大原原産 赤紫蘇保存地
連日平均体温越えの暑さ、事務所のクーラーも外気温が高すぎて効き目が悪く、頭上から生温い風が吹くので頭がぼーっとしている。谷筋に行けば少しはすっとするかと、大原の滝巡りに行った。
コース: 国際会館バス停9:35発大原行き→大原 9:57着~音無の滝10:45=11:00~二ノ滝11:20~三ノ滝11:50=12:10~大尾山取付き12:40~音無の滝14:00=14:30~宝泉院15:00=16:20~大原バス停17:00発国際会館行きバス |
こんな暑い日には「そうだ!たきめぐりだ」と暑さ疲れの重い身体を引きずってバスへ。国際会館行きは行列で慌てたが、途中で下車していくので終点大原では数人の下車。呂川沿いの沢音と緑が涼しそうな道を登っていくが、アツい!どこに行っても暑い。
律川沿いに三千院へ | 青もみじをくぐり抜けて |
三千院の青もみじのトンネルも湿気が籠っていて暑い。音無の滝に着いてやれやれ、滝の音をビデオ録画したりしてしばし涼んで遊ぶ。
音無の滝 | 滝で涼む |
さて、久々の北谷川滝巡り。短いけれど滝あり渡渉ありのきれいな谷はお気に入りで、四季折々訪れていたが、2008年豪雨で両側からの倒木と斜面の崩れで狭い谷は埋まってしまった。2010年に来たときは少しは倒木も片付いてはいたものの、道もふさがれ、二ノ滝の巻き道は崩れて危険なことに。瀟洒な谷の面影がすっかり消えてしまった。
滝越えの道 | 滝口から滝つぼを覗く |
その後毎夏台風大雨と災害が続き、徹底的に荒れてしまった谷は昔の姿に戻るには長い時間が必要だろう。いや、もう戻らないかも。
滝の上流へ | 沢を渡渉しながら進む |
音無の滝の上流に上ると、滑石の上を清んだ水が走りきれいな沢になる。ここは冬場は凍るのでそれも楽しみにしていた場所だ。マツカゼソウがまっしろの花をつけて夏の終わりを告げる。それにしても道が荒れていて渡渉地点を探す。
山道になってくる | マツカゼソウ |
二ノ滝の上部の巻き道は倒木と崖崩れで相変わらず危険地帯。そしていよいよ三ノ滝の近くへ。もうここらの荒れようはどうしようもない感じで、倒木を乗り越え潜り。それでも昔からの右岸の道は健在でなんとか滝へ近づく。しかし暑い。谷間は涼しいかと来たものの、むわあっと淀んだ湿気に覆われて汗はだらだら、喉も渇く。崖から染み出ている山水で顔を拭いい口を潤す。
二の滝を足元に見ながら | 二の滝 |
谷の奥は荒れている | 倒木を潜り乗り越えて進む |
奥まった谷間の崖に囲まれた三ノ滝、水は流れているが滝つぼは倒木に埋まり、苔で覆われた岩場はかつての勢いがなくさびれている。倒木に腰かけて昼食。ヒルの巣窟だったこの谷間、今日は1匹も見かけない。どうなってるんや。それも寂しい。
谷の下流を眺める | 三の滝近く |
三ノ滝の手前に岩場の上に登る道があり、最近は立派なスチール製のはしごが備えてあるので嬉しい。滝を巻いて登る岩場にもしっかりと鎖が打ち込んである。滝の上部にはギボウシが群生していたのだが、そういえば姿がない。滝の上流を植林地に沿って進むと、沢の源頭部につく。すぐに支尾根の斜面へ登る道がある。
三の滝 | 三の滝の上部へと |
今日の天気予報は午後から雨だったなあ と尾根を見上げる。ぎらぎらと照り付ける日差しが木々の間から降ってくる。尾根に登ったら暑いやろうな、この斜面は登りがきついんだよなあ、大尾山山頂に登ってもそこから比叡山まで行く元気ないしなあ と思案して、今日は引き返すことにした。
三ノ滝に降りてきたが、上から見るとその倒木の多さにびっくりする。どこを通ればいいのだろう。そう考える人も多いのだろう。めったやたらに突っ込んでいっただろう踏み跡が至るところにある。ほんまは右岸やのに左岸に踏み跡があるので付いていってみた。案の定途中で行き詰まり、最後は崖の上から沢へと無理やり降りて、右岸の昔からの道に合流。えらい大汗かいた。この谷を歩いた記録を読むと、みなさんたいへんやった、怖かったと書いている。距離は短くても、昔も今も危険な谷間です。
三の滝を上から眺める | 大尾山取付きから上を眺める |
律川源流部を引き返す | 倒木で荒れた沢 |
どう進めばよいか 思案する | とりあえず沢へと降りる |
ここまでくるとほっとする | もう一度滝越えの難所 |
音無の滝で一服して涼んでいると、山の上ではゴロゴロと雷が響きだし大粒の雨がぽつりぽつり。よかった、大尾山に行かんでよかった。天気予報は正確やった。大木に覆われた三千院までの道は雨も隙間から落ちてくるくらいで気持ち良く歩き、三千院へ。門前は観光客で賑わっている。
このお知らせとおり | 三千院門前 |
今日は友人お薦めの宝泉院に寄ってみる。声明で有名な勝林院の門前を抜けた奥まった場所にお寺があった。へえ こんなところに?
大原声明の発祥地勝林院 | 巨大な松のお庭宝泉院 |
友人は雪の日に来たら静かでとてもよかったと大絶賛なので、興味津々。小さな門を潜りぬけ小さな玄関を入ると、目の前にドドーン、大きな大きな松の大木が鎮座していた。物凄い迫力の幹、曲がりくねった枝、どれをとっても圧倒される。広間の端に座って夏バテの身体を休めた。
住職お薦めの特等席へ | 枯山水 |
しばらくすると住職だろうか、作務衣を着た坊さんが大勢を引き連れて現れ、この庭や建物の案内を始めた。横で聞いていると、座っていた縁側の天井には、太閤秀吉の時代に伏見城の戦で敗れて討ち死にした人たちの血の跡が残っている床板が張られているという。
放置された死骸の跡かたも残っていると詳しく説明。周囲にいた若者たちもへえーと話に聞き入っている。ひとしきり話し終わった住職が、この庭を眺めるにはここが一番の場所やと指し示したのが、赤い座布団と脇息が据え付けられた上段の間。お殿様が座っている場所ですね。
素晴らしいの一言 |
恐れ多くて勝手に座ったらあかんと思ってた。居合わせた人が順繰りに座り、順番に出て行って(多分次は三千院に行くのだろう)だーれも居なくなった大広間を独り占め。住職お薦めの絶景パノラマを堪能した。ほっこりまったりさせていただいた。
今日はあくせくして山に登らんでよかった。いつしか雷も雨雲も遠のき、涼しくなった大原の里。のんびり過ごした真夏の一日でした。
静かな大原の里 |