愛宕山 梨の木谷 2020.08.01


TOP
遥か山々を眺めて


LINE LINE
2020.08.01(土)晴れ 35℃ 山頂28℃  ikomochi

コース:
JR京都駅→JR円町=清滝行きバス7:48発→清滝バス停8:40着=8:50金鈴橋~大杉谷入口9:30=9:35~第2ベンチ11:10~月の輪道分岐12:10~愛宕神社13:00=14:40出発~地蔵辻14:50~首無し地蔵15:35~梨ノ木谷へ~梨木大神碑16:35~月の輪登山口17:10~神社登山口17:34~清滝バス停17:36=17:37発阪急嵐山行バス


MAP



LINE LINE LINE



やっぱり千日詣でに行かないと夏が来ない と愛宕山に行ってみました。

    ----------------------------------------------------------------

 祇園祭巡行が中止となり気の抜けたような夏が始まった。せめて愛宕山の千日詣でにでも行かないと、夏が来ない。連日35℃を越す猛暑日、涼しい愛宕山頂で疲れた身体を休めたい。

 京都駅から出ていた清滝行きバスが廃止になって不便になった。探していたら円町経由で朝1本走っており、これは便利。ところが予定時刻よりもかなり遅れてきたバスは、なんと座席はいっぱいの立ちっぱなしで揺られることになった。次々乗ってくる客も終点までで、最後はぎゅうぎゅう詰め。阪急嵐山駅で臨時バスが出ることになり乗客が移動して少し楽になったものの、大勢の参拝者が清滝で降りた。急いで歩き観光トイレは待たずに済んだ。

PHOTO PHOTO
1清滝トンネルは離合待ち 金鈴橋を渡って

 さあ久しぶりの愛宕山、ゆっくり歩こう。千日詣での愛宕表参道は人が多くて歩きづらいし、そもそも段差ガタガタの階段道は苦手。清滝川沿いに上流へ歩き、大杉谷入り口から登る。川沿いの林道はぼちぼちとランナーグループや登山客がすれ違う。休憩していると男性が道を尋ねてきた。ヒグラシの滝に行きたいという。丁度やってきたおじさんと2人で道を教える。後ろからきたおじさんは梨ノ木谷を登るという。今年正月明けから谷を歩けるようになったとのこと。じゃあ わたしも帰路は梨ノ木谷を下ってみよう。

PHOTO PHOTO
清流は豪雨の後で濁っている 上流に向かいます
PHOTO PHOTO
滝に虹が! ランナーが多い

 大杉谷の道も大きな杉が倒れたり根起こしされていたり、台風や豪雨の爪痕が残っているが、道は整備されていて歩くには支障ない。ヒグラシの滝への道も気を付ければ下れそうだが、さっきの男性はしきりに荒れた谷道を気にしていたので無事にたどり着けただろうか。登るほどに上から下って来る人とすれ違うようになった。7時から登り始めたという人や米買い道経由で来たという人、84歳で毎月体力測定のために歩いているという老婦人。みなさん達者に歩いていく。

PHOTO PHOTO
大杉谷へ 倒木は整備されている
PHOTO PHOTO
あの上まで登らなあかん! ここは黄葉が美しい

 涼しいだろうと期待していた愛宕だが、風の通らない谷道は蒸し暑くて、幾度も立ち止まりながらゆっくりゆっくりと歩く。月の輪の尾根道が遥か上のほうで、あそこまで行かんならんのか!としんどくなる。喘ぎあえぎ歩く私だったが、第2ベンチのあたりで道端に座り込む女性を発見して、大丈夫ですかと声をかけた。女性は返事もなくしんどそう。それからはその女性と後になり先になりやっとたどり着いた月の輪尾根の分岐。谷から吹き上げる風が心地よくて生き返った。

PHOTO PHOTO
第2ベンチから 木の根道を登っていく

 後から大杉谷を登ってきた一人の女性と、気持ちいいよねえ と立ち話して涼む。先ほどの声もなく登ってきた女性も、道端に座り込んで休んでいるので、ここまで来たらもう少しだねえ などと声をかけると、「わたしに構わないで。私を待たないで」と怒ったようにいうのでびっくり仰天。「待たれるとしんどいのよ」いえいえあなたと一緒に行こうとは思ってませんから。

PHOTO PHOTO
最後の頑張りどころ 月の輪の尾根道 涼しい

 十分休憩し山頂へ向かう。怒る女性ではないもう一人の女性と、自然と一緒に歩くことになった。彼女が夜間登山していた時、都眺めの岩で橿原の花火大会を写すというカメラを抱えた若者に会った話を聞きながら、そういえば大和三山から愛宕山が見えたことを思い出した。晴れていたら花火大会は見えるかも。

PHOTO PHOTO
都眺めの岩から 愛宕神社にお詣り

 愛宕神社の広い境内に13時前に到着、ザックを休憩所に置き、愛宕神社に詣でる。登山姿の若い女性が多いのにびっくり。例年よりは人は少ないものの混み合う本殿でコロナ退散を祈願し、火伏のお札を戴く。

PHOTO PHOTO
人もそこそこいます コロナ退散を祈願

 さあ目的は果たしたのでゆっくり休憩しよう。広い境内にはグループや家族連れがくつろいでいる。気温は28℃、下界より遥かに涼しいはずなのにカナカナゼミのウェーブが聞こえず空気も暑い。なんか今年はおかしいね と言いながら、同行の女性とおにぎりをほうばった。彼女はよく山を歩いているようで、山の話で盛り上がる。

PHOTO PHOTO
お神酒を一口 例年より人は少ない

 楽しく話していると、向かい側のベンチに座った若者と中年女性のうち、女性が声をかけてきた。さっき会ったよねえ。。。えっつ そうだっけ?よく見るとシャツを着替えているのでわからなかったが、登り道で私に構わないで!と怒った人じゃないか。先ほどのしんどそうな様子とはうって変わり、隣に座った若い男性ときゃっきゃと声を上げ楽しそうだ。もうしんどくないの?

