正月3ヶ日ゆっくりしたので初登りに出かける。お天気はまずまず。銀閣寺の疎水も人込みはなく静か。登山道では三々五々登る人下る人とすれ違う。暮れの12月24日に火床へ登り、下山時に山道じゃないところに突っ込んだので道の確認に再度火床へ向かう。

　表登山道の分岐を横目に堰堤に向かう。火床用の運搬ケーブル小屋の前にはもうすでに今年の8月16日の準備が始まっているのか、松の木が薪となって積み上げられている。昨夏は大の字がくっきりと描いて点火され、本当によかった。

犬にこどもに　　みんな三々五々	もう薪の準備？

　奥の水場の金鈴水で口を漱ぎ、さあ山頂へ。石ころだらけの谷道を太閤岩目指す。ガレ場の岩道をよじ登っていると、えらい賑やかな声が聞こえてきた。年配男女のグループが下ってくる。太閤岩の下の斜面を「ここは走っていくんやでー！」と短パン姿のリーダーらしき男性が突進してくる。

　後ろからついてくる人たちはこわごわ下っている。「いったいなにごとですか？」メンバーの女性に声をかけると「登山教室をやっているんですー」。ええっつ　大丈夫かいな？リーダーは大張り切りだけど、後のメンバーはおっとり刀、、、、いろいろあるもんやなあ　とびっくりしながら、グループを先に下らせて見送った次第。

金鈴水で喉を潤し	太閤岩を見上げる

駆け下る　登山訓練だそうで	ゲラ類が木をつつく音が響き

　七廻り谷の森は静かな広葉樹林、時々ゲラ類がコツコツと幹を突いている音が響く。谷の源頭部近くに道は左右に分かれ、右へと緩やかな小道を登っていく。すぐに登山道に出合い、火床直下の階段下へとでる。そうやった、ここやった、道は階段のフェンスの横にでるんやった。

細い道を登っていく	表登山道の横に出る

階段を登れば火床	弘法大師さんに新年のご挨拶

　火床の中心　弘法さんのお堂で参拝し、金輪に立って周囲を見渡す。風は冷たいけれど、雪がちらついた暮れよりは暖か。見晴らしもよく遠くあべのハルカスもくっきりと見える。山頂から下って来たらしい一団がどやどやと金輪にやってきて、あーだこーだと喋っている。

火床から

三角点から　大阪湾を望む

大文字山　菱形基線測点	菱形測点の頂点から計測して 地表の水平を調べる

　どこからですか？と声を掛けると、大阪の南の方から来たという。大文字の時の火がともるところはどこだろうか？と探しているので、船形はあれ、妙法はあそこ、左はあの山、あそこが御所と見える景色を指さしてひとしきり案内した。みなさん　もっと近くにあるかと思ったけれど結構（山の間隔が）離れてるんやなあ、よくわかった　と喜んでもらった。今日は空気が清んでいてよく見えてよかった。

比叡山を望む	北谷へ下る

　山頂から北谷へ下る。地面がぬかるんでいて滑りやすいが危なくはない。北谷をワンデリングして、中尾の滝へむかった。去年の正月に中尾の滝の沢を歩いた時は気温が零度近くに下がっていて、沢の流れはつららとなっていた。谷道はずっと低温で、携帯電話のバッテリーが消耗したのか、画面が暗転して電源が入らず焦った。夕方下山しましたコールを家人に入れなくては心配するのに、銀閣寺に下っても電源はいらず、公衆電話を探すにもどこもなく、やっと銀閣寺道のバス停近くで公衆電話を見つけた時にはほんとにほっとした。こんなこともある、お気を付けください。今年は暖冬なのか　中尾の滝はどしゃどしゃと水を落としていた。

中尾の滝

去年正月の沢のつらら

　夕方の銀閣寺疎水、火床を振り返るとなんとまあ　夕陽に朱色に染まった大文字山があった。近くにいた人と、すごいですねーと眺めていたが、数分で夕陽は落ち山は闇に包まれた。

　今日は暖かくて静かな山歩きだったと、いつもの百万遍東山湯に寄った。入口にはジュリーにビートルズの写真が飾ってある。100周年記念Tシャツも販売中。先日本屋で見つけた森まゆみさんの「京都不案内」に東山湯のくだりがあったので、番台の奥さんに教えると大層喜んでいた。東山湯はいいお風呂だけれど、早い時間にのれんをくぐると常連さんにジロッとにらまれ、カランの前に座ると「そこわたしの場所や」と言われた　という京都銭湯あるある話なんですけどね。（このあるある話で知人たちと盛り上がった　笑）

東山湯

ビートルズ＆ジュリー

100周年Tシャツ

　わたしは常連さんと、貼ってあるビートルズの写真を眺めながら　ビートルズ話に花が咲きました。（この話を聞いた従兄が、　まさか銭湯の脱衣所で女性たちが裸で自分たちの話をしているとはビートルズもびっくりだろう　と。笑） 喋って笑ってほかほかぬくもって、風呂屋の隣の王将で定番餃子＆ビールでしめて帰宅。いい正月休暇でした。

　後日、TVの京都の銭湯特集で東山湯も放映されたそうです。残念ながら見なかったけど。