品谷古道を品谷峠へ
(品谷古道で大収穫,谷道以外に高巻き道もあった。)

木の葉繁る品谷峠


2017年6月17日(土) うす曇りのち晴れ  森の旅人M

コース:
佐々里釜ヶ原~谷分岐(P486)~峠下谷分岐~品谷峠下~品谷峠~品谷峠下~高巻き道分岐~杉の根張り出し~品谷高巻き道分岐~佐々里釜ヶ原





 気になっていた山行文があった,長岡山人さんが2015年6月に行かれた品谷峠(品谷側古道)である。文面を見ると品谷峠から北へ下り品谷までの古道が綴られていた。古い国土地理院の地図には品谷から間違った品谷峠へ点線で記されているが今は消えてなくなっている。正に古道である。今回は品谷から品谷峠への道を完結させようと佐々里釜ヶ原に向かいました。実は5月に品谷に入ったのですが目に入ったテープ頼りに谷の奥に入り過ぎ,品谷峠への道を見つけることが出来なかった。今回はリベンジとなる。

 品谷への分岐した林道脇に駐車して準備します。5月にヒルを見ているのでシューズにヒル除けスプレーをたっぷりかけて出発です。坂道を上り右に折れると品谷を左に見る。堰堤があり林道はここまでで品谷に入谷します。早速ピンクテープを見る,こんな谷にも入る人がいるんだと思った。苔むした小石群と木々のため鬱蒼とした谷になっています。倒木が多く道を塞ぐ,カツラの大木がありここで右岸に渡渉。少し歩いて浅瀬で左岸に戻る。倒木が丁度十字になっている。

品谷への林道を登る 堰堤
ピンクのテープ 鬱蒼とした品谷
カツラの木で右岸へ 十字倒木

 この先がP486の谷分岐である,ピンクテープは谷を進んでいるが,薄い高巻き道を見つけて谷から離れる。高巻き道からP486の谷分岐を10m下に見る。高巻き道にも倒木が多く越して行くのに手間が掛かる。太い倒木では崖の上部に迂回して進む。谷を見下ろすとピンクテープが見える。右手に変形倒木を見て一旦谷に下りる。谷は倒木が密集しており通過しにくい。

P486の谷分岐 高巻き道にも倒木が
高巻き道 谷の倒木を越えて

 右手にナメ滝を見て,再び高巻き道を取るが薄いので分からないかもしれない。先に進むとピンクテープが現れる,先人も高巻き道を歩いたようだ。

 高巻き道の高度は520m辺りで緩くアップダウンしている。谷に下りて再び右岸へ渡る。右手から細谷が入り込む。ここではすぐに左岸に戻る。カラ梅雨で谷川の水量は少ない。三度目の高巻き道に入る。倒木も相変わらず多く道を塞いでいる,ここでは下側に迂回して古道に戻る。倒木多数で前進できず谷に下りて上流に進む。ようやく品谷峠直下の谷分岐に到着しました。

ナメ滝を見て高巻き道へ 峠への谷分岐

 5月に来たときはピンクテープが谷の奥に進むように付けられており,つられて谷奥に入ったがミス,さすがにおかしいと結局諦めて品谷峠への取付き道が分からないままリタイヤすることになった。

 今日は慎重に谷合流点から本流側の谷に入る,ここでも倒木の密集と小石の岩場で歩きにくい。超えて古道行くとスギの木にピンクテープが巻いてある。このテープは前回も確認済みだ。少し歩くと古道脇に倒木の枝にピンクテープが巻いてある。前回は気がつかなかった。

ピンクテープはこの先にも続いている 古道脇にピンクテープを巻いた枝がある
ピンクテープの巻いた枝から振り返る 品谷峠への古道

 ピンクテープの巻いてある枝をわずかに谷上流に進み,振り返り下流を見ると,左手法面に薄いが道があるような気がする。上がって行くと間違いなく古道と思われる道を見つけた。

 古道を2回折り返すと支尾根を左に回り込み,右手に谷を見て緩やかな坂道を進む。所々道が削られて細くなっている。峠直下の谷に着くと2本のカツラの木がある。周辺がスギ林で薄暗いがここだけ陽が当たり明るい。ここから古道は,消えた状態だがよく見ていると南西に薄い道があるので行く。折り返して3本杉の前を通過,続いて一本杉,大石の前を通る。そのまま倒木の前で折り返す。長い倒木があり超えて,折り返しでまた先ほどの倒木を超える,少しづつ高度を上げる。古道は次の折り返しまでが限界。後は苔むした小石群で不明となる。この上を見ると雑木がある,避けて小石群を直登する。目を凝らしながら上を見ていると古道らしい道が現れそのまま折り返して上って行くことができた。

峠下のカツラの木 苔むした小石群を登る

 思ったより上部の古道はしっかりしており,折り返し道が続く。最後の折り返しは杉の木でターン,品谷峠へは長く緩い坂を上って行く。ようやく見慣れた品谷峠に辿り着いた。

品谷峠へ 高巻き道がはっきりしてくる

 天気も晴れて青空の下,明るい品谷峠があった。西風が吹いて気持ち良い,さわやかである。昼食を峠で摂る。その間に登山者が来るのか気になったが誰にも会わない。昼食後は,ヒルに会うのが嫌なので西のP827から尾根を下ろうかと思ったが,さほどの峠下の690m付近で西方向に薄い道があったので,探索兼ねて行くことにした。

 品谷峠を後にして峠下に戻るため北側を下って行く。下りは早い杉の木で折り返し倒木杉の枝の間を通過,次のカツラの木と大きなへこみのある場所で折り返し。次も同じくおおきなへこみのある場所で折り返す。4回目は杉の木で折り返し,もう一回折り返すと道は不明確となり小石群を下る。690m付近で左の尾根に沿って進むと薄いが古道?が目に入る。行けるところまで進もうと歩き出す。支尾根を左に回り込み緩く下って高巻き道は先に続く。なんとピンクテープがここにも現れる,テープを見てこの先も行けそうな気がしてくる。どこに出るのだろう。平坦路となって谷より歩きやすいが,細谷の通過と倒木も多く楽ではない。

高巻き道にもピンクテープ 杉の根の張り出し

 左手にアシュウスギを見る頃,杉の根の張り出し脇を通過。ハエが多くまとわりつくようになる。短い折り返し道になるが調子よくそのまま下れば古道から外れるので注意のいる場所だ。この後は緩い下り坂と細谷の通過,短い折り返しで高度を下げるパターンの繰り返しが続く,やがて620m辺りから谷川のせせらぎが聞こえる。途中にもピンクテープが目印となりました。一度折り返し道が分からず直進してしまい元に戻ることがあり注意が必要でした。

高巻き道は続く 緩い下り坂

 最後は短い折り返しが10数回連続し,一気に下り朝歩いた品谷古道に降り立ちました。往路は分からなかったが降り立ってよく見ると高巻き道分岐になっていることが分かった。

短く折り返し下る 品谷の高巻き道分岐

 谷の入り口は鬱蒼とした状況でしたが,古道は残っていました。しかし,倒木が多く決して歩きやすい道ではありません。谷の高巻き道も倒木多く,踏み跡薄く分かりにくいです。山腹の高巻き道は思いの外はっきり残っていますが,折り返しの下りは落葉で隠れているので道を外しやすい状態になっています。

 今回はヒルには会いませんでしたが,その代わりに足の生傷はいつもより多かったです。無事山行を終えてひと安心,感謝,感謝です。


                           【 記: 森の旅人M】