京都北山 コウンド谷からコウンド山へ 2020.06.27(土) |
谷川に沿って歩く |
2020年6月27日(土) 晴れ Ikomochi
コース: 出町柳発7:50広河原行⇒能見口9:40着~コウド口橋10:15=10:30~コウンド林道~桂の木の分岐11:35=11:40~尾根12:30~コウンド山13:05~尾根探索~早稲谷林道終点14:50=15:00~下の町バス停16:25=16:31発⇒広河原16:35=17:22発出町柳行バス コウンド谷からコウンド山へ初挑戦してみました。 ---------------------------------------------------------------- 痛めていた足の調子もまあまあ良いようだし、5時間ほどの山歩きなら耐えられそうな体力に戻った。梅雨の合間を見計らっていよいよコウンド谷に行ってみる。 出町柳のバス停に行くと、okaokaご夫妻が広河原行きに並んでいるではないか!再会を喜び道子さんと盛り上がる。そしてなんと、とうげみちさんも朽木行きバスに座っていて声をかけた。こうやってバス停で会えるのは嬉しい。 品谷山に行くというokaokaさん、初めてのコウンド谷やけど・・と情報を教えてもらう。「地図をみて歩けば行けるよ」と哲郎さん。お二人と別れ、能見口で下車。 かつては賑わった久多農協の廃屋が寂しい。「久多」の看板を見るたびに、とても遠くに来た感じがしたものだ。車道の道端には、エビガライチゴやヒヨドリバナ、フジバカマが咲き始め、ウバユリの蕾もあって、草むらをきょろきょろしながら歩く。ツルアジサイも咲いている。役の行者さんの祠に挨拶して能見集落へ向かう。
桑谷山への橋を過ぎると杉林に囲まれた能見川の清流が見渡せて、あー山里に来たなあ とほっとする。能見の集落は昔の山里の趣を残した懐かしい佇まいだ。穏やかに流れるせせらぎの写真を撮り、ライン友に送ると、「こどものころ遊んだ故郷の川に似ている♪」とすぐに返事がきた。どの人も癒される風景だと喜んでくれる。 でも、今回は携帯バッテリーがなくならないように搭乗モードにして、必要な時だけWi-Fiに繋ぐ。写真はデジカメで撮影。あっちをパシャリ、こっちをパシャリ、ぽくぽく歩く。久多峠が通行止めのため行きかう車はないから、のんびり歩く。 梅雨の合間の真っ青な空と濃い緑に囲まれて、気持ち良い。村はずれ近く、橋の手前でレーシング車が1台シャーっと下ってきた。「がんばってねー」と声をかける。すると、後ろから声がして、自転車マンが引き返してくるではないか。欧米系の男性が、「どこに行くの?」と英語で質問。「山に行くの」「おーホットだね」「あなたはどこへ?」「鞍馬までいく」「どこから来たの」「琵琶湖大橋を渡って朽木からきた」「おー ベリロング、ベリハード」男性が塩分タブレットをくれて「ハバァナイスディー」と別れた。全部ブロークンだけど、お互い物好き同士だねえ!楽しもうね という感じが伝わってほのぼの。
さあ コウンド山へ登るぞ。村はずれのコテージ群が見えると、そこはコウンド谷入り口のコウンド口橋だ。「Country Garden」の看板がかかり手入れされた花畑と草地、きれいな小屋が立つ別荘?の前で、ザックを下ろしておにぎり休憩。土手の木苺が熟れているのでいくつかほう張りながら、左の支流沿いの林道へ進む。
苔むしているけれど歩きやすい林道。10分ほどで倒木群が現れ丸木を越えたりくぐったり歩きやすい所を探しながら進む。障害物はそこだけで、あとは清流沿いの鬱蒼とした林道を快適に歩く。舗装道が終わると、深く彫り込まれた古道が続き、時に川を渡渉しながら奥へ奥へと歩む。
大きな栃が数本、ゆったりと枝を広げて立つ。谷間の奥のかなたにポコッと顔を出すピークが目的地だろうか。林道に取付いてから1時間余りで、広場に出た。根っこから株立ちだが、いったい何本の株が重なり絡まっているのだろうか、巨大な桂の木が1本、すっくりと立っていた。葉の陰影が美しい。倒木に腰かけて休憩にする。この谷はヒルの巣窟と聞いていたが、今のところ1匹も姿をみない。でも丹念にディードスプレーを膝から下に吹きかける。
さて、この分岐を右へと古道を進む。すぐに狭い谷の入り口に出て、大きな岩が重なり勾配を上げている様子。ここが道なんかなあ。あたりを見回すと、右側の尾根の上部が見えて、緩やかな斜面に大きな木が数本見える。芦生杉でもない変わった形状の巨木が、「こっちに登っといで」と誘ってきた。下草はないが歩きやすそうな斜面には獣道なのか 踏み跡なのか 細い道ができているし、岩が重なった水路のような 道のようなものもある。ここから尾根に登れそうや と、緩やかな斜面に取付いてみた。
歩きやすいところを探しながら、下から見えた巨木に近づいた。何人で囲めるだろう 太くずんぐりした幹、その先に腕のような枝が伸び、葉をみると杉じゃない、アスナロだ。鞍馬山でアスナロの大木を見たが、ここのはとにかく太い。枝は全部上を目指していて、緑の葉がもしゃもしゃ頭のように突っ立っている。
