大杉谷から愛宕+竜ヶ岳
2022.01.16
地蔵と竜
(左 地蔵山  右 竜ヶ岳)
令和4年1月16日(日) 晴れのち曇り      小てつ単独

コース:
・愛宕寺横路肩デポ~試峠~堂承川林道~大杉谷登山口~愛宕三角点~竜ヶ岳~東尾根~竜の小屋~首無し地蔵(サカサマ峠)~梨木谷本谷~梨木大神~堂承川林道~試峠~デポ地



 週中に大雪が降って、小てつのスケジュールも山に行けるとなったが、嫁から晩ご飯当番を指名されてしまったので、遠出は出来ないことになった。それならば鉄板の愛宕行きとなるのだが、最近は超人気の山になっているようで、朝の様子でコースを考えることにして、前日に一応稲妻号に装備をスタンバイしておく。

 朝の道路凍結があるようなら、電車で保津峡、無いなら稲妻号で清滝口へ向かい、愛宕寺横の路肩に空きが無ければ、そのまま保津峡まで走るという計画。



 朝は先週よりも冷え込みが弱く、フロントガラスにぬるま湯をかけることもない。それならば稲妻号で行けそうだ。途中のコンビニでおにぎりを仕入れて清滝のトンネル前を鋭角に曲がる。ちょうど出発の準備をしておられた御夫婦の車と、除雪用のブルドーザーの間が1台分開いていたので、滑り込ませてもらう。今の時間で先客は8台、今朝は少ない方だと思う。準備をして7時30分に出発。今日も試峠を越えていく。

朝の愛宕 愛宕寺横にデポ

 試峠を乗り越した北側の路面凍結が心配だが、今朝は冷え込みが弱く、テカテカということはないので、ここでスベランゾーをつけることは無かった。

 金鈴橋の駐車場にも車は少なく、案外今日は登山者が少ないのだろうか?雪を待っていた人達は、すでに昨日までに来ていたのかも知れない。

試峠は凍てつく 今日の駐車は少ない

 堂承川林道を歩いていても今朝は暖かく、いつも衣服調節するトレイルの看板の所まで行き着くまでに、中に着ていたダウンを脱ぎ、ビニー帽子からバンダナにかぶり直すくらいだ。手袋も綿の入っていないレイングローブ(今日は終日レイングローブでいけた)。

 大杉谷の登山口に8時10分着。スパッツをつけていよいよ準備をしていると、御夫婦が降りてこられた。アイゼンは必要でしたかと聞くと、「上では着けました」と言うことなので、よしよしとなる。御夫婦は軽装で、愛宕山登るくらい朝飯前なんだろうなと思う。言葉通り、暗い内から登って御来光を眺めて降りてきて、これから朝ご飯なんだろう。でかいザックに重装備の小てつは、上で何をする気なんやろうなぁ。


金鈴橋からの冬枯れ 大杉谷登山口

 ドラム缶までが頑張りどころ、あえいで登っていると、ドラム缶直前で単独の御婦人が降りてこられた。5合目で雪が深くなり降りてきましたと言われる。(愛宕の5合目ってどこや?)と思ったが、別の話に花が咲き、結構休憩してしまった。群れるのが嫌で単独で登っているんだけど、波長が似ている人はわかるもので、合うひとに出会うと、つい山中で長話になってしまうのは、小てつも何度も経験していること。またおもしろい人と知り合いになれた。樟葉マダムと一緒で、次にお会いするのが楽しみになる。

 第二ベンチあたりから雪が多くなる。植林の枝上の雪の爆弾は、まだおとなしくしているので助かる。氷の塊で落ちてきたのが直撃すると、結構痛い。水のしずくとなって落ちてくるのも、なかなか不快。

 9時50分に月輪道出会いの合流。登山道はテカテカ。登山道脇の雪を踏みつぶして場所をつくり、アイゼンを着けていると、小中学生を含めたトレランの団体が走り降りてきた。10人ほど降りてきたところで、まだ20人くらい来ますということで、ゆっくりアイゼンをつけて、最後の男性に確認して出発する。

月輪道出会い

 ところが、アイゼン装着は失敗。ツメが刺さって歩きにくいことこの上なく、すぐにスベランゾーに履き替える。トレランシューズで走って降りてこられるくらいだし、まして登りならアイゼンはいらんなぁと後で思う。でも、小てつの登山靴の底は堅く、凍った道にはすこぶる弱い。そこは安全第一。

 10時10分にジープ道に乗り上げ、三角点に向かう。ジープ道には、おそらくスノーシューで踏み固められたと思える轍が残り、やはり団体さんは昨日までに来ていたんだと思う。。

 三角点に挨拶だけしてジープ道まで降りてくると、大学生らしい単独男性が、シューの轍があるのにワカンで歩いてくる。地蔵山まで行ってきたのかと聞くと、スキー場跡で遊んできましたとのことだった。男性は上に何があるのかと聞くので、三角点だと教え、せっかくワカンを履いているんだから、未踏の斜面を登って行って来たらと進言するが、やったやろか?。