 聞くと、わたしね 愛宕山に毎月登っているけど、山頂でビールを飲むのが楽しみで来ているの。えええー じゃあビール飲んでご機嫌なんだねえ。。。半分凍らしたのを持ってくると丁度解けておいしいよ。。。。それから まあ別人のごとくしゃべる、しゃべる。世の中いろんな人がいるもんです。

 表参道をくだるというその女性と別れ、わたしは梨ノ木谷へ向かうことにする。同行の女性も一緒に行ってみるというので、出発14:40とゆっくりした時間になったが、地蔵辻へ向かった。遅いので三角点に寄り道はせず首無し地蔵への道を急ぐ。このあたりも道が荒れたのか、ところどころ様子が変わっていて、こっちだったけ?と言いあいながらどんどん下る。

PHOTO PHOTO
月の輪道分岐 首無し分岐

 出発して1時間ほどで首無しの四辻に到着。梨ノ木谷への道を覗いていると下から男性が登ってきた。この道大丈夫ですか?と聞くと、荒れているけど歩けるよとのことなので、木が茂った道へ入る。この道は以前は木陰がなくて茨に覆われて日差しが暑い道だったけれど、閉鎖されていた数年の間にすっかり灌木に覆われて歩きやすい小道になっていた。

PHOTO PHOTO
首無し地蔵さん 梨の木谷へ入り口
PHOTO PHOTO
木が茂り歩きやすい 沢は荒れている

 どんどん下っていくと、沢の源頭部に出て、ここからは大岩小岩がごろごろした荒れた道になった。歩けるところを探しながら下る。同行の女性は歩きなれた風で道を探しながら下っていく。水辺にくると、ぶんぶんと周囲を飛び回る虫。大きな羽の銀蠅に似たアブだ。しつこく飛び回り気づけば腕に止まって吸血。

 さっき神社で買ったうちわでばたばた追い払いながら、道探しながら忙しい。休憩でザックを下ろすと隙を狙って背中にとびかかる。油断も隙も無い。彼女によれば、アブは血よりも人間の汗の塩が狙いで舐めにくるのだそうだ。大きいのは追い払えるが、小さなのがぶんぶん飛び回り耳の中に飛び込んで刺したりするので耳たぶが腫れてくるのが分かる。2人でアブ追いに奮闘しながら荒れた道を下った。

 梨ノ木谷の倒木の噂は聞いていたが、実際に現地に立って息をのんだ。八丁山の斜面も砥石谷側の斜面も上から下まで一面に倒木に覆われていた。その光景が、梨木大神の碑を越えてもずっと続いた。確かに歩く範囲は倒木が切られているものの、いったいこの山を片付けるのには何年かかるのだろう。10年では無理かも。それ以前に整備のお金が続かないよね。倒木はお金にならないだろうし。。。と、女性と憂いながら道を下った。倒木を避けながら歩くので、やはりすんなり歩けず時間がかかった。

PHOTO PHOTO
倒木、倒木の山 林道も破壊
PHOTO PHOTO
梨木大神の碑もこのありさま 呆然です
PHOTO PHOTO
もとに戻るだろうか 豪雨の後で大水

 最終バスは18時20分なので急がねば。女性にいうと、月の輪の登山口から1時間かかるから急がなくちゃと、俄然足早に歩く。林道も壊れて橋もひっくり返り、昨日まで続いた雨で流れる沢は水量が多くて転げ落ちたら流されそう。おしゃべりの口も閉じ、ひたすら道を急ぐ。月の輪を過ぎ、愛宕神社の入り口を過ぎ、気づいた時はバス停にいた。

PHOTO PHOTO
神社登り口に戻り ご利益ありますように

 17:37発のバスの行列に並び、無事阪急嵐山にたどり着いた。やれやれ。道中女性と名前も明かさなかったのが、ぽつりぽつり話すうちに、広河原の庄兵衛さんの愛好者であることが分かり、親しみがまし、最後に私がokaokaクラブの一員と分かって彼女がびっくり。Okaokaさんのファンで、ルートの情報などよく教えてもらっているのよ!ということが判明。帰りの電車の中で大いに盛り上がったのでした。

 Mさん、思いがけず一日をご一緒していただいてありがとう。楽しいひと時でした。またどこかでお目にかかれると嬉しいです。 暑い暑い愛宕山だったが、長雨に閉じ込められて体内に溜まっていた毒素が流れる大汗と共に排出、さっぱりしたのでした。これで夏も元気に乗り切れるかも。


                 【 記:ikomochi 】



KAZARI KAZARI KAZARI


KAZARI KAZARI