先週の続き 花脊峠から尾根伝いに分水嶺を下ります
2019.04.20


 
7鉄塔跡から大見尾根・蓬莱山を望む


2019.4.20(土)快晴 24℃ Ikomochi

コース:
出町柳 広河原行バス10:00発→花脊峠11:20~杉ノ峠 昼食→鉄塔跡へ11:55~鉄塔跡~P83512:25~百井峠地蔵堂13:15~天ヶ岳巻道入り口14:00~寂光院道分岐15:40~大原バス停16:40=京都行バス







 先週歩いた大見尾根は春一歩手前の準備中だったが、この1週間随分気温も上がったのでそろそろタムシバも咲いたかな?と再度花脊峠に向かう。今日は10時のバスで登山客は少なく、学生や外国人客がどんどん下り鞍馬を越えると、おじさんと2人だけになった。おじさんは別所まで行くという。お先にと峠で下車。

気温は18℃ 自転車マンが練習に励む ミツマタ満開
元気一杯 すみれ 今日はここへ進みます

 峠の温度計は18℃、暑いくらい。自転車レーサーたちが峠道を登ったり下ったりの練習に余念がない。杉ノ峠まで行き、暖かい陽だまりで昼食にする。霞む京都の町を眺めていると、峠の下を時々行き交うトラック。鉄塔跡の作業かなあ と眺めていると、しばらくしてトラックは下っていった。

鉄塔跡地

 工事もしていなそうなので、鉄塔跡に向かう。車道のゲート横を入って進む。ここには初めて入った。緩いカーブを上がっていくと、直ぐに平らな山頂に出た。ここは杉峠山と呼ばれているらしい。広場には大きな石が積み上げてあり、まだ撤去工事は終わっていないようだ。ぐるりと周囲を回ってみる。比良山、北山、京都市内、琵琶湖360度の絶景地。風当たりは強そうだが、気持ちいい場所なので、跡地はみんなが楽しめるものに変わると良いのになあ。

 さて、今日は尾根伝いにどんどん下っていく予定。鉄塔跡から南の尾根は大見尾根の延長で桂川・鴨川と安曇川の分水嶺。百井峠まで下れるというので、降り口を探す。結局車道のガードレールの隙間を越えて、石垣の下に飛び降りた。ここには1m巾ほどの道があり、深く掘り込まれた場所もあるので、かつては杉ノ峠からの山道があったのだろう。

点々と白く輝くタムシバ

 尾根の上は明るく馬酔木がたくさん生えている。道もはっきりしている。すぐにピークハンターさんの標識がぶら下がったP835に到着。東側の谷間は緩やかな源頭部が広がり、葉を落とした木々の隙間から真っ白に輝くタムシバの木が見え隠れしている。見に行こう。

車道の下に道がある 明るい尾根を行く
馬酔木の森 P835

 p835の支尾根の先に向かう。大きな木がシャンデリアのように満開の花で覆われている。見事だなあと見とれてしまう。さて、踏み跡もあるので東へずんずん進んできたが、ほんとうはもっと南に向かうんだよなあ とあたりを探すも、いまいち道がわからない。辺りを見回すと、南側の下部は緩やかな源頭地になっているので、いったん下ってみることにした。

 傾斜地を下ると、一本の大きな樅ノ木がすっくと立っている。きっと道の目印か境界の目印かだろうと近寄ると、すぐに南北に広がる源頭部。南側へ緩やかに登りつめると、立派な杉林の上に出た。下の方に車道が見えたので、林の中を下る。百井峠の地蔵堂の裏に降り立った。

満開のタムシバに誘われる こっちもタムシバ!
鮮やか!シハイスミレ これは立派な樅ノ木
穏やかな源頭部を詰める 杉林の下に車道が
百井のお地蔵さん お顔拝見

 分水嶺尾根のルートは、本当は百井峠に出るはずだ。峠の大きな樅ノ木の下には小ぶりなお地蔵さんが2体、雨ざらしで旅人を見守っていた。久しぶりの百井峠、これも久しぶりの天ヶ岳に向かう。百井側からは雪の日にokaokaさんと歩いて以来だから、10年は経つかなあ。

