三重ヶ嶽
(小てつ No.133)


 
伊吹と竹生島
三重ヶ嶽長尾から


令和元年11月10日(日)  晴れ        小てつ単独

コース:
石田川ダム湖周道路 稲妻号デポ~落合長尾登山口~三重ヶ嶽~P950~八王子谷東尾根~デポ地





 先週は低気圧が北海道にあり、等高線が近畿地方に縦に通っていた。こんな天気図の時には北風が強まり、日本海からの風をまともに受ける三重や湖北武奈に行っても楽しくないだろうと、山行は中止にした。今週はふたつの高気圧にはさまれ、雲は出るだろうがおだやかだろうと、先週の風で期待薄ではあるが、石田川ダム近辺の紅葉を見に行ってきました。

 7時少し前に自宅を出発。いつものように出町柳を通っていくが、まだ7時過ぎでバス待ちの人は4人だけ。川端通の桜並木の紅葉もやや進んできた。葛川センターの駐車もまだ少ないが、武奈は今日も賑わうだろう。

川端通の桜の紅葉

 8時に石田川ダムに到着。今日はバリケードもされていないので、恐る恐るながら湖周道路に入ってみる。今日は行けそうなところまで入ってみようと、わざわざ稲妻号で来てみた。入ってすぐのところの土砂崩れ跡は片付けられていたが、10分も進むと落石が多く、以前には無かった水たまりが道路をおおっている。

 表面は大丈夫そうでも、水が道路下の地面に貯まっていたら、いつ陥没してもおかしくない。陥没ですんだらいいけど、道路ごと下の川に落ちたら洒落にならんと、ここは突っ込んで行かず、八王子谷の手前の道路の広いところに稲妻号をデポして準備をし、8時15分出発。

ダム湖周道路にバリケード無し 広くなったところにデポ

 湖周道路の紅葉、木の実など探しながら落合の長尾登山口まで、アスファルト道を歩いて行く。デポ地から30分ほどで到着。ここでスパッツを着け、ストックを伸ばして斜面に取り付く。

 稜線まで登ればなだらかな長尾だが、それまで標高差150mは急登であって頑張りどころ。ここの倒木は枝がはらわれ、処理がしてあり助かる。今津山上会の御苦労だろう。

 稜線に登ってしまえばこっちのものと言いたいところだが、前にこの尾根で多くの熊はぎを見ているので、痕跡はないか、気配はないか気をつけて進んでいく。熊避けに鈴をつけたり、ラジオを鳴らしたりしている人を見るが、小てつはそういうことはしない。体の近くに音源があると、逆に向こうの音が聞こえない。それもあるし、もし向こうも気づかなくて、こっちも気づかなければ何もおこらないという考え。いつもはできるだけおとなしく歩いている。(懇親会では、あんだけやかましいのにか!!)気配を感じると、大声奇声あげるとか、ストックをたたくとかやります。

野ブドウ 長尾の倒木は枝処理してある

 標高500mまでは木に葉っぱも残っているが、あがるにつれて葉っぱは落ちてきて、700mにもなるともう冬枯れの様相。東側の大御影の尾根はもっと落葉が進んでいるようだ。河内谷を見下ろすと何か足りない。赤が足りないと感じる。おそらく赤にそまるモミジ系の葉っぱが、既に落ちてしまっているのだ。それでコントラストがイマイチ迫力に欠けるところか。

標高500mには葉っぱはあるが 標高700mになると葉っぱが無い
ナナカマドの実が見事 サルトリイバラ

 陽当たりの良いところで、イワウチワが咲いているのを見つけ、儲けものをした気分。登山口から2時間半ほどかかって三重ピークに到着。

 ピークに用事がないので、杭の写真だけ撮って、いつもの休憩場所である三十三間山を見下ろせるひとつ北のシダの草原に向うと、えらい軽装と言うか手ぶらのアベックと出会う。挨拶をして「今日はどちらから?」となり、ダムからであることを言うと、向こうは前日マキノから取り付き、抜土でテン泊してきたと言う。荷物は縦走路分岐にデポしてきたそうだ。どうりで軽装。

 小てつも高島トレイル踏破者であり、10分割回で出来たことを話し、車1台だったので、結局往復していることを解説する。お気をつけてと別れ、小てつはいったん北の鞍部に降りて草原に登り返す。

 縦走路を外れた三十三間山を見下ろせる草原で、折りたたみ椅子を出して食事タイムをとる。今日はひとつのお茶漬け袋を2回に分けて、鮭おにぎりと野沢菜わさびのコンビニおにぎりを、お茶漬けにして食す。なかなかいける。20分ほどゆっくりしてたつ。

イワウチワが開花 三重ヶ嶽ピーク
三重ピークから蓬莱、武奈様 三十三間山と若狭湾

 休憩の後、縦走路をP950の分岐までたどり、分岐点で東に向きを変えてピークを目指す。が、ここの分岐の踏み跡が、P950の方が濃く、高島トレイル縦走をしている登山者には迷いどころだなぁと感じる。

