八丁大道・東塚谷峠への古道 2021.03.22 |
深く掘れた東塚谷峠 |
2021年3月22日(火) 晴 長岡山人
注意:
・古道は、半分以上が崩壊し、急な山腹に靴のエッジを立ててトラバースします。 ・山に慣れた人が古道を追体験するコースであり、初心者は歩かないでください。 八丁林道から尾根筋の八丁大道に登る道は、地理院地図の破線路には発見できない。Okaokaご夫妻が確かめられたとおりである。(2020.11.12) 東塚谷峠から西側に降りる方向には、最初は立派な古道が認められる。しかし、森の旅人さんが報告されたとおり(2014.9.13と2009.10.4)、途中で崩壊しており、谷筋をむりやり降りざるを得ない状況である。 末尾に記す通り、金久昌業氏や渡辺歩京氏の著書では、古道が通じていることが書かれている。ネットでも歩かれた記録が散見されるため、確かめてみた。 ヒルの出る時期を避け、雪解け後で下生えが無い、この時期を選んでチャレンジした。末尾に、略図を付し、経由地点を記し、文中に引用したので、参考に見てほしい。
金久氏や渡辺氏の記録では、八丁林道の自転車小屋の横(南側)から登るとされている。八丁林道の東側に、「芦谷 上弓削区所有林」と書かれた看板がある。(H=420m) そこに細長い平地があり、自転車小屋跡と思われた。登り口である。 谷川の左に、かすかに踏み跡らしきものがあったので、進んでみた。森の旅人さんがミカエリソウと紹介される植物の枯れたものが群生しているので、かき分けながら進む。春以降は群生して、進入意欲がわかないであろう。
谷筋をH=470m付近まで登ると河道と重なり、急になる。道は河道には付けられないため、その手前で左側(北側)の山腹に折り返す箇所があるはずだが、発見できなかった。適当な場所に取り付き、尾根筋をめざし、登れるところを登っていく。 古道は尾根筋に発見された。だから、谷筋を登らなくても、急登ではあるが、最初から尾根筋に取り付くのも方法であろう。H=450m付近には赤テープがあった。
とにかく、尾根筋をH=485mまで登ると、立派な古道に出合える。この地点(C)を目標にすればよい。古道は、右下の谷から上がってくる。 それをたどって下ってみたが、まもなくB地点で古道は崩壊し、後がたどれなくなる。かすかに、山腹をトラバースして下っていく踏み跡がある。A地点(H=465m)まで下ると尾根筋に出合う。このトラバースの途中に、虎(黄黒)テープがある。 A地点は、登る方向からは特定しにくく、旧道を下り方向に追いかけた時でないとわからないであろう。
さて、古道に出合えたC地点から、山腹をトラバースするように道は進む。これはしめしめ、大発見と心躍らせるが、D地点(H=500m)で古道は途絶える。そこには虎テープがあり、その先、やや上にも虎テープが巻かれている。その地点から道らしきものはなく、かすかに踏み跡らしきものが発見できるので、靴のエッジを立て、山腹をトラバースしながら進んでいく。
谷筋を横切ったなと思える先に、Eの折返点(H=515m)地点がある。その上部には平地が見え、斜めに登っていく。平地の左端(F)、H=520m地点まで進むと、折り返すように、平地の上部を回り込んでいく踏み跡がかすかに発見できる。木が生え込んでおり、通れそうに見えないが、足元には半ば崩壊した踏み跡が発見できるであろう。
G地点(H=530m)まで進むと、折返点になり、ここからは道がはっきりする。H地点(H=540m)まで進むと、赤テープが残る最後の折返点になる。 ここからは倒木をまたぎながら、古道を登り、東塚谷峠にたどり着く。
久しぶりに古道探索をした。 京北町から、鴨瀬谷山や廃村八丁方面にアクセスする歴史ある道なので、踏み跡が増えて、安定すると良いのだが。
≪過去の著作から≫。 〇 『北山の峠(上)』(金久業昌 昭和53年 トラゴシ峠の項)。 八丁林道を二キロ程奥に入ると、右手に屋根のついた細長い自転車置場があり、その手前に山に入る細い道がある。ここが鴨瀬越の取付点である。この道は峠まで杉林の中の道で、かなりの急坂である。峠に登りつくと・・・・・・(以下、略)。 〇 『京都北山2』(昭文社 山と高原地図 説明書の八丁大道の項 調査年は不詳)。 下りついた鞍部が東塚谷峠である。ここからは左に西谷流域の奥付谷に下る道もあるが、右に鴨瀬谷に下る。上部は伐採地で伐り残された二本の杉がすっくと天を睨んでいる。谷沿いに植林地を下れば八丁林道の自転車置場のところに出てくる。 〇 『続・北山の道』(渡辺歩京 昭和56年 廃村八丁の項)。 よく踏まれた落葉の道で、八丁大道とも呼ばれる。(中略) 伐採地に出て少し下ると、左に道があるがかまわず、右に折れて下る。杉林の中のジグザグ道になり、右に小屋のある八丁林道に出る。
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