釣瓶岳・武奈ヶ岳(栃生発・細川着)
(濃いガスで山は見えず,迎えてくれたのはヒルでした)

ようやくガスの中に武奈ヶ岳山頂が見えた


2019年7月15日(月:祝) 曇り  森の旅人M

コース:
朽木栃生~P449~釣瓶岳-地蔵峠分岐~笹峠出合~イクワタ峠~釣瓶岳~細川越~武奈ヶ岳~細川分岐~ブナ大木~P706~葛川細川町~朽木栃生





 13日からの3連休に山行予定を立てていたが梅雨時期のため連日降雨確率が高く,結局最終日になってしまった。行先は久しぶりに栃生(とちゅう)から釣瓶岳経由の武奈ヶ岳を目指しました。京都市内は晴れ間が見られましたが,現地は雲が厚く曇り空。

 栃生の集会所に駐車させてもらい出発。登山口は少し南に戻った国道脇で標識が立っている。釣瓶岳まで5Km。コンクリートの坂道を上がって行くと崖崩れがあったのか石積の壁になっている。最後の民家を左に見て山中に入る。杉林の中,薄暗い長い折り返し道を登って行く。シカの警戒する鳴き声がする。

 P449の尾根に乗ると標識が立っている。ここで一休みを取るつもりでバックを下ろす。しかし,次に目に入ったのがスパッツを這い上がるもの「ヒル」だ。比良山地でいままでお目にかかったことが無かったので大慌てストックで落とす。バックにヒルがいないことを確認して急いで歩きだす。びっくりした!比良にもヒルがいるのだと改めて思い知らされる。

釣瓶岳登山口 崖崩れ後の石積壁
P449の尾根に乗る 迂回路道案内板

 天候は相変わらず曇り空,薄暗い森は杉林から雑木が増えてくる。ヒグラシが足元から飛び出す。地蔵峠と釣瓶岳の分岐に到着,地蔵峠方面は山道崩落のためロープが張ってあり通行不可の札が掛けてある。杉林を抜けると雑木林に変わる。先に進むと通行止めの札が目に入る,300mの迂回路が整備されている。倒木が原因のようだ。標高800mを超えるとガスが出てきた。

ガスが出てくる イクワタ峠

 イクワタ峠手前の広場がありようやく林を抜ける。いつもならここから展望が広がるはずがガスで何も見えない。イクワタ峠も同様にガスは濃い,20m先が見にくい状況になる。本来,南に見えるはずの釣瓶岳はガスの中全く見えない。急坂道が見通せるのだがそれも見えない。釣瓶岳に向かう。樹木の無い尾根筋を上がって行くと西から東へガスが通り抜ける。シダの広がる急坂道であるが今日はしんどく無い。先が見えないので目の前の一歩に集中しているためだろう。

釣瓶岳が全く見えない シダの尾根

 ガスの中,いつもと違いすぐ着くと思った釣瓶岳まで長く感じた。ようやく大杉2本立つ山頂に着いたが,元々展望が無い。武奈ヶ岳まで1.8Kmの標識。細川越へ下って行く。曇り空でガスの世界を歩いていると何かさまよっているようで怖い気もする。道ははっきりしているので問題なく細川越に下り立つ。標識の木札が外れて地面に落ちている。整備されているのと,されていないとでは気持ちが違う。

釣瓶岳山頂 細川越

 ガスの森を歩いていると,今日初めて若い男性に会う。急に動くものが近づいてきたと思ったら人だったのでびっくりする。急坂の荒れた溝道になり,小さなケルンを見るともうすぐ山頂だ。人の声が聞こえて来る。11時半,武奈ヶ岳山頂に到着。20m先しか見えないガスの中でも20人近い人が昼食中だ。こんな天候だが次々と登山者がやって来る。当然,山頂からの360度の展望は見られない。

細川道分岐の目印のケルン ガスの武奈ヶ岳山頂

 巻き寿司といなりの昼食を済ますと,やることが無いので下山開始。細川へ下るため先ほどのケルンまで戻り分岐で左へ折れる。すぐの踏み跡は薄くなり,その先の荒れた場所で道が無くなる。尾根筋を下って行くが木立に当たり道を見失ってしまった。冷静に左へ進むと道が現れひと安心。下るにつれて尾根中央の杉木立が数箇所あり先を塞ぐ,その度に左右のどちらに下るのか判断が続く。多くはテープが見えるが無い箇所もある。

荒れた道となり道を見失う 尾根筋は杉木立が道を塞ぐ

 ガスの中の見通しの悪い急斜面の尾根下りは緊張が続く。中腹で見覚えのある大きなブナを見る。標高850mになるとガスが切れ,また山道もはっきりして少し余裕が出てきた。大岩群を右に見て下っているとスリップ,転倒しそうになり右足で踏ん張ると太ももが痙攣を起こし小休止を取る羽目になる。その後,下っている途中で足元見を見ると忘れていたヒルが再びスパッツを這い上がっている。すぐ取り去る。

ガスで見通しが悪い ブナの大木
大岩群 広い尾根に出る

 広い尾根に出て一息つく。細川へは北東へ下って行くが,道ははっきりしていなので注意が必要だ。杉林に変わりあとは折り返し道を下って行くだけと思っていると相当の倒木で道が塞がれている。迂回したような薄い踏み跡があり下って行く。途中で水平移動し本道に出ることができた。しっかりした迂回路がほしいが歩く人が少ないので無理だろう。その後,細川まで無事下ることができましたが登山口にも倒木が道を塞いでいました。これらの倒木も昨年の台風被害なのだろうか。

倒木で道が塞がれる 薄い踏み跡を下る
細川登山口にも倒木あり 細川登山口取付

 栃生へ戻る必要があるため国道を20分歩きます。集会所に着くと地元の方がおられて挨拶して帰り支度をしていると,スパッツからヒルが1匹出てきました。他にシューズ,パンツに居ないことを何度も確認して帰宅しました。無事に山行できて感謝,感謝です。


                           【 記: 森の旅人M】