 2本のメデューサの木があるP950、この南の尾根が八王子谷東尾根道となる。ワサ谷ルートまで足を伸ばせば、小てつ命名「超人バロムワンルート」だが、まだ本調子ではない小てつゆえ、今日は最初からの小回りルートの予定。それと今日は、来春のための調査目的もある。

 この尾根も長く緩やかな尾根なのだが、最初は少し落ち込んでいて急坂。その急坂を降りていると、下の方から話し声が聞こえてきて、こんなルートを登ってくる好き者がいるなぁと思っていると、なんと先ほどピークで出会ったテン泊アベックであった。

 「ここは私が降りに使う八王子谷東尾根です」と言い、「縦走路はあっちの尾根です」と太尾の尾根を示す。やはりこっちの方が濃くなっている踏み跡の分岐で間違ったようだった。男性の方が「このトレイルは中級者向きや」と言うので、(いや洛西オヤジでも間違わず水坂峠から三重ピストンしたし、初心者でも大丈夫・・オヤジ自分で初心者言うてるし・・・)と思ってしまう。

P950のメデューサ

 高島トレイルは、元あった登山道をつなげて整備されたもの。だから縦走目的の登山道では無く、元あった登山道が勝ってしまう箇所があっても全く不思議では無い。テン泊で縦走する登山者よりも、日帰り登山者の方が圧倒的に多いのだから、小てつのようにループで回るのであれば、途中のルートで脇道それるのが当たり前。そのことを理解していないとエラい目に遭う。ただ、高島トレイルで迷っていたら、京都北山は歩けないと思ってしまう。

 陽が暮れるまでに水坂峠に行かねばというアベックに、何とか大丈夫です。と言い(ここで12時だったので、あと4時間あれば・・・ギリギリ行ける)。

 来た道戻って、10cmくらいのプラ板が落ちているところが分岐ですと解説して別れる。分岐まで案内すればとも思ったが、トレイルをテン泊縦走する方に失礼とも思い、やめておいた。

 最近、高島トレイルでマダニの被害が聞かれるようになった。噛まれてSTFDになり入院という新聞記事や、そこまでいかなくても山レコでくっついてたというレポートを目にする。山ビルと同じで、マダニも鹿がまき散らしているという。長尾では鹿のフンを見なかったが、ここ八王子谷東尾根では所々にフンが落ちている。それにこの尾根は登山者の使用頻度が少ないと見え、倒木の枝払いもされていないし、登山道もブッシュ化してきている。つまりはマダニ警戒地区だ。季節には防虫スプレーなど忌避対策が必要!。

 しかしながらこの尾根を150mほど降ったところは、ノトマタ登山道にも劣らないシャクナゲ群生地であって、今回は来春のための調査でもあった。全体的には花芽も少ない感じだが、陽当たりの良いところの株には、おびただしい花芽があり、中にはもうほころびている花もあった。マダニにやられる恐怖との戦いだが、この尾根のシャクナゲ見物は価値あり。

シャクナゲもほころぶ

 シャクナゲ群生地のあとは、ただただブッシュとの格闘になるのだが、こういうのが嫌いでない小てつはズンズン立ち向かっていく。ところが、最後の詰めのところでたどるコースを誤ってしまう。植林地に入ったとこらで、進路を右よりにとっていかねばならないのだが、左手のテープについ釣られてしまいあらぬ方向に降りてしまった。先は植林であるもののそうとうの勾配。抱っこ降りも、スリング降りも中途半端な植林の間隔。

 ストックを突き刺しながら木を真下に置くように、ズルッといったら抱きつけるような進路をとってザレ斜面を降っていく。もう湖周道路が見えているが、そこは崖。またトラバースして降りられそうな場所を探す。落石防止用のネットが張られた場所を見つけ、ネットをつかんで最後の15mほどを降りる(良い子は絶対マネしない!)。

 降りてきたところは、ほぼ八王子谷東尾根の先端部だった。(全然間違っとるやんか!)まあオカオカクラブでは、こう言う踏破性能も試される。(ほんまか~!)。

 湖周道路に降りたって2時。15分ほど戻ってデポ地。後片付けをして帰路をとる。まだ時間も早いからか途中越えは混んでおらず、エリザベス女王杯の実況を聞きながら市内を走っていると、勝ったのは一度良い思いをさせてもらった馬だったので、よっしゃ~!と・・・(馬券買ってないのに)、外国人騎手はやるときやるなぁ。(それに比べて先週メインの川田はなんなんじゃ~!えっ、もしかして買ってた????)。

 久しぶりの三重ヶ嶽、この冬のスノーシュー、来春のシャクナゲの具合を確かめることはできたようです。


                           【 記: 小てつ 】