台高山脈 明神平・桧塚奥峰
(絵になる平原と山頂にやって来た)


 
桧塚奥峰山頂


2019年4月28日(日) 曇り  森の旅人M

コース:
・奈良県東吉野村・大又林道駐車場~大又登山口~明神平~三ツ塚分岐~明神岳~判官平~P1394~桧塚奥峰~復路は同道大又駐車場へ





 今年の10連休,何処へ行こうか迷った末にまだ登ったことの無い台高山脈明神平と決める。奈良県の山となると早出となり5時過ぎに自宅を出発。奈良へ向かって国道を南下,途中のコンビニに寄りおにぎりの調達。現地東吉野山村大又林道駐車場には7時半に到着しました。GWで心配した駐車場には無事駐車できました。既に20台以上駐車しています。その間にも次々と車はやってきます。関西特に大阪ナンバーが多い。今日停まった隣は京都ナンバーの夫婦だったが一言の挨拶だけで終わった。

 今回の明神平は台高山脈北部の奈良県と三重県の県境にあり高見山の南に位置している平原である。桧塚奥峰(ひのきづかおくみね)は明神平の南にある明神岳から東に伸びる尾根にあり県境を除く三重県最高峰の山(1420m)として有名らしい。

 準備を終えて出発,天気予報は晴れだが薄曇り空,気温は低めで歩くには適している。林道を登山口目指して歩きだすが,結構な坂道である。20分以上掛かり登山口へ,登山届を出す。先行者が数人歩いている。ここからの道は更に急坂で道はコンクリート道となっている,すぐに一汗出てくる。鉄製の橋を渡り右岸へ,山道に変わり倒木をかわして行くと,最初の渡渉位置である。

大又林道駐車場 大又登山口

 渡渉は3ヵ所あるが問題なく渡れる。ロープが掛けてあるが緩々であてにしない方がよい。石を伝って渡れる。すぐに2カ所目の渡渉。同様に石の上を渡り右岸へ,木の階段を上り上流へ向かう。小岩の多い道となる。

倒木を抜けて 一つ目の渡渉
二つ目の渡渉 荒れた谷沢を登る

 3カ所目の渡渉になるがここも全く問題ない。テント泊すると言う老夫妻に出会う。70歳は超えていると思われる旦那は,初めての山中テント泊で相当な荷物を背負っている。急坂を登って行くと現れるのが明神滝,数人が休憩している滝下からは全景が見えないが登って行くと20m前後の全景を見ることができる。

 短い折り返し道から杉林を通過し,一旦谷に下りて丸太橋2連を通った先にベンチが置いてあり休憩しました。老齢男性がやって来ました。大阪から来た78歳の男性初めての明神平と言う,年齢より10歳は若く見える,歩くスピードも普通だ。ここから長く緩い折り返し道となりほっとする。道脇にはバイケイソウの群生が広がる。

急坂道 明神滝
この丸太橋は要注意 道脇のバイケイソウ

 明神平の小屋が大きく見えてきました,水場がありペットボトルに給水しておく。小屋を左に見て明神平に到着(9時40分),思っていたより狭いなだらかな平原であった。駐車場から2時間でした。山小屋のあしび山荘のベランダへ,そこから明神平を一望。既に左手のテント場には4~5テントが張ってある。大阪のおじさんも到着。

長い緩やかな道となる 水飲み場
明神平の山小屋 山小屋あしび山荘
あしび山荘より明神平 三ツ塚分岐

 一休みの後,結局初めて同志の大阪のおじさんと二人で桧塚奥峰へ向かうことになった。南側の斜面を登って行くと明神岳と薊岳分岐となる三ツ塚分岐。多くの人が前山(薊岳方面)へ登っているのでおじさんも前山の方へ歩き出す「違いますよ」と言って引き留める。京都の夫婦連れも前山へ向かって行った。ここは左手の明神岳に向かう。近くには日本庭園のような苔むした岩が散らばっています。

日本庭園のような風景 桧塚奥峰-明神平分岐

 南東に伸びる尾根に乗ると右側が切れた細道となる。先に行くと平坦な尾根に山頂らしくない明神岳(1432m)の標識が立っています。それでも今日一番標高の高い場所となります。