ジープ道出会い

 ジープ道を竜ヶ岳分岐まで来て、やはりシュー跡の轍は地蔵山方向に残っている。竜ヶ岳方向の轍はつぼ足の踏み跡だけというのを確認して、それならと竜ヶ岳へ向かう。

 踏み跡が濃いのは竜ヶ岳コースを少し進んだ展望地までで、その先はもっと薄いようだ。なので、そこからワカン装着とする。先行者がつぼ足ですすんでいるようだが、途中で寄り道したりできるから・・。(なんで寄り道?)。

 少し先へ進むと、踏み跡がめったやたらの方向に進んでいる。ワカン履きということで、踏み跡を通常ルートに修正しながら進んでいると、滝谷の源頭の谷を背負子担いで登ってくる単独男性がいた。男性が近くまで登ってくるのを待ち、「滝谷からですか?」と声をかけると、「いえいえ、そこらでラッセルの練習をしていました」とのこと。背負子にはわざわざポリタンクの中に水を入れ、重しにしているようだ。「いい練習になります」とのことでした。愛宕にはいろいろな人が来てますねぇ。

 竜ヶ岳までの前衛ピークや、谷の源頭部などに寄り道しながら新雪のワカン踏みを楽しむ。やはり、地蔵山から滝谷を詰めて来た人はいなかったようだ(当たり前か・・)。

愛宕三角点 竜の方が踏み跡が少ない

 竜ヶ岳にちょうどお昼に到着。お茶漬けタイムとしよう。ここまで空は晴れていたのだが、天気予報通りに一気に暗くなってくる。雨や雪は降りそうでもないが、スベランゾーをアイゼンに付け替えて、そそくさとピークを後にする。

 東尾根を降るため、北向きに降りはじめるも、先行のワカンの跡は数メートルついているだけで、ピークに戻っていた。うえ~、東尾根を単独ラッセルかぁ~と膝下から又くらいまでの雪の中を進んで行く。北向きから南向きに折り返し、トラバースを尾根まで戻ってくると、なんと踏み跡が残っているではないか。それもアイゼンもつけていない、おそらく二人分。彼らは尾根終点から直登したようだ(直登は山が荒れるからアカンのに~)。

 踏み跡は、迷い無く夏道をたどっていて、東尾根の熟練者。彼らは、御法度の直登をしているが、小てつは雪で隠れた根っこを踏んでスッテンズルッが嫌なので、スパイクがわりのアイゼン装着。木の根っこを痛めるのでアカンのは重々承知なのだが・・、どっちが重罪?。

 などと自嘲しながら東尾根登山口に40分かかって降りてくる。夏道の登りと変わらない時間がかかってしまっている。

竜ヶ岳ピークのケルンは埋まる 竜東尾根登山口

 首無し地蔵から先のことも考えて、アイゼンそのままで先へと進む。残雪の標高から考えて、いつもの八丁尾根に行っても楽しめそうにない。梨木谷に降りることになるのだが、雪の量によっては、本谷か伐採時の迂回路に進むかの選択をしなければならない。

 東尾根登山口から首無し地蔵までの間でも、今日は気温が高いので融雪してきて、雪が重く、やたらと遠く感じてしまう。

 首無し地蔵のサカサマ峠に着き、本谷をのぞき込む。ここは雪が溶けてしまっているとドタドタの赤土で、滑って転ぼうものなら悲惨な目に遭う。まだドタドタ状態では無く、残雪もあるので本谷で降りられそうだ。

梨木谷本谷下降点

 本谷を降りるなんて何年ぶりだろう。きっと途中にある滝が氷瀑していた時からだから、10年以上は前になるだろう。途中で伐採のため迂回しなければいけない時期もあったし、大雨でぐちゃぐちゃになった時も2回あった。2018年の台風による倒木の時も迂回路で降りたし。最近okaokaさん達も、15年ぶりのルートを歩かれるのがブームになっておられるようだから、小てつもブームに乗っかって久々のルートをとろう。

サルトリイバラが増えている 昔この谷が氷結していた

 久々の本谷は、サルトリイバラの畑になっていた。伐採で陽当り良くなって、はびこったんだろう。ジャケツイバラの株も数株大きくなっていて、くわばらくわばら。

 ここも40分かかって迂回路分岐のところまで降りてくる。それにしても、マイナールートと思っていた梨木谷の本谷ルートに、これほど踏み跡が残っているのには驚いた。雪についた踏み跡なので、先週木曜日以降だというのに、すごい数の踏み跡が残っている。気になったのは、登りの跡ばかり。

 梨木大神の石碑も、傾きが直され、ほぼ元通りになっていた。石碑のあたりから、ひどかった倒木も、驚くほど早急に人が通れるだけ整備されたと聞いていたが、恐れ入る労力で、きれいになっていた。まだ手つかずの状態の時に、知らずに入り込んでしまい、ジャングルジムをして強行突破したからよくわかる。

梨木大神 人が通れるだけ処理してある

 2時30分に林道ゲートに到着。デポ場まで、あと1時間くらいだろう。十分晩ご飯の支度には間に合う帰宅となりそうだ。

帰りの愛宕に雪は目立たない

 今日はリクエストの「お好み焼き」。お好み焼きだと言って、お手軽だと思われるのも侵害で、自宅の今夜分と非常食分、娘二人の家の冷凍非常食分とで10枚ほどは焼かなければならず、これがなかなか大仕事。焼きながら飲むビールで、せっかく歩いて消化したカロリーを、リバウンドさせたら元の木阿弥やなぁ。