室堂から黒部周回(2)

2020年10月5~7日
(洛西オヤジ No.271_2)

思わず吹き出しますね~ 仙人池で
(情けないカッコやなあ~なんでヘル被ってんのん?)


2020年10月5日~7日  洛西オヤジ

アクセス:
・毎度ながらの湖西で高島から敦賀ICへ、北陸道立山ICから立山駅前駐車場(車中泊)

コース:
・10月5日 立山駅前からケーブルとバスで室堂へ
室堂ビジターセンター雷鳥沢―別山乗越―劔沢小屋(宿泊)


・10月6日
劒沢小屋―劔沢―真砂沢ロッジー仙人新道―仙人峠―仙人池ヒュッテー仙人温泉―雲切新道―仙人谷ダムの上部登山道沿い洞くつにてビバーク

・10月7日
ビバーク地から仙人谷ダム(人見平宿舎)ー阿曽原温泉―下の廊下(水平歩道)―欅平トロッコ駅
トロッコにて宇奈月温泉―富山電鉄にて立山駅に戻る。






初心者オヤジ病み上がりで13時間(なんのこっちゃ)挙句の果てにバットマンに襲われながら(ハアー?)。洞窟ビバークとアドベンチャーな退院記念歩きとなりました。

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 ■10月6日

 おはようございます。剣沢小屋の朝食は5時、今回は誰も2~3時の出発はいなかったみたいです。天気はよさそうです、さてどうするか登頂の一般的なルートは剣山荘から稜線にとりつき一服劔、前劔、平蔵コルからタテバイ経由山頂でしょうか、後は源次郎尾根でしょうか、どのみちこの時間から登頂となると室堂まで戻るのはオヤジでは厳しいので、御前小屋へ戻る稜線か雷鳥沢でビバークとなりますね~。

 頼めばもう一泊、劒沢小屋に泊まれると思いますが、一応5日が最終とゆう事なので最初からそのつもりで出てきています。朝食を済ませて新平さんに又来年の予定を確認(どうやら5月はダメみたいです)又顔見せにきますと約束して出発です。(おいおい出発はええけどどうすんねん)

 剣山荘からのルートは皆さん結構行くみたいですので、とにかくいつものように劒沢を下って源次郎に向かいます。全く雪渓はなく平蔵の出会いあたりにかろうじて雪渓の残骸が現れます。源次郎の取り付きが対岸に見えています、いつもの大岩も完全に全容を見せています。

出発です
まだこの時点では登頂のつもりでしたが
(なんや?)
雪渓のない劒沢を下っていきます
今回初めて劔が見えました 雪渓と呼べるほどのものではありませんね~
平蔵出合の大岩です
全容を見たのは初めてです
平蔵谷です

 そんな時、急にそうや~このまま真砂まで下って仙人池まで行くかあ~、まだオヤジは未踏なんです。幸い胸の痛みも無く調子もよさそうなんで、そやそやこの際因縁の阿曽原温泉から水平歩道で欅平に出るかあ~(お前ホンマにアバウトやなあ^大丈夫かロングになるで~明日家に戻れるか?)

 そうなんです、明後日はバイトなんですが、え~いこの際いてまうかあ!戻れなんだら無断欠勤やあ~(仕事無くすでー)とゆうわけで又前ぶりが長くなりましたが、急遽劔の周りを一周黒部の最深部へ行くことになりました。(知らんで~しらんで~)

源次郎尾根とりつきです 長次郎谷です
真砂沢ロッジが見えてきました。 真砂沢ロッジです
リュックおろさず先を急ぎます

 いつもと違う平蔵谷出会い、大岩、長次郎谷、なかなか新鮮な感じで見ながらチンタラ下ります。紅葉は今が最高のタイミングで、もう登頂の気分はどこかに吹っ飛んで、ひたすら仙人池を目指します。ワクワク(すぐに着く思てるやろ、甘いわ!)おっしゃるとうり仙人池は遠かった~。

三ノ沢の表示が見られます 黒部ダムへの分岐です
八峰主峰直下です これが吊り橋?
二股の分岐から八峰を見上げます 三ノ窓雪渓です
上部はまだしっかり残っているみたいです

 仙人新道をもがいていると若い男性が追いついてきました、劒沢で怒られた(なんかドローンを飛ばしていた二人連れのガイド?)以来初めての登山者との遭遇です。ちょうどベンチの休憩ポイントです。リュックを降ろして話をしました。若い男性はみくりが池温泉で働いているとのことです。

 朝5時前に出発してきたとの事です。ものすごいパワ―ですね~、雷鳥沢を登って劒沢小屋出発のオヤジに追いついてきたのですからね~、今日は仙人池ヒュッテで泊まって、明日みくりが池の職場に戻るそうです。休憩を済ませて先に出発していきましたが、アッとゆう間に姿は見えなくなりました。しかしこの後、仙人池ヒュッテでもっとすごい人が待っていました。

八峰を引っ張りました 厳しい急登ですが
紅葉(黄葉)最高のタイミングに癒されます
残念ながら開いていません 仙人池ヒュッテがやっと見えてきました

 ようやく仙人池ヒュッテに着きました、もう13時です。若い男性と女性の従業員さん二人がおられました。念のため宿泊は可能か尋ねましたが、やはり無理とゆうことです。何か食事ができないか尋ねると、ラーメン(インスタント)ならとゆうことで頼みました。先に到着している、みくりヶ池温泉の男性ともう一人男性が池の前のベンチで話をしています。

仙人峠です
池の平小屋は劒北方尾根への基地です
池の平小屋も気になりますが
今日は仙人池へ急ぎます
もう正午をはるかに回っています
仙人池とうちゃこ~ 仙人温泉に向かいます

 最初知り合いで、ここで合流したのかと思いましたが違うらしく、聞くと早朝、いや真夜中に欅平を出発、水平道から阿曽原を通過してここまで来たとの事ですが、スゴイの一言に尽きます、この時点では判らなかったのですが、この後のオヤジが歩く、いや歩いた体験からそのルートがいかに凄いか、男性は30歳?~40歳代でしょうか、この後真砂ロッジで泊まるそうですが、もうスーパーマンみたいなものですね~。

 さてオヤジはこの後どこでビバークするかですが、小屋の若いニーチャンに聞くと、仙人温泉小屋(閉鎖ですが)まで2時間、阿曽原までは6時間とゆうことです(老いぼれなんでちょっと余裕かましてくれたみたいですが)明日の欅平トロッコに乗るには出来るだけ進んでおきたいのですが、(最終16時43分)阿曽原までは無理でしょうね~(実際この後のコースの凄まじい状況は、オヤジでは絶対無理でした)さ~ラーメン食べて仙人温泉に向かいます。

厳しい下りですが
こんなのは序の口でした
約2時間仙人温泉小屋到着ですが
もちろん閉鎖中です
(コロナでなくとも?わかりませんが)

 仙人温泉小屋から沢を渡渉して、対岸の湯煙が噴出している仙人温泉を通過して、30分弱登り返します。尾根ピークですが、この先がもうとんでもない事に、ハシゴ、ロープがズート続く激下り、ロープはなるべく頼らずになどとは言ってられません、しがみついて下ります。仙人温泉―仙人谷ダム雲切新道と呼ばれる難所です。話には聞いていましたが、は~あ~(なんやねん)下り2時間登り3時間半となっていますが、とてもそんな次元ではありません、もろに応えました、写真全く撮る余裕ありません。

広い沢の対岸に湯煙が上がっています
仙人温泉です
仙人温泉です
仙人しか入れないでしょうね~
仙人温泉から登り返してきました
だんだんと写真撮る余裕がなくなります
ここからが本日最大の試練
雲切新道の激くだりです

 何とかダムの施設が見えてきましたが、まだまだ遠く、そのうちに17時を回ると極端に周りが暗くなってきました。危険な状況です。もちろんヘッデン点けての下降ですが、ビバークのポイントが見つかりません、ダムまで降りられたら何とかなるのでしょうが(実際は施設内はテント禁止でしたが)。

 もう余裕がありません、そんな時結構広い沢に丸太の橋が架かり、その対岸に洞窟らしいものが見えました、何やら丸太の資材が置いてありますが、入り口付近に何とか体を横になることが出来そうなスペースがあります。ここしかない!おー神様~(こんな時だけ頼るなあ!)。

ロープはなるべく頼らずに
などとは言ってられません
完全に日没、丸太橋の先に洞窟が見えます

 時刻はもう18時30分、劒沢小屋5時半過ぎに出ましたので13時間、病み上がりのオヤジ完全にダウンです。リュックを降ろしてここならツエルトをセッティングせずにビバーク出来そうや、ヤレヤレとその時いきなり洞窟の奥からバタバタと、ナンヤ、なんや!蝙蝠が4~5匹飛び出してきました。いきなり中からバットマンの襲来、なんや!びっくりするがな~。本日のビバーク地です。シートを引いてシュラフとシュラフカバーに潜り込んでお休みなさい。

何とかここなら雨、露凌げそうです 本日のビバーク地です

 ここはUSJスタジオかあ!デズニーランド恐竜ゾーンかあ!びっくりするがな、おっかなびっくりで洞窟の奥に入り、ヘッデンで見ますが奥まで届きません、相当深い洞窟です、まあもう蝙蝠はいないみたいで、とにかく疲れて洞窟探検どころではありません、何とかお湯を沸かしてアルフアー献立エビピラフを胃に掘り込んで、シュラフに潜り込んで(持ってきてよかったあああ)長い一日でしたあ~ようやくおやすみなさい~。



【 記:洛西オヤジ 】