比良 シャクシコバの頭
(快晴の山行は急坂道も気持ち良く登りたかった)


 
シャクシコバの頭 正面に武奈ヶ岳


2019年4月13日(土) 快晴   森の旅人M

コース:
・坊村~明王林道~口ノ深谷・奥ノ深谷分岐尾根取り付き~口ノ深谷東尾根~シャクシコバの頭~中峠~ワサビ峠~御殿山~坊村





 今日は天気も良く晴れ予報,行先は初めて口ノ深谷東尾根から登りシャクシコバの頭を通り武奈ヶ岳だったのですが・・・・・。シャクシコバの頭は小川新道から二度通過しているので一応分かっている。坊村の駐車場には20台近い車が止まっている。滋賀,京都より大阪ナンバーが多い。金沢ナンバーも見られる。スパッツを着けて真っ青な空の下出発する。

 国道沿いのサクラも満開だ。登山届を提出してから明王林道を登山口目指して登って行く。暖かいので早めに二ノ滝護摩堂で服装調整。伊藤新道入り口を通り過ぎて白倉橋を渡ると口ノ深谷・奥ノ深谷分岐の尾根取り付きだ。口ノ深谷東尾根は初めてのため,何度か現地を踏んでいる洛西オヤジさんの山行文を参考にして向かいます。

 取り付きから急斜が始まる,少し登ったところで顔を見上げると緑色の山小屋シラクラヒュッテが目に入る。小屋があるので思ったより周囲には踏み跡がしっかり付いている。急坂道をひと登りしたところには,熊の捕獲檻が置いてある。道にはテープが少ないものの付いている。

坊村のサクラ 口ノ深谷 東尾根
山小屋シラクラヒュッテ クマ捕獲檻

 急坂道が続き,息が切れてくる。道は折り返しでなく直登が続く。雑木の中にモミの木が増える。一本松のある小ピークを過ぎると古道標識のある尾根に出る。ただし古道標識は倒れている。この尾根分岐では正面谷沿いを登って行く,踏み跡が続くが先の松の大木を見て尾根側へ折れる。ネット情報によれば踏み跡をそのまま行くと切れた斜面道になり道も消えて難渋するらしい。

急坂道 倒れた古道標識
口ノ深谷‐シャクシコバの頭分岐 松の大木脇からシャクシコバの頭へ

 尾根中央に移る,テープはあるが踏み跡は薄い。松大木の根元を抜けて上がるとロープがあった。ロープはこの先次々と見ることができた。真新しいロープだ,それだけ急坂道が続く。尾根に大岩が構えて先を塞ぐ。ここは右に回って上方へ過ごす。ここにもロープがある。

 先を登っているといきなり右足ふくらはぎが痙攣,いつも前兆の違和感があるのに今日はいきなりだった。呻きながら急坂を左足で踏ん張り腰を下ろす。取付きから登り始めて1時間も経っていないのにこんな早い痙攣は初めてだ。なまった筋肉になっているようだ。10分弱で痛みは治まり登り始める。杉の木とモミの木が交差して円形の穴を作っている。

大岩が前を塞ぐ 木の造形が目に入る

 700mを超えた急坂道にはロープ道も多くなる。尾根中央を目指して左へ大きく移動。広い尾根のため中央が分かりにくいが白いテープは的確に付いている。しばらくすると今度は右に移動する。

急斜面には目新しいロープが
取り付けられている
ロープは多数ある

 800mを超えて蓬莱山が見えてきた。道は薄い,枯大木で左へ移動。右に杉林,左が雑木の間を進む。900m越えてくると残雪を目にして雪の上を歩くことになる。若葉がまだ出ていない雑木の見通しの良い唯一の平坦場所に出る。

 すると木の脇に小さいケルンを見る。この東尾根と南へ伸びる尾根の辺りで遭難した人のネット情報があった,その方のためではと勝手に想像する。取付きから上り始めて2時間,予定ではシャクシコバの頭に着いている予定だが,まだまだ先だ。ここで武奈ヶ岳を諦めることにする。少し上った斜面でカップラーメンとおにぎりの昼食にする。

右に杉林左は雑木の間を進む 残雪の上を歩く
見通しのよい尾根になる こんなところにケルン(遭難碑?)

 1000mを超える辺りにイワウチワの群生がある。少し上がった場所には雑木も無くなり南側の展望が良い。晴天下に左(東)から堂満岳,烏谷山,蓬莱山が一望できる。最後の急斜面を登りシャクシコバの頭と思いきや,西側の小ピークだった。細尾根をシャクシコバの頭へ向かう。

イワウチワの群生 堂満岳
烏谷山 蓬莱山
細尾根になり更に登り続ける 最後の尾根道

 予想外の3時間弱かかりようやくシャクシコバの頭(1121m)に着いた。結局尾根取付きから頂上まで急坂道は続いた。シャクシコバの頭は小川新道から中峠の通過点で歩いていると目立つピークに感じない,標識も無い。真北に武奈ヶ岳を見る。コヤマノ岳も近くに見える。深山の春近い雪景色を感じる。

シャクシコバの頭から武奈ヶ岳 コヤマノ岳

 この後,中峠に下り予定していた武奈ヶ岳には行かずにワサビ峠へ向かいます。谷筋は流石に一面残雪の中を歩きます。渡渉してからワサビ峠の谷へ入る。ワサビ峠に雪は無く標識は全体が見えている。御殿山への坂道は雪解け水の泥水が流れ落ちて来る。

中峠 ワサビ峠には雪はなかった

 御殿山には中年男女二人が休憩中だった。いつもの武奈ヶ岳と西南稜を一望。多くの人が登っているのだろうか?今日はこれで満足しておく。そこへ老年男性二人がやってきて武奈ヶ岳へ向かって行った。ひと踏ん張りすれば武奈へ行けたのだろうが今日は下山する。

御殿山から武奈ヶ岳 御殿山からシャクシコバの頭

 夏道冬道分岐では雪がすっかり無いが冬道を下って行く。冬場にアイゼンをよく装着する辺りの倒木が多数見受けられてびっくり台風被害は広い。この後も広い範囲で倒木があり覆いかぶさった倒木は枝が掃られ山道は確保されていた。中腹で若い男性二人に出会う,杉の枝を杖代わりにしているしバックも持っていない。今から山頂に向かうと言うので無理しないように伝える。

夏道冬道分岐は右の冬道を下る 御殿山道には倒木が多数見られた

 武奈ヶ岳に寄らなかったことが心残りでしたが,口ノ深谷東尾根を無事登り終えたことに満足しました。感謝,感謝です。


                           【 記: 森の旅人M 】