アニメ「響けユーフォニアム」ロケ地の大吉山(仏徳山)に行きました。


 
献花があった  大吉山(仏徳山)展望台


2019.8.12 (月) 36℃  晴  ikomochi




 連日の38℃越え、窓を開けると熱風が部屋に逆流してくる。遠くの山に行きたいけれど、無理はしんとこ。12日朝から台風の影響で曇り空に風も吹いている。この間行きたいと思っていた大吉山へ向かった。

黄檗鉄塔群 鉄塔群

 京都アニメーションの大惨事から今週で1カ月になろうとしている。大吉山は京都アニメの「響けユーフォニアム」という作品の舞台として度々登場する。作品をたくさん見てはいないが、「響けユーフォニアム」はNHKで放映されて、ファンになった。子どもがブラスバンド部員だったことやわたしも合唱部で青春を送ったこともあり、描かれた若者像に共感し、細やかな筋運びと繊細な画に魅かれた。

緑陰の道 大吉山登り口

 そしてわたしを引き付けたのは、何気ない風景が描かれたワンシーンだ。この15年近く探し続けている宇治から上醍醐への古道、古地図でみるとこれだろうなという道が今も残っている。京滋バイパスや羽戸山団地の建設でつぶされてはいるが、かろうじて五雲峰山頂に通じている道がある。

 アニメの中で、山頂から支尾根にずらりと並ぶ鉄塔群が、夕陽の落ちた西山を背景にとても美しく描かれているのをみて、こんな何気ない風景をすくい上げた京都アニメの感性にすっかり魅了された。

大吉山登山道 大阪方面を望む

 7月18日10時過ぎ、空がうるさい。バタバタバタ、ドッドド、重低音が響く。また宇治川で遭難者が出て、救命ヘリが出動しているのかなあ と空を見上げたら、1機が2機、どんどん増えて8機くらいがぶつかり合うように飛び回っている。

 どうも1点を旋回しているようで、宇治川の方向ではない。一体なにごと?サイレン音もなにも聞こえなかったからとても不安になっていると、近所の人が六地蔵で火事だと宅配業者が教えてくれたという。それにしてはえらい騒然としているなあ。

ファンの寄せ書き 仏徳山三角点

 うろうろしていると、遠くの方に白煙が見えた。外に出てきた人たちと心配していると、ネットに京都アニメーションがえらいことになっていると出ている!と教えてくれる人が。

 それからはすべてのニュースで、あの大惨事が報道されて。夜外出した際に、京阪六地蔵を通ったら、煌々とライトで照らし出された京都アニメーションの建物ではまだ救助活動が続いていた。

琴坂 発電所疎水

 とてもショックな出来事だった。翌日もその翌日も午前中になるとヘリコプターが飛び回り、気持ちが落ち着かなかった。

 京都アニメーションの創業当時、近くを通ると、クーラーのない古家の中ではランニングシャツ1枚で机に向かって作業している若者たちの姿を見ることができた。みんな一生懸命手を動かしていた。次第に知名度があがり、立派な社屋ができ、よい作品を次々と世に出すようになり、みんなが応援する企業に成長した。

夜汽車が印象的だった宇治橋 宇治川河畔

 事件後、ガソリンを撒くぞと展覧会を中止に追い込んだ脅しがまかり通る世の中になってしまった。亡くなった方々の冥福を祈る。今も病床にある方々の回復を祈る。鉄塔群や大吉山、宇治川河畔を巡って、静かに祈りをささげた。

宇治神社 手水舎の兎

                     【 記:ikomochi 】