やはり武奈標識杭はこうでなくっちゃ
実は先週に、哲朗さんや木村先生に「今週は武奈に行きま~す」と宣言していたのだが、嫁の仕事先で陽性者が出て、用心深い嫁は完全防備体制で接していたから完全な濃厚接触者にはあたらないものの、いちおう経過観察と言うことで隔離と言うほどではないにしろ注意して様子を見ていた。土日2回の抗原検査の結果、陰性と確認できたのでホッとしたところであるが、小てつも山は中止でした。なんかこうなってくると、感染がすぐ近くまでやってきていると感じる。
だったら家でおとなしくしとれや!ちゅう話ですが、雪も降った今年、行ける時に行っとこうと、予想天気図を見比べ、土曜日の方が風も弱いだろうからと代替で金曜日の祝日に仕事を済ませての山行、どうなりますやら。
雪の時には武奈へ行く小てつ、御殿山から望む真っ白な西南稜は圧巻で、近隣のどこの山にも無い絶景だと思っている。先々週に桟敷から見た武奈の西南稜は光って見えて、次回は武奈へと決めていたのだ。
7時に自宅を出てコンビニに寄り、いつも通りに出町柳を通って行くが、バス停に行列が無いのは寂しい限り、「出町柳のナイスガイ」は電車ででも武奈へ行っているんだろうか?。
途中越えも花折峠にも路面に濡れも無く順調に北上する。花折トンネルを抜けると景色は一変するものの、4,5年前の同時期に比べると、やはり雪は少ない。おなじみのチェーン装着場や反対車線の路肩、仙の道の向かいの駐車地などに登山者の姿も見られ、権現山か皆子山か?。
8時に坊村の葛川センター駐車場に到着するも、すでに駐車場は満車状態。小てつの前後に駐車場に入ってきた車も場所を求めてウロウロする中、駐車していた1台の車が出て行ったのを見つけて運良く滑り込む。
おとなりに駐車の御夫婦も登山の準備中、挨拶をしてお話していると(離れてね)、大阪から2時間かけて来られ、先週はイン谷側から登られたとか。近辺に雪の時に良い山はありませんか?とおっしゃるので、石田川ダムからの湖北武奈や三重ヶ嶽をおすすめした。ただ、遭難しても助けに来てもらえませんからと念押しする。用意が出来たので、お先に出発する。8時20分。
8時で満車 | 全然雪の無い明王殿 |
トイレをお借りして、明王殿に向かうと、地面にはまったく雪が無い。愕然として、「駐車場に戻って石田川ダムまで行くか~」と、本気で思った。でも、ここまで来て~と観念して植林地の登りに向かっていく。
登山道は踏み固められた氷となっていて、こんな時にはスベランゾーの出番だと装着する。アイゼンだと刺さって、かえって歩きにくい。
明王殿あたりでは、数人の登山者がいて、抜きつ抜かれつは嫌だなぁと思っていたが、登り始めると不思議に小てつの前後数百メートルにしばらく人影を見ること無く、日本庭園(紅葉のコバ)の近くでアイゼンを装着するまで、自分のペースで登って来れた。
ところが、そんなに上手くことが運ぶはずも無く、日本庭園まで来ると、30人ほどの団体さんが先行しているのが見えた。この時期、団体さんは来てないだろうと思っていたのだが、思惑外れ。こうなったら、汗をかかずに登れると、間を開けてゆっくりついて行く。
日本庭園で団体さんが先行 | 雪の爆弾がまだ残る |
団体さんは「レスキューポイント御殿山2」の稜線に乗ると休憩してくれたので、先に行かせてもらう。大学生くらいの団体だった。一人引率の教授みたいな人もいたし。
もちろん冬道で見晴らし台に10時20分到着。今日はとても見晴らしが良く、神戸から来られたという方と、山の同定をする。愛宕三山やおにゅう峠の林道でよくわかる百里など、わかりやすい山の紹介をする。武奈ピークから、白山が見えると良いですねと先行する。
愛宕三山がよく見える |
御殿山から西南稜を望む。真っ白できれいなのだが、雪庇に迫力が無い。これは期待外れ。ワサビ峠に降りていく。ワサビ峠の標識が埋もれているので、それでも積雪は1mを超しているんだ。
第一ピークへの登りも、踏み固められた雪にアイゼンがよく効き、それほど苦労しなくても登れた。新雪ズルズルでシューが効かなかった2017年の時とは雲泥の差。
ワサビ峠の標識が埋まっている |
西南稜に雪庇がな~い |
