オサ谷(北山花背・大布施) 2021.05.04 |
魅力的な渓流が連続 |
2021年5月4日(火祝) 快晴 長岡山人
コース: ・大布施9:30-オサ谷入口9:40-林道終点10:30-炭焼き窯跡11:15-右俣へ11:45-尾根へ12:20-くまさ山12:30-三ツ又山12:50-ハタカリ峠口13:15-寺山峠13:50-花背高原バス停14:30 (調査、休憩時間を随所にはさむ。) 北山・花背の大布施の南方に伸びる谷の一つがオサ谷である。歩行記録が発見できなかったので探索してみた。魅力的な渓流が連続する谷であった。隣の、イナヤ谷右俣より歩きやすかった。(2016年6月に報告) 砂防工事が入らないと昔の谷の良さが残される。 渓流の遡行なので、岩登りの基礎がない人には危険である。道もなく、岩は滑りやすい。水の入らない靴を履き、雨後は避けたほうが良い。下草も多く生える谷筋なので、ヒルの出ない時期を選ぶべきだろう。 歩行にベストな時期の写真と受け取ってほしい。
大布施のバス停を降り、府道を周山方面に500mほど進むと、南に入る谷がある。橋を渡って進む。 まだ、桜が残っていた。 (橋を渡って、右の山すそに林道が伸びる。その林道を進んで、山を回り込んだところが、尾根道の取付きである。尾根への取付けは谷の少し奥にもう一カ所ある。)
民家の間を進むとすぐに分岐がある。左はイナヤ谷だが、今日は、右側の橋を渡り、オサ谷を進む。 しばらくはこの歩きやすい林道が続く。
H=440mに倒木が続く箇所がある。この西側に、尾根が緩やかに這い降りており、ここが第二の尾根道の取付きである。最初だけ緩やかだが、上部は急登になる。
H=470mの西側に、尾根に導くピンクテープがある。これは、北山分水嶺クラブが発行するトレッキングマップに破線で記載されている尾根道取付き場所である。 しかしこの場所は取付場所として適当でないため、テープに惑わされないこと。
H=520mで林道は終わる。以後、本格的な渓流登りである。水際の歩きやすいところを選んで登る。 小滝は手掛かり、足掛かりを探して、慎重に登る。 次はどんな滝か、ワクワクしながら、一つ一つと登っていく。滝が登りにくければ、脇の高巻けるところを探して登れる。 稀にテープもあり、見つけると嬉しい。
H=675mに炭焼き窯の跡があり、平地であるので休憩する。 滑滝も随所にあり、慎重に登る。倒木くぐりも何ヵ所かあるが、仕方がない。 谷筋から少し上に、昔の道跡が所々に発見されるが、通しては残っておらず、谷筋を進むのが早いとなる。
H=730mで、谷は東西二股に分かれる。北山分水嶺クラブのマップでは東俣に破線が入っているが、傾斜が急で倒木も多いため、西俣に進む。 ここから流れは細くなる。
西俣を詰めていくと、水は無くなり、河床は砂が溜まって太くなり、歩きやすい。 谷のすぐ上には、かなりはっきりとした踏み跡が残るようになる。 昔は、谷底の少し上を、通して歩ける道があったようだが、上から見た時でないと発見しにくいだろう。
上部に、稜線と空が見えるとゴールが近くなりであり、登る力がこもる。 未知の谷の不安はあったが、難所は無く、通して順調に上がってこられた。
登りついたところは、近年、「くまさ山」と呼ばれる880mピークの北側鞍部である。 ここから北側の尾根は、オサ谷西尾根であり、かなりの人が歩いているようだ。踏み跡がしっかりと付いていた。(登り口は既述)。 滝の立派さでは、隣のイナヤ谷西俣が優れる。しかしイナヤ谷は最上部が荒廃しており、最後の急登が登りにくい。 オサ谷は、斜度が平均しており、比較的マイペースで、息もさほど切らさず、最後まで渓流登りが楽しめる点が素晴らしかった。
(周辺の地名について) この周辺の最高地点、P900ピークは、かつては高瀬山と言われていたが、最近は北雲取山と呼ばれることが多い。その北方のP829ピークが高瀬山と呼ばれている。 P900ピークの東方のP880ピークを「くまさ山」と、さらにその東方のP890ピークを三ツ又山と呼ぶことも定着している。本稿もその表現に従った。 疑問なのは、ハタカリ峠である。長年、金久昌業氏の著作や昭文社の北山地図で表現された場所が定着していたのだが。 近年、北山分水嶺クラブのトレッキングマップでは、その場所は「ハタカリ峠口」と表記され、三ツ又山の南方に「ハタカリ峠」が表記されている。峠のあり方としてはその方が妥当であろう。つまり、大布施からイナヤ谷東俣を遡り、三ツ又山の南を乗り越し、灰屋口へ結ぶルートがハタカリ峠であったのではなかろうか。
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