大文字山 熊山へ |
大文字山火床を望む |
2019.1.14(月) 晴 10℃ Ikomochi
コース: ・銀閣寺バス停11:15~大文字登山道下の水飲み場11:30~尾根11:55~中尾城址12:00~12:05休憩12:20~中尾の滝12:45~幻の滝13:05~出合坂13:15~東の谷へ~熊山登り口13:25~熊山山頂13:30~支尾根を下り13:45~熊山山頂へ14:00~小熊山分岐14:08~谷を渡り~西の尾根に乗る14:20~分岐を下り~中尾の滝14:40~中尾城址の堀切を下る14:50~表登山道入り口15:10~銀閣寺バス停へ 前回、出合坂にたどり着けたので、気をよくしてさらに北の谷を探索し、熊山まで足を延ばしました。 ---------------------------------------------------------------- 13日okaokaclubの懇親会でみなさんの元気な山行きの話で盛り上がり、わたしもそれまで3日間風邪で寝込んでいたのがパーッと晴れて、そうだやっぱり山に行こ!と、ザックを担いだのでした。行き先はすっかりはまっている大文字山北の谷です。 先週、大文字登山口でお会いした同じように地下足袋姿のおじさんが、「今日はここから登るわ」と行かれた下の水場。そうなんや ここから登れるんやな、そういえば地形図の破線の道はここやなあ というわけで、水場の左側から登って道を探すも林の中に入るのか、それともそのままよじ登るのか、踏み跡もあちこちあるので、そのまま水場の上部によじ登って行くことにした。 ピンクのテープは山仕事の目印か、水場の上手から踏み跡もあるし。まあいいや、と獣道のようなところをよじ登り尾根の上に出た。ここもご多聞にもれず一面の倒木で覆いつくされている。でも山道は歩きやすいように大木が切断されていてはっきりと分かり、迷うことはない。
尾根の上の道をずんずん進み、ロープが張ってある階段状の道をよじ登ると中尾城址の平らな場所に出た。そのまま進み、12:00を回ったので広場で昼食休憩、周囲は大木がすっかり切り倒されているので暖かい日がさんさんと降り注ぎ、気持ち良い。 中尾城址には土塁や堀切やとかつての山城の遺構が残っているそうだが調べていないのでどれがどれやら分からないが、この土のでこぼこはなぜなんや とか不思議な地形があちこちにある。
休憩を終え、山頂から下っていくとすぐに掘り込んだ道の分岐がある。これはなんやろ?後で調べよう。そのまま尾根を巻いて等高線状をくねくね曲がる道を進み、最後は中尾の滝のある谷へ下った。女性が一人、一生懸命谷から尾根の斜面をのぞきこんでいるなあと思ったら、そのまま傾斜地に登っていった。ここらは緩い斜面なので、登ったり下ったりどこからでもできそうだ。
私は中尾の滝から幻の滝へと、谷筋をさかのぼっていく。狭い谷間を抜けると目の前の景色が開け、木々が三々五々と立ち並ぶ静かな源頭部に出た。堆積した落ち葉を見るに、青葉や紅葉の時期、この谷間は美しいことだろう。
有名な幻の滝は、今日も水はなく。大雨の後に来たらほんまに滝が現れるんやろうか?見たという記録は探してもないなあ。 出合坂に上っていく途中で、地図を片手の女性とすれ違う。「あのう 幻の滝はこっちでよかったでしょうか?」「あっ もうすぐそこですよ」。女性は、人に連れてきてもらったけれど場所を確認したいので探しに来た とのことでした。こうやって自分で確認すると、その後はいろいろとあたりの様子が分かってくるものですよね。
出合坂に上ると、実はここは四辻になっていることが分かる。すぐ東の谷間へ下る道もあるので、そのまま谷の源頭部に出る。少し荒地ではあるが、踏み跡はしっかりと付いていて、赤ペンキで大きく「S」と書いたマークもある。この「S」は以後しばしば見かけた。 テープ類も途切れず続き、緩やかな源頭部を下って沢の水が出てこようかというあたりで、東側の斜面にはっきりと山道が登っている。西隣の尾根からは細い道が下ってきているので、出合坂から尾根を北進したところにある道につながるだろう。