 峠の車道を登り口に向かう。車道に並行して足元に古い林道が続く。そうだそうだ、この林道から登っていけば、鉄塔の尾根から近道で天ヶ岳に行けるはず と思い出して、林道に下る。林道から支尾根に向かってここから登るはずだ とヒカゲノカヅラに覆われた道を進むが、深く掘れた道型はあるものの倒木や草で覆われて最近使われていない様子。変だなあ?と首をかしげながら支尾根に上がってみて驚いた。

百井峠 新しい林道にびっくり

 尾根の南側は新しい林道が蛇行しながら続き、先の方まで伸びている。どうなっているんだろう?古い山道もなんだか怪しかったが、それでも支尾根に一直線の道を見つけて一安心。鉄塔を越え、尾根を進む。左側の足元には、寂光院道の巻道も続いているし間違いはなさそう。尾根の上の道が途切れ、天ヶ岳の登り口だ。すると、ここには「迷」の大きな立て看板。なんじゃ?そして、天ヶ岳の山頂方向に進むと目の下にはまた林道!えっつ?

 確かここはいったん下って草地を越えてまた登っていったよなあ とあたりを見回すも、草地もなければ山道らしきものも見当たらず。赤土をむき出しにした林道が、山頂と思しき方向に延びている。山道なくなっちゃったの? そこらを探し回ると、林道で削られわずかに残る草地の間にかすかに残る踏み跡。ってことは、今は登山道として林道を歩いているってわけ?気持ちが一気に萎えて、もう2時だし天ヶ岳には寄らない となった。また後日、しっかりと探索にこよう。

見たことがない?ここはどこなの 琵琶湖を望む
古道 あった! 巻道からのとりつきは変わらず。ほっ

 古い巻道に出る。ここは昔のままの光景だが、土手を覆っていたショウジョウバカマとか草花が全くない。それでもよく人が歩いている様子の巻道は、新葉が気持ちよい。台風被害だろうか、杉の木の切ったのが道端に山積みされている。谷を巻きながら下っていくと、狭い岩の上に張り付いていた木が根こそぎひっくり返り、山道も崩れ、足元が危ない。これまでは木の根が山道を守っていたのが崩れている。谷間の上に乗り出すように倒れた大木や崩れた地面などもあって、気を抜くと西側の急な谷間に転がり落ちそうだ。雨の日など岩場は滑りやすくて危険だろう。

 慎重に進む私の目の前に、ふっと現れるピンク色。ミツバツツジだ。気を付けると8部咲きの木がたくさんあり、さながらツツジトンネルを歩いているよう。

道が荒れている 根っこからひっくり返ってる
快適な巻道にほっとする ミツバツツジ満開

 3時前にしゃくなげ尾根の分岐に到着、今日は小出石に下ろうかとも考えていたが、しゃくなげの開花にはちと早そうなので、このまま大原に下ることにした。

 3時40分に焼杉山との分岐に到着、ゴロゴロ石がつらい下りにかかる。膝の痛みもましなので苦手な道も楽かと考えたが、今日は新たな問題が勃発。足裏が疲れて痛い。こんなことは今までなかったのだが。ひょっとして新しく替えた地下足袋が足に合わないのかも。いつもと同じサイズを買ったのだが、少し品番が違う。今回は足袋が緩く足がきちんと支えられていないようだ。結局、今日も苦手なこの道をとぼとぼと歩いた。

しゃくなげ尾根分岐 ここもたいへん
ミツバツツジロード 石ゴロゴロ道は苦手

 寂光院の庭師さんが庭の苔を丁寧に手入れする姿を眺め、今を盛りの枝垂れ桜を見上げ、青葉や菜の花など春爛漫の大原の里をゆっくり歩いた。後ろから登山グループにどんどん追い抜かれたがまあいいや。

寂光院の庭師さん 
若葉 菜の花

 大原のバス停は大行列。観光客が多く、どこから来たのか登山姿のグループもいる。バスに乗ったものの、ぎゅうぎゅう詰めで出発し、出町柳までそのままの状態だった。途中から乗ってくる地元の人たちはたいへんだろうな。観光シーズンの大原は恐ろしい。

  今日は久々の山域に行き変わりようにびっくりさせられ、昔の様子を思い描いて来てあまりの様変わりに慌てて道迷い  あるあるだなあ 気をつけようと思った次第です。


                             【 記:ikomochi 】