桟敷ヶ岳(大森からショートループ) 
2022.01.30
桟敷ピーク
令和4年1月30日(日) 曇り時々晴れ      小てつ単独

コース:
・大森東町分校跡デポ~キャンプ場手前分岐~薬師峠~岩茸山~桟敷ヶ岳~長谷林道~デポ地





 6波襲来と言うことで、安易な山行もはばかれるところ。3年前の台風による倒木の関係で、確認のできていない山には出来るだけ立ち入らないことにしている小てつであるから、道迷いなどの遭難は無くても、山中で急な体の不調とかは起こるかも知れない。そんなん下界でも同じことと言うなかれ、山中で起これば地元の消防団など、多大な迷惑をかけてしまう。広河原のおかみさんの所なんかだと、「お願い、誰もこんといて~」となっているだろう。

 そんな中、地元に知り合いもいて、比較的(なにと?)ウロウロしていても申し開きもできると言うことで、今回も桟敷ヶ岳に向かうことにする。




 天気予報だと一日中曇りということであったが、7時をまわる頃には朝日も照ってきて、おまけに夜中は曇っていたのか凍結もなさそうだ。これなら周山街道も大丈夫だろうと、7時30分に自宅を出発する。コンビニによって、路面の濡れも無い周山街道を快調に北上していく。

 小野郷まで来ると、屋根雪が少々残るようになってきて、大森に入ると路肩には除雪跡の塊が残り、屋根雪も嵩が違っている。

朝いちは岩茸山も見えず

 今日は乗用車で来ているので、最初から無理して奥まで入ることはしないと決めていたが、それでも雪かき用のスコップは積んで来ていたけれど、分校跡のグランドも除雪してあるのか、陽当りがいいので雪が溶けたのか、訳なく進入できたので、石碑の前にデポさせていただく。準備をして8時15分の出発となる。朝いちは岩茸山も見えないくらいにガスっているので、天気が心配になってくる。

分校跡にデポ 屋根雪の嵩が違う

 静まりかえった大森東町を進んでいき、キャンプ場の手前の材木小屋の前の橋を渡っていく。こちらには誰も入っていないのか、林道には鹿の足跡しか残っていない。残雪は10cmくらいだが、表面だけ凍っていて中はスカスカなので、歩を進めるたび、バリンと踏み抜き、ショックがキツい。すぐの小屋のところで衣服調節して、ついでに早くもシューを履く。

 林道では植林から落ちた雪が表面凍ったザラメ状で、シューの踏み心地は決して良いものでは無いけれども、今シーズン初めてのシューハイクなので、頑張って登っていく。調子にのって、途中の分岐を真っ直ぐ進んでしまい、数十メートル戻って小さい沢を渡っていく。嫌やなぁ、後から誰か踏み跡見たら、こいつ間違がっとるがなと思われる。

 下の分岐から50分かかって薬師峠まで来れた。昔は趣きのある峠だったのに、何か殺風景な峠になってしまった感があるなぁ。北の登山道に乗っていく。

キャンプ場手前の材木小屋を右へ 薬師峠

 ここからは、雲ヶ畑から登ってきた昨日のものと思われる外歯シューとワカンの跡が残る。シューは往復しているようだが、ワカンはどうも行ったきりのようで、どこへ向かったのか興味津々なところ。

 朝いち霧だと思っていたが、どうやら降雪だったようで、わずかではあるものの樹氷となって美しい。特にこのコースでは、いくつかの東側の谷が美しく、好きなところだ。シューで行けば、快適に降りていけそうだが、どこの谷も途中から勾配きつくなるので、怖いところだ。桟敷は西も東も、あまり緩やかなところ無いなぁ。(道あるところも、道無きところも降りたことある人談)。

わずかだが樹氷になっている

 峠から30分、岩茸山の分岐に到着。今日は城丹国境尾根も行ってないし、いっちょ夏場なら行かない、岩茸山越えで行くかと、ヒールリフターをあげて斜面にとりついていく。

 斜面の雪は一回でドカッと降った雪、根雪になっていなくて、下の落ち葉で上滑りする。なかなか手こずるものの、岩茸山の前衛ピークまで登ると雪質がそれまでと全く別物となり、積雪60cm以上もあるのにシューがほとんど沈まない。鹿の踏み跡すらない雪に、今日は桟敷に来て(岩茸やけど・・)良かったと、シュー跡をつけていく。

 岩茸北の反射板への林道で、シューとワカン跡が合流してくる。冬場には、こっちの道が定番になってきているようだ。

シューが沈まない かわいくエビさん

 林道終点の鞍部から、シューとワカン跡は割と夏道通りに歩いているようだが、小てつは雪の時の特権とばかりに、あっちウロウロこっちウロウロ。動物の足跡やら、ドライフラワーやら興味を引くものに惹かれながら、大鉄塔を目指していく