風の無い西南稜は、暖かいを通り越して暑いくらい。登りで無くても汗が出てくる。絶景を楽しみながら快調に進み、たくさんの登山者で賑わう武奈ピークに11時30分に到着。
ピーク標識に雪が張り付き、冬の武奈はこうでなくっちゃ。ピークからはもちろん白山も見え、まわりの山々がいやに近くに見えるもので、感が狂う。多くの人が琵琶湖側に陣取っているが、小てつは高島トレイルが望める西側に腰を下ろしてお茶漬けタイムとする。ただ、今日は暖かくて、ラーメンにしておけば良かったと後悔する。いつまでもピークにいられそうだ。
それに今日も、ずっと綿の入っていないレイングローブで通している。小てつは左の人差し指に血行不良が残っているおり、冬期の手袋は必需品で、ザックには5種類の手袋を入れている(以前、木村先生と同行されたしーちゃんさんも3種類の手袋を用意されているとレポを拝見した)。レイングローブの他、防風用の薄手、モンベルの綿入りニット(15年以上使っている)、マイナス10℃対応のアウトドアリサーチ、ラッセル用の肘までのオーバーグローブ。(そんなん入れているから冬でも45リットルの大荷物になるんじゃ!)。
賑わう武奈ピーク |
大御影山から三重ヶ嶽、湖北武奈とひと塊の大きな山に見え、行きたいなぁ、まだ雪深いやろなぁと眺めていると、水坂峠と思われる鞍部の向こうに、島のようなものが見えた。間違いなく日本海(三方五湖かもしれん)。木村先生達と比べると、お粗末な武奈登頂回数である小てつだが、武奈から海が見えたのはもちろん初めて、気がつけば、もっと西側の小浜湾も見えていた。
いつまでもいられそうなピークだったが、30分ほど休憩して立つことにした。先ほどの神戸から来られたという彼を見つけたので、海が見えていることを教える。
伊吹もくっきり |
もちろん白山も見える |
水坂峠越しに海が見える |
武奈からコヤマノへ向かう強者もいて、まだぞくぞくとピークを目指す人達が登ってこられる中、御殿山へと折り返す。
第一ピークあたりで、駐車地でおとなりだった御夫婦に会う。途中でお会いしませんでしたねと言うと、ピークまで行かず第二ピークでお昼にして折り返したとのこと、(何故に今日みたいな大絶景が拝める日に・・・)と思ったが、人それぞれ。
武奈ピークのモンスター |
12時30分に御殿山に戻ってくる。名残惜しい西南稜を眺めていると、男性一人女性二人のグループがもめている?様子だった。何でも、うち一人の女性が、ここまででもうしんどくなってしまって武奈ピークを諦めると言い出していたところだった。もう一人の女性の目が、小てつに何か訴えているのがわかったので、「今日みたいな日に武奈のピークに行かないなんて、ありえません。私が登った中でも、1,2を争う大展望なのに。白山見えます。」と言って、「あそこの第一ピークまで頑張ったら、あとは惰性で行けます。」と言う。それが効いたのか、弱腰になっていた女性が腰をあげることとなり、もう一人の女性は、小てつによくやったということか、グータッチをしてくれた。
男性は、弱腰になっていた女性に「武奈まで頑張ったら天下一品のラーメンをおごってやる。」と言っているが、天下一品の内情を知っている小てつは(何でや~)天下一品では無く、王将の餃子とビールの方がいいと進言する。
降りでは団体さんに遭遇することもなく、13時20分に日本庭園まで降りてきた。レスキューポイント御殿山1ほどまで降りてきて、アイゼンを外した。ところが、アイゼンを外して2歩目で、滑ってこける。何人もの登山者のアイゼンで耕された登山道は、凍って無くても上滑りするんだ。再度アイゼン装着も何なので、登りと同じくスベランゾーを装着する。スベランゾーを装着しても、大きな歩幅で歩かんと忍者小走りで降っていく。
14時ちょうどに明王殿まで降りてくる。居合わせた人に「ご苦労様でした。」と声をかける。橋を渡ったところの用水路で、アイゼンやストックを軽く洗って、駐車地まで帰る。
駐車地にはまだたくさんの車が残っているが、今日の天気なら大事になるようなことは無いだろう。
ユッキー様、早く直して行ったげんと、武奈が比叡山に焼き餅やいてましたよ~。