明らかに古道ではないかと思える道をたどると直ぐに「熊山」と絵柄入りのプレートが掛る広場に出た。狭い空間で眺めはない。山頂からいくつか踏み跡が伸びていて、まず赤テープが続くはっきりした道をたどってみた。支尾根の一つを歩いているようで、最後は先端に出て、緩い斜面を下ると源頭部に出る。
熊山の山頂に登り返し、どれにしようか迷ったけれど、もう一つの踏み跡をたどる。こちらはすぐに下り坂になって、出たところの分岐には「コクマ」のしるし。あれ やっぱりこの道はさっき熊山に登ってきた道とは違うよね。そうか、この奥が「小熊山」ことP328なんやな。
すぐ北に山頂が見えるが、もう時間も14:00を回っているので深追いするのは止めにして、分岐を下る。この道は広くてしっかりとした山道で、これは登山者がつけた道ではなさそうだなあ。途中倒木で塞がれているので迂回し、また山道に戻って最後は細い沢の流れる谷に出た。 対岸に尾根に登る細道があるのでたどる。尾根に出ると、その先には乗越して下る道があった。行きたいところだがまたにして、尾根の上の道を出合坂方向に進むと、すぐにまた四辻の分岐に出た。東の谷に下る道と、西へ下る道。尾根を直進すべきか迷ったが、西へ下る道がすこぶる魅力的な深く掘り込まれた道なので、そっちに下ることにした。
倒木があるものの特に歩きにくくもないこの道は、左右が深く掘り込まれて幅もそこそこある堂々たる古道だ。こんなところにある道は一体なんのためにあるのだろう?と、どんどん下っていくと、下から大きな水音が聞こえてきて、たどり着いたのは中尾の滝の少し上流部の谷間だった。幻の滝に向かうとき、あれ?この道はなにだろうか?と覗いていた少し崩れた斜面だった。
中尾の滝から帰路は来た時と同じく中尾城址へのくねくね道を歩き、目を付けていた深く掘れた分岐の道を谷へ下った。(この分岐は後で調べると、中尾城の二重堀切の跡らしい。)すぐに植林地の中の緩やかな道になり、最後は少しガレ地を下り、出たところは、送り火の薪を運ぶ空中ケーブルのある谷間だった。 苔むした古い堰堤があり、静かな沢がある。そうか、ここだったか。数年前、この谷へ表登山道から下ってきたときに、一人のんびりと谷間でくつろいでいる女性に出会ったことがあった。「この場所は静かで好きなの」と女性は言った。ところでどこから来たのですか?と問う私に、「尾根から下ってきたの」と指さした方はガレ地のような斜面で、こんな急なところから来たんですか?と驚いた記憶がある。そうでもないのよと女性。なんのことはない、その女性は今私が下った道を来たんだなあ・・とガッテン。大文字山では時々こうした常連さんに出会う。みんなに愛されている幸せな山やなあ。
ところで、今日たどった熊山や小熊山、その西側の中尾の滝に出る山道は、わたしの目から見れば山仕事の道だけではなくみなが行き交った古道としか見えず、なんのために、どこからどこへつながるのか、と帰宅してから地図を眺めて空想を膨らませている。 「未知なる城を求めて~城郭研究ノート」さんや「戦国山城を歩く」さんのブログによると、まずは、中尾城、三角点の広場の如意ケ嶽城という山城が室町時代には築かれていたそうだし、志賀越えの北には瓜生山城、白鳥越えにも山城があったというし、それらを結ぶ道であったかも。はたまた、山中越えから如意越えに出て、三井寺や鹿ケ谷方面に行く道でもあったかもとか、想像は楽しい。 この話を知人にしたら、「源氏物語にお姫様が山越えをして滋賀里あたりに行ったという話があったような」という。姫の足では山越えはしないだろうから山中越えじゃないの? いえ違ったと思う・・・というわけで、また源氏物語を引っ張り出してくるかなあ・・・長いなあ。どの姫かくらいヒントがあれば探しやすいけど。姫はどこを歩いたのでしょうか?。 【 記:ikomochi 】 |
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