大見尾根お鉢周り //京都北山
2021.03.27


 
大見の大桜


令和3年3月27日(土) 晴れ  小てつ単独


コース:
・大見三叉路手前空き地デポ~小野谷峠~P771~P877~鯖街道~P822~鯖街道オゴシ215電柱~デポ地


 各地で早い桜開花の情報と言うことで、いつもの年よりも2週早く、大見尾根のタムシバの様子を見てきました。



 朝はいつもよりも遅く、7時半に出発する。川端通の桜を見物するのに出町柳を通過していく。(朽木行きのバスのことばかり頭にあって、広河原行きを忘れていた。ちゃんと見ておけば「とうげみちさん」を見つけられたか??)。

 川端通の桜は8分咲きといったところだろうか?となると、大見のタムシバはまだまだだろうと稲妻号を走らせるが、大原の焼杉山あたりのタムシバは、ポツリポツリと咲き出しているのを目にするようになる。

 パブリックゴルフ場のところで朽木行きのバスに追いつき、バスが端によって抜かせてくれるので、追い抜きざまにバスの中の様子をうかがうと、立っている乗客がいるではないか!京都バス、ええかげんにせえよ!完全密やんか。おばはんの団体とかいて、しゃべくりまくられたら生きたここちせ~へんで。

川端通は8分咲き 大原は5分咲き

 小出石で折れ、酷道477に入っていく。標高があがっていくにつれ、景色は冬へと逆戻りをしていくが、それでも木々の枝先には、ほのかに色があるようだ。

 いつものように大見の三叉路手前の空き地に稲妻号を置かせてもらい、ダッシュボードに「登山者です」の紙を置き、準備をして出発する。

 三叉路すぐのおばあちゃんの家のトタンが剥がれてしまっていて、屋根に大きな穴が開いてしまっている。毎年夏の間には、一人帰ってきて暮らしておられたのに、これではもう住めないだろうなぁ。

 道ばたに、手書きの看板があって、先にキャンプ場を作ったみたいだ。ちょっと奥地すぎて、お客さん来るかな??。

大見はツボミ硬し まだスイセンすら咲いていない
大見三叉路 かわいい手書きの看板

 なにかすっきりとしたような林道分岐を、小野谷峠の方に進んでいく。地面には鹿の足跡しかなく、もはやどこが道であったか定かでは無い。水たまりには、まだカエルの卵は無いのに、もうイモリが待ち受けている。

 沢沿いの古道をたどっていると、翼幅が2mはあろうかという鷹が、脇から飛び出してきた。以前もここらへんで見たことのある大きな鳥だ。(イヌワシかクマタカだと思う)いったい何があったのだろうと、飛びたったところを見ると、子鹿の亡骸があった。もう内蔵は食いつくされて、あばら肉が残っているくらいになっていたのをつついていたんだ。

イモリが待ち受ける 沢沿いに古道がある
昔の八丁平の湿原を思わせる

 例年なら4月中頃まで残雪を見る小野谷峠あたりにも、まったく雪は残っていない。峠の木に、赤いガムテープを見る。見れば「伏見U」とあり、御丁寧に日付まで書き入れてある。この御仁、このあたりを度々歩かれているのだが、だいぶん癖が悪いようだ。

 読者の方の中には、京都北山の地図に、行ったところなどをマーキングして、塗りつぶしていくのを楽しんでおられる方もいるかも知れない。小てつも昔、愛宕の地図を塗りつぶしていた時期があった。この御仁は、どうやらそれをリアル北山でやっているようだ。かなり前から見かけるので、結構お年と思われるのだが、「山でとっていいのは写真だけ。残して良いのは踏み跡だけ。」ちゅう言葉を知らんのかい。

 峠の南斜面を登っていく。ここで今日のお目当てのひとつであるマンサクの花を見かけるのだが、高い木だったので、まだ先にたくさんあるだろうと写真を撮るのをやめておいた。(これが後で後悔することになる)。

キンキマメザクラがほころびかける 小野谷峠

 稜線に登り詰めるとこっちのもの。あとは少々のアップダウンで、振り返っては峰床山や桑谷山の同定をしながら南下していく。落葉が雪で押し潰れなかったのか、落葉したてのようにフカフカで、くるぶしまで靴が埋まる。

