガイドと来たのだから、必ず登頂できるとは決して思わないでください、あくまで登るのは個人の能力です、もちろんガイドは全力をあげてサポートします、がお客さんを背負って登る事は出来ません。ガイドはその時その時の状況の判断、危険の察知と回避、ガイドは安全弁だと思ってください」 いやあ〜名言です。思わず脱帽して 「わかりました!」 と言いかけました。あかんあかんアンタは部外者や、まあアイゼン講習といい、もう一晩小屋泊まりをしてよかったです。



                             【洛西オヤジ記】