武奈ヶ岳(御殿山コース)
小てつ(NO.93)

賑わう武奈ピーク


平成28年1月31日(日) 快晴     JOEさん、小てつ

コース:
葛川センター駐車場〜御殿山コース  *ピストン






 昨年もこの時期に(1月25日)二人で訪れた武奈ヶ岳、先週のナッチョからは真っ白に見えたが、週中に雨が降ってしまったので、雪の具合はどうでしょう?

 いつものように山科で待ち合わせ、今日はすいている161バイパスを北上。真野で降りて花折峠を越えるのだが、路肩にも雪が無い状態に驚く。トンネルを抜けると幾分雪は残るものの、毎年の景色では無い。

 朝一番の葛川センターの駐車場はまだガラガラ、それでも3組ほどの登山者が準備中。我々も準備をして8時に出発となる。橋を渡り、すばやくトイレをすませ、何とかトイレ前で出発ミーティング中の団体さんより前に歩き出せた。

 雪の無い三宝橋は初めてと昨年書いたが、それよりももっと雪の無い橋を渡って登山開始。植林地の中のつづら折れは、踏み固められた雪が凍っている感じで、上滑りする。JOEさんと小てつの靴は、岩場やガレ場には強いが、こんなようなスケートリンクのようなベタ氷には弱い。氷の層が薄くてアイゼンをつける状況でも無く、こんな時にはスベランゾーが一番なのだが・・・、いつもよりバランスをとる方に体力を使わされる。

 それでも先のグループに追いつき、先を譲ってもらうと、「小てつさん?」と声がかかる。男2人女性1人の三人グループは、先日寒風山で御一緒した御夫婦を含むグループだった。またどこかの山でとお別れしたが、なんとも早い、うれしい再会となった。紀行文も読んでいただいたそうで、ありがたい。今日はお連れもいらっしゃるので、じゃあまた上でと先行させていただく。

今年も雪のない三宝橋 レスキューP御殿山2のあたり

 標高700mの休憩ポイントで団体さんが休憩中、我々も飲水だけして先に行かせてもらう。レスキューポイント御殿山2を越えたあたりで、まだ大丈夫だけれどもアイゼンをつけておきましょうかと相談し、登山アイテム大好きな二人は、早々につけることにする。今日はいらんでしょうと言いながらシューもヒップソリも担いできているんだから自笑する。

 登山道脇でアイゼンをつけていると、御夫婦が我々を見て、自分達もアイゼンをつけようと奥さんが言われるが、旦那さんは自分はまだ無しで頑張ると返される。それを聞いた奥さんが三倍にして返される。「また休んでアイゼンつけるのを待ってる間に体が冷えるのが嫌なの、一緒につけて。」旦那さんは観念してつけることにされるが、ザックをおろさず奥さんにザックからアイゼンをとってくれとせがまれる。ボロカスいいながらでも奥さんはアイゼンをとってあげられるのだが、ポイと雪にほおられるものだから、「ほおらんでいいやろ」とぼやきながら旦那さんがひらってつけだす。一連のことを愕然としながら見る恐妻家の我々二人は、(うちでこんな会話、行動ありえへん・・)とお互い思ってしまう。まあいろんな夫婦がいるもんだ。

毎年の雪庇ポイントも それでも樹氷が

 アイゼンをつけると安定し、ラフに雪を踏んでいける。900mの展望地まで一気に登る。今日は快晴で、少々冷え込んでいるため視界が良い。西側の展望を楽しんでいると不意に小てつの電話が鳴り、どうでもいい相手なら出なかったのだが、そういう訳もいかない相手だったのでつい出ると、またこれがややこしい内容だったので時間がかかり、たいそうJOEさんを待たせてしまう。そればかりか、かなり下のほうで先行させていただいた寒風山の御夫婦の三人グループにも追い抜かれてしまう。すっかり体が冷えてしまったそうで、すみません。

 御殿山に10時到着。ピークで行動食休憩されると言われる三人グループにまた先行させていただき、ワサビ峠に降りていく。峠の標識が全部見えているのを初めて見た。というか、今日はほぼ夏道で歩いてきていて、いつもの冬とは全く違うルートで歩いてきているので印象が違う。西南稜にも雪庇は無く、残念な感じ。それでも尾根の西側の木々には氷がついていてきれいだ。稜線で3℃くらい、今日は風も無く、景色も良くこんな冬の武奈は初めて。

ごま塩武奈

 武奈ピークに11時。すでにたくさんの登山者でにぎわっている。我々も珍しく展望のある北向きに陣取って、ラーメンタイムとする。JOEさんに、いつものノンアルコールビールをいただき、ゆっくり過ごす。次から次と登山者が到着し、皆さん雪待ちだったのだろう。それに人気の山だ。しかし、今日初めて武奈に来た人がいたら、もうはまってしまうやろなぁ〜と思える景色だ。

 40分近くゆっくりし、ピークを立つことにする。JOEさんがピーク写真撮影を頼まれたついでに、珍しく自分も交代で撮ってもらっている。近くで若者が白山はどこだと探しているが、今日は見えない。白山は厳冬期には見えることが少なく、初冬の方が見えることがあると、昨年の暮れにK先生達と三重ヶ嶽から見た小てつは話す。

ワサビ峠の標識が根元まで見える 西南稜の雪庇ポイントも

 ピークを少し降りたところで、コヤマノ岳分岐のあたりに、黄色いザックを担いだ人がブルーのザックを担いだ人の写真を撮っているのが見え、もしやK先生達ではないか?とJOEさんに言い、少しピークで待ってましょうよと言うことで、ストックを振って「お〜い、お〜い」と声をかける。ところが、近づいてくるブルーのザックの人は、ややおおがらで、どうやら男性のようだし、黄色いザックの人は、どうやら若者のようだった。完全に人違い。さっきは思いっきりストック振り回していたくせに、おとなしく彼らとすれ違っていく。分岐まできて、でも今日は、先生達は武奈のような気がすると、そっちの方をうかがって見るが、それらしき人影は見えない。

 御殿山への登り返しで、木々についた水滴が太陽に照らされて、キラキラとブルーやオレンジに光り、たいそうきれいだとなる。写真に撮るが、写らなかったのが残念。御殿山ピークで、アイゼンほおり投げ御夫婦が食事中、武奈ピークでもひと暴れされていたが、あっちではゆっくりされなかったんだ。

 御殿山ピークを乗り越したあたりで、登山道脇の斜面が広大に掘り起こされている。猪の仕業。行きには気がつかなかったので、ほんの2時間ほどのあいだの出来事と思われたが、大勢の人が歩いていたはずの今日の御殿山コースのほんの脇で、猪は人を恐れないのか?

登山道脇を猪がほじくる

 見晴らし台で、名残惜しい展望を眺め、植林地を降って行く。もう1時をまわっているというのに、まだ登ってくる登山者がいる。彼らはいったい何時からスタートしているんだ?どこまで行くつもりなんだろう?まあ人それぞれだが、冬の山は遭難と直結するんで、早出早降りを心がけてもらいたいもんだ。

 心配していた植林地の登山道の降りは、氷がシャーベット状になっていて、登りほど気を使わなくてもよかった、葛川センターに2時丁度に到着。帰り支度をして帰路につく。時間も早いことから161バイパスの真野の渋滞にもあわずスイスイで帰れる。

 雪がないのは残念なかぎりでしたが、抜群の絶景を楽しむことができました。偶然の再会や、新たな出会いがあり、山に行くとやはり何かありますね〜。

                             【 記:小てつ 】