 今年は、こちらの尾根の栗の木という栗の木に、たくさんの熊棚を見る。(去年の秋に来なくて良かった)これほどの熊棚はみたことが無い。鷹と言い熊と言い、ここはいちおう京都市内なので、改めて京都北山の奥深さを感じてしまう。

タムシバもほころぶ 落葉に靴が埋まる

 順調にP771、P877とたどってきたが、ピークハンターさんの標識を見かけなかった。裏愛宕の標識は最近つけなおしてくださったと言うことなので、こちらの方面も、よろしくお願いしたいところだ。

 オフロードバイクの音が聞こえてきて、鯖街道の林道に近づいたようだ。尾根分岐を東にとって林道に降り立つ。朝が遅かったが、ここで11時20分。少し遅れるけど、お昼はいつものP822でしようと、対岸の尾根に取り付いていく。

栗の木に熊だな まだつぼみのものも

 いくつかのデコボコをたどっていると、今日のお目当てのもうひとつのダンコウバイをやっと見つける。前にはダンコウバイもうええわちゅうくらい見かけたのに、今日は全行程で2本の木を見かけただけ。咲いていないだけなのか、減ってしまったのか?マンサクも結局、小野谷峠近くで見た一本だけだった。

 陸地谷のタムシバは、まだ咲いていないようだ。ただ、もうほころんでいる木と、まだまだツボミ硬しのものが混在していて、一斉にということにはならない年になりそうだ。三年前だったか、遅くまで寒くて、いっきに暖かくなり、春の野草が一斉に咲いて、一回の山行で全部の花が見れたなんて年もあったのに・・。

 もはや小てつにしかわからなくなってしまっている「熊に倒されたブナの木」を目印に、P822へ登っていく。ピークに12時10分着。

 早く廻って来れたので、お昼はゆっくりしようと、いつものお茶漬けだけど長い目の休憩をとる。それにしても鉄塔の無い杉峠付近は、しまりが無いなぁ。30分近くゆっくりして立つ。

 前回Tさんをお連れしたときには行くのをためらったが、今日は二つ目の鞍部で西にとり、谷を降っていく。「春に花咲く大木」を見に行ってみることにした。

やっとあったダンコウバイ P822のケルン

 もう枯れてしまい見るに忍びないと思っていたが、先日、「とうげみちさん」が写真を掲載してくださり、まだ面影を残しているようなので、行けば元気だったころを思い浮かべられるかも知れない。

 尾根の先端に「春に花咲く大木」は残っていた。おそらく「エドヒガン桜」と思われるのだが、高島にある有名な木とほぼ同等の大きさなのではないだろうか?4日かけて捜索した時に、まわりにも何本か大きな桜があるのは見つけたが、生えている場所のシュチエーションが抜群なのと、横の広がりがあるのはこの木だけだった。別格だった。

 亡くなった小父さんが、「わしが死んだら、骨をこの木の周りに撒いてくれ」と言っていたが、小父さんが存命している間に、木の方が先に枯れてしまった。

 桜が元気な頃には、根っこをふんだらアカンと思って近づかなかったが、今日は近くにより、幹に触ってねぎらっておいた。まるで北山の主であった小父さんに、最後の咲いている姿を見せて枯れたのだから・・。炎が消える前のろうそくのような何シーズンかを、小てつも便乗させてもらえたのは光栄である。

 北の植林地の谷へ向う。久しぶりに鹿の落角をひらう。そう言えば、最近ネットに絡んで死んでいる鹿は見んなぁ。(オリに入っているのは見るけど)。

久しぶりに鹿の角をひらった

 倒木はあるものの、この谷は降っていけてP822から1時間かからず鯖街道の林道に乗り上げる。オゴシ215の地点。あとは林道をたどってデポ地に帰るだけ。畑では畦を準備されている。

かやが刈り取られすっきり 小出石のフサザクラは終わっている

 今週はずっと暖かいようで、大見のタムシバは今週末から来週あたりが見頃になりそうです。