細尾根を行く 尾根上の明神岳

 明神岳から尾根を20~30m南側に進むと桧塚奥峰への分岐があります。一気に東へ100m近く鞍部まで下降します。桧塚奥峰へ足を延ばすには,正午に余裕のある時間帯に明神平にやって来る必要がある。前方に数人の姿を見る,心配していた道も踏み跡が分かる,広い尾根となっているがテープもあり安心。

明神岳-桧塚奥峰分岐 一気に鞍部へ下る

 大阪のおじさんとは先頭を入れ替わり歩く。鞍部から細尾根になると倒木が目立つ。東西に伸びた尾根で北に倒れている南風にやられたようだ。次のピークが広くなっており判官平で標識が掛けられている。概ね桧塚奥峰までの半分来た。小休憩していると夫婦連れが先行する。右カーブに道をとり下って行くと鞍部となり幅の広い溝が現れ横断します。

見通しの良い雑木林を歩く 尾根には倒木が多数
判官平 判官平を下った鞍部の深い溝

 次の坂を登って行くとP1394です。桧塚奥峰への標識が立っています。下って鞍部に出ると視界が広がり桧塚奥峰に三重県側のマナコ谷からつながる主稜が見えるが,樹木のない尾根となっている。最後の登りはコケの草原のような坂を登って行きます。

P1394 マナコ谷側の主稜

 桧塚と桧塚奥峰の分岐に出て右手に進むと桧塚奥峰に着きました。三角棒で作られた山頂標識,この実物を見に来たわけで達成感を感じます。明神岳から1時間弱で予定より早く着くことができました。先着の4人が昼食中のようです。山頂写真は余り撮らないのですが,今日は大阪のおじさんと撮りあいしました。

 曇り空ながら台高山脈南側の展望は良く山々が遠くまで見えましたが,山の同定がしっかりできない。位置が変わるとイメージしている山の姿も変化するため分かりません。近くの東には三角点のある桧塚(1402m)が見えますが展望が無いと言う事で足は延ばさない。おじさんと並んで昼食です。たわいない山の話で昼食も楽しく過ごしました。次々と登山者が到着して賑やかになってきました。

桧塚-桧塚奥峰分岐 桧塚奥峰から南側展望
桧塚 高見山遠望

 昼食後,おじさんとは山頂でお別れです。先に立って明神平へ戻ります。桧塚奥峰の下りから北側を見ると高見山,三峰山が連なっているのが見える。三角峰の高見山ではありません。見通しの良い道が続くので気持ち良く歩ける。P1394で右に折れて下ると幅のある溝だが,滑ってしまう。右腕で体を受けて袖は汚れたが,お尻に泥が付かずによかった。

 判官平で左にカーブして倒木の多い尾根道を通過,明神岳直下の急坂にやって来る。真っ直ぐ一本道を登って行くが足が重い,途中一休みを入れて明神岳に到着。もう上りは無く下りのみとなるため気持ちも楽になる。

明神岳尾根分岐へ直登 明神平へ下って行く

 細尾根から三ツ塚分岐を通り,下って明神平へ戻りました。テントが増えて人も多く賑やかになっています。一休み後は大又駐車場へ下りました。登る途中には気付かなかった野草が目に入ってきます。明神滝の近くの道でハシリドコロ,ヒトリシズカを目にします。黄色のミヤマキケマンに目だったのはタチツボスミレでした。3ヶ所の渡渉点も渡り登山口へ,大又駐車場へ無事戻ることができました。

ハシリドコロ ヒトリシズカ

 心配した明神岳から桧塚奥峰でしたが,大阪のおじさんと二人で行くことになり道も予想以上に踏み跡とテープ頼りでしたが行けました。春先で見通しの良い樹林は広くて気持ちの良い道が続きました。

 帰宅途中に地元のやはた温泉前を通るため,入浴(入浴料500円)してスッキリして帰宅することができました。感謝,感謝です。


                           【 記: 森の旅人M 】