金糞峠から舞子の浜を眺める
連日の猛暑にばてばて、少しは涼しいかと比良へ行ってみたが。
コース: 京都駅7:23発湖西線→比良8:09着=比良登山バス8:20発→ イン谷バス停8:32着~正面谷~青ガレ10:00~金糞峠11:00~ヨキトウゲ谷へ~中峠直下12:30~金糞峠14:00 |
なんとまあこの暑さ、しかもまだ7月になったばかりというのに連日40度近い日々で身体が追い付かない。比良に行けば少しは涼めるかと金糞峠に向かった。
イン谷行きのバスは満員で、イン谷口にも車がずらっと駐車。今日は登山者が多い。さっさと歩き始める人、体操する人、方角も様々であっという間に周囲の登山者は少なくなった。少しは涼しいかと期待した正面谷も、もわーっと湿気と熱気が籠っていて、歩くほどに身体が重たくなっていく。
イン谷口の駐車場は満杯 | 草いきれで暑い |
バス停からゆるゆると長い坂が続く。大山口の分岐を過ぎ、勾配が急になるとますます足が重い。どんどん追い抜かれる。こんなに足が重かったら上まで行くのは無理かも。もう帰ろうかなあとのろのろ歩く。
上から下山してきた同年輩の女性に、「朝早いですね。どこまで行ったんですか?」と声を掛けると、ガレ場の途中で引き返してきたとのこと。「もうしんどいし帰ろかなと思案してるんですよ、青ガレも暑いだろうしねえ」というと、「せっかくやから青ガレの入口まで頑張って」と励まされ、そうやねえここまで来たことだしと、気を取り直して前進。
1時間以上かかってやっとのこと青ガレ入口の滝に着き休憩。数人の男性たちが汗だくの身体を拭いている。水しぶきの冷気を浴びると少し元気が出た。大きなザックの男性に、どこまで行くんですか?と聞くと、今日は八雲でテン泊、アルプス縦断に行くのでその練習に登ってきたけれど重いザックが堪えるとのこと。その男性とは後になり先になりと励ましあいながらガレ場を登ることになった。
青ガレ取付き 汗だく | 青ガレは灌木が生い茂り意外に涼しい |
ヤマトウバナ | 訓練の男性と励ましながら登る |
水場で少し楽になったので、青ガレに取付いてみる。あれれ 意外に木立が増えて日陰が多く涼しい。太陽に焼かれた岩場を想像していたので、これは楽かも。青ガレの中心部も砂地が露出し、暑くない。結局どんどん高度を稼いで1時間弱で金糞峠に着いた。谷から吹き上げる風が涼しい。縦走練習の男性は大きなザックを下ろして座り込んでいるので、挨拶して先へと急ぐ。
金糞峠から琵琶湖を望む | 奥の深谷源流を中峠へと向かう |
今日はヨキトウゲ谷に入る。その先は中峠からぶなへ行くか、体調次第。奥の深谷源流域の水は清んでいて釣竿を担いだ2人組が釣り場を探している。比良の谷で渓流釣りする名人がいて、どの淵にイワナが何匹いるか全部把握していると聞いたことがある。山に入る目的も人さまざま。私には水中の魚影を見つけることすら難しい。
中峠へ ヨキトウゲ谷を進む | 青い瞳のギンリョウソウ |
コアジサイ | コヤマノダケへの分岐を見ながら |
金糞峠から八雲方面に大半が向かい、ヨキトウゲ谷には一人で進む。奥の深谷分岐からじゅくじゅくの泥の道を北へ。途中でコヤマノ岳分岐を見ながら狭い谷間を前進する。苔むした沢は小滝群が次々に現れて心地よい。青いコアジサイが涼し気。遠くでキョロキョロキョローーとアカショウビンの鳴き声がして、ああ来て良かったなあと嬉しい。木の根道をよじ登っていると、足元に白いものが。ギンリョウソウだ。なかなか見る機会がなくなった。幽霊みたいと言う人もいるけれど、白い壺の中の青紫の瞳が好き。
美しい沢が続く | 小滝群 |
苔むした岩が心地いい | モミジチャルメルソウ |
ヨキトウゲというのでどこかに峠があるかと思うけれど、無いそう。この谷に真冬の積雪時に突っ込んだS先輩は、雪の中で寒中水泳して這う這うの体で脱出したという。狭い谷間の吹き溜まりは半端じゃないだろう。今冬のブナの遭難でもヨキトウゲ谷に入り込んでのことがあったらしい。初めてのブナ登頂後、出会った人にヨキトウゲ谷コースを聞いて予定を変更して突っ込んだらしい。積雪時の山の下調べと情報不足、甘いコース変更の危険を遭難の原因と指摘されている方がいた。
ずっと緩い登りの谷間を中峠目指して歩く。もう少しで中峠というあたりでもうお昼になり、休憩。ぼーっと沢音を聞き、緑一色に染まった景色を眺めていると、正面谷を登っていた時のしんどさが吹っ飛ぶ。もう今日は満足。ここまで十分。
中峠の稜線が見える | オカタツナミソウ |
なんという緑の谷なんだろう | ミヤマガマズミ |
上から男性2人組がどすどすと下山してきた。ブナに行ってきたとか。先を急いで行った。なんかなあ みなさん 周囲を楽しむことがないのかなあ とちょっと悲しいけれど、山に来る人の目的は様々でいいのです。アカショービン また鳴き声を聞かせてくれないかなあ と耳を澄ましながら下山にかかる。金糞峠に帰ると三々五々下りの人たちがやってくる。
奥の深谷源流 | ショウジョウバカマの種 |
峠で湖から吹き上げる風に涼み、お茶休憩。ぼちぼち下りましょうか。4時のバスにも間に合いそう。こんなのんびり比良もいいもんだなあと、金糞峠のてっぺんから青い琵琶湖を眺めたのでした。
金糞峠 |