これはキジ これはリス

 途中、都ながめの岩付近からは、最近では珍しく京都市内の景色が見れた。写真ではとてもわかりにくいが、琵琶湖も確認できるほどだった。沢山連山越しに、向日町のランドマークタワーもよく見えたから、きっと哲朗さんのところからも、今日は桟敷がよく見えていることだろう。(哲朗さんのお宅からは、桟敷をはじめ北山の山々が見渡せるのである。なんとうらやまし~ィ)。

 市内側はよく見えたのだが、蓬莱、武奈の上の方には雲がかかり、今日はあっちに行かなくて正解と思ってしまう。

 天気予報は終日曇りと言うことだったのだが、裏腹に昼前にはすこぶる良い天気となってきて、桟敷ブルーを満喫する。11時30分ピーク到着。

桟敷ブルーになる

 今日は早い時間に降りられるので、今年まだ行ってないラーメン「キャプテン」に帰りによっていこうと思っていたので、軽くおにぎりひとつだけのお茶漬けでお昼をすまして、15分ほど休憩してピークをたつ。

 ワカンの足跡は、一度北の登山道に向いていたが、ピークから東の直登道を降っていったようだった。(それで、行きの足跡しか残っていなかったんだ)。

 行きにはガスっていた蓬莱と武奈のピークあたりが、ちょうど昼頃には晴れていて、武奈の西南斜面が光って見えた。お昼ちょうどにピーク到着の方々はラッキーだったようだ。

一瞬武奈様が光る

 帰りの長谷林道分岐までにも遭遇者無しで、どうやら今日の桟敷は小てつ貸し切りだったようだ。天気予報も悪かったし、雪の時にバス便ではキツいところもあるし、コロナでグループ登山もはばかれるし、ということだろう。

沢山連山の向こうに男山まで見える 今日は市内もよく見え(中央が御所)

 長谷林道の斜面に緑色が少ないと感じていると、雪崩というほどでは無いにしろ、雪が斜面を削ってしまっている。野草の楽園のところなのに・・・。

 標高600m、大森キャンプ場が見下ろせるカーブのガードレール付近まで降りてくると、急に雪が少なくなってきてシューを外す。外したシューをザックに取り付けていると、下の林道から重機の音がしてくる。伐採では無いようだが、何か作業がおこなわれているようだ。お願い、大谷林道側であってくれと、林道を降りていく。

 前にタヌキを見かけた伐採広場まで降りてきて先の様子をうかがうと、なんと重機が道慣しをしながらあがってくるではないか。広場まで戻ってきて、あたりを見渡すが、もはや脇の斜面にとりついて、重機の操縦者に見つからないように逃れることは不可能な状況。ここはもう観念して、広場の端に寄って、重機があがりきってくるのを待つことにした。

これはウサギ 雪が林道の斜面を削る

 重機があがってきて、操縦者がこっちの姿を確認したのがわかって、とりあえず大きく会釈をする。端っこの方の地慣しをし始めたのを見て、反対側の端を通って近づいていくと、重機を運転する手を止め、話しかけてこられた。

 「どこへ登ってきたんか?」、「桟敷ヶ岳です」

 「登りはどこから?」、「薬師峠の方から」

 「上の方はどうやった」、「雪は60~80cmくらいだったでしょうか、林道に雪崩はありませんでした」

 というような調子で、絶対に怒られると思っていて、怒られたら例の小野郷の知り合いや、大森西町のお寺の奥さんのお名前を出そうと思っていたが、全く怒られることも無く、猟師も見に来たが、猟もしないで帰ったとの情報もいただき、別れ際に、「迷惑のかからないようにしますので、また歩きに来させてください」と言うと、「いやいや、全然迷惑なんかないよ」と言ってくださった。

 ホッと安心で再び林道を降っていく。やはり作業の邪魔をせず、待っていたのが好印象だったんだろうと想像する。当たり前のように林道を降りていって、驚かして作業の手を止めたのとでは印象も違うことになるだろう。断り無く、勝手に入っているのはこっちなのだから、下手に出るのは当然なのである。

 キャンプ場は閑散としているが、親子連れは牧場の斜面でソリ遊びをしている。馬も、野球場跡では無く、こっちに来ていたようだ。

キャンプ場で遊ぶ親子 馬もこっちに来ている

 2時にデポ地に到着。帰り支度をして、さぁキャプテンによって帰ろう。今日は味噌とんこつ、並でね。

帰りには見えてくれた

                          【 記:小てつ 】