へえ おもしろいなあ。しかし、ここからがたいへんだった。上に行くにしたがって傾斜が急になり、私の新しい登山靴というかトレッキングシューズはほわほわのゴム底で、やわらかい土に蹴込みができないし、エッジも効かない。仕方がないので、トレッキングポールを支えにして細い獣道をジグザグによじ登っていった。下から見上げたらすぐに見えた尾根の上辺はまだまだ先で、汗を流しながらとにかく這い登った。
小一時間かけてたどり着いた尾根は幅が狭いが藪も少なく、歩きやすかった。明らかにピークに向かって登っていく という尾根で、踏み跡もある。30分ほどで山頂付近に着いた。境界表示が立っているが、ピークの少し東面に出たようだ。少し登り返して、コウンド山頂の枯れ木を確認した。
12月に来たときは冬枯れで見通しがよかったが、葉が茂った今はまた別の光景だ。尾根を東へ進んでいくと、次第に杉の木が密集して茂り、細い踏み跡が尾根へと登っていく。いくつかこぶを越えたあたりで引き返す。この道を行けば天狗峠に行けるのだろう。引き返し雪の日に見た東へ下る道を探しにいった。
今は緑に覆われた尾根へと、はっきりした道が延びていた。カヤンド谷に行くのだろう。ねじれたりからまったりした奇妙な巨木を幾本かみたが、雪の日に見た板取りの大杉を探したが見当たらず。途中で寄り道して登った斜面でへとへとになったし、もう2時近いので今日はここまでとして帰ることにした。
P951のわらび原を西へ進む。平たい尾根の分岐で、南へ行けば伐採地の林道に出るはずだが、丁度道の分岐点にあたるのだろうか、枯れ木に赤ペンキでマークしてあるのが気になっていた。枯れ木の南と西へと踏み跡が続く。
西へ向かってみた。捻じれた杉の古木や怪しげな姿の木が連なる。すぐに尾根の先端の傾斜地に出たので下ってみた。しばらく進むと、西側に一本高い尾根がそびえ、その尾根と斜面の真ん中に道のような土部分が見えたので、確かめに下った。 しかし、その土部分はたぶん谷の底地で、下りきってしまうと、目の前の尾根を登る羽目になる。もうよじ登る元気はないし時間もないので、今歩いている場所を等高線沿いに南へ回ることにした。杉の林を見ると、新しい熊剥ぎの木が数本連なっている。ますますヤバイ。急いでトラバースしていくと、足下のわらび原の中を緩やかに小道が登っていた。
小道に降りて道なりに次の支尾根に上がると、そこには新しい黄色いテープが自信満々にぶら下がっていた。古い掘れた小道を北へ進み、斜面の上から水路なのか道なのか分からない、でも多分「道」を、岩をつかみながら激下りした。ぽんと出たところは林道。すぐ上手には小さな滝が流れ落ちていて、たぶん先ほど覗いていた谷底を流れてきたのだろう。
下りた林道がどのあたりなのかわからないので、先へ進んでみた。すぐに早稲谷林道の終点につき、その先の大岩を乗り越えると、そこは小野村割岳への登山道だった。現在地が分かったので、林道を下る。くねくねくねくね、灌木が道を覆いよけながら歩く。アカメガシワなのだろうか?クサギは臭いから違うなと、枝を押しのけ歩く。
この調子で下までびっしり生えていたら難儀やなあ。ところが、林道が二股に分かれているあたりから、灌木は低く刈り取られていて歩きやすくなった。大破したコンクリート橋を越え、大岩が谷を押し流し荒れ果てた栃の大木(根がむき出しなので心配したが、生き生きと葉が茂っていた)を越えてどんどん下り、下の町のバス停に4時半前に着いた。
丁度広河原行きが来たので終点まで乗った。品谷山に行ったokaokaさんが庄兵衛さんに寄っているはずで、私が帰りに寄るかもと話しているはず。無事に下ってきたと顔をみせないと庄兵衛さんが心配する。 先週雲取山を下り損ねてT子さんのお宅に裏口からお邪魔した話を報告しながら、温かいコーヒーを入れてもらった。「またあ 一人で山に来ちゃダメでしょ!」と庄兵衛さんに小言を言われ、汗臭い服を着替えた。 初めてのコウンド谷、ヒルには会わず。T子さんが、最近鹿が少なくなってヒルも少ないようだと話していたが、ヒルにも少しづつ異変が起きているのか。 百万遍で銭湯に行き隣の王将で餃子&ビール、ゆっくり地形図を眺めてその日の自分の軌跡を反省するのが決まりのコースだが、桂の分岐からよじ登った斜面は200m弱の高低差だったようだ。疲れたはずだ。赤いペンキから直進した道は、P951の平べったい尾根の西部分だった。 哲郎さんに、「なんでikomochiさんは素直に地図見て登山道を歩けないのかね!」と言われそうだが、P951の尾根は古い道が入り組んでいて、なかなか探索し甲斐のある場所だ。 ここの山頂尾根もWi-Fiが通じるので、巨木群をラインで送ったら、「こんなところが京都市内にあるなんて!」「奄美大島の自然林みたいや」と喜んでもらった。しばしこの山域をうろつかせてもらおうと、わくわくしながら帰宅したのです。 【 記:ikomochi